エロティシズム 改版 (中公文庫 し 9-8)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122027367

感想・レビュー・書評

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  • 『エロスの解剖』が独立性のあるエロスのエッセイだとしたら、『エロティシズム』は統一性があって読みやすいし、入門書としても素晴らしい一冊でした。この一冊を読むだけでも、澁澤さんの他著に散りばめられたエロスの理論が理解しやすくなるのではないでしょうか。「存在の不安」「胎内回帰願望について」「愛は可能か」などのエッセイがお気に入りです。
    「死とエロティシズムとが、深いところで、いかに密接な関係をもっているかということを、ここでもまた、説明することになってしまった。」(本文より)

  • とっても重要なことだと思うけどあまり考え方を固められずにきたので、参考になった。

    「猫の大虐殺」で出てきた、猫が女性器の象徴だというはなしが再び出てきてうれしい。同時期に読んだ本でこういうことがあると嬉しいな

  • 初っ端から『花は植物の性器である』と言う思いもしなかった事実を突き付けられて澁澤節に一気に引きずり込まれました。

    エロティシズムを多方面から観て彼の感性を余すことなく披露。
    時々ダメダメな私の頭では付いていけなくなるのが悲しいのですが読後は「やっぱりこの人すごいわ…」と思わせられる本でした。

  • エロスとは何て奥が深いんだと思わされました。サルトル、バタイユ、サド、フロイト、著者の澁澤龍彦氏等など、性に対しての考察がとても深く、現代人でここまで考えられる人間が存在するのか疑問に思った。童話の「眠れる森の美女」の性の捉え方が凄すぎて脱帽です。終盤に出てきたウレルスタム博士の性に対する見識がすごく過激でおもしろかったです。何個か気になったのを書き残しておきます。
    ・性教育を徹底して宗教的迷信を断ち切ること。
    ・.男女交際を斡旋する役所を設置すること。(売春を禁じる法律は廃止)
    ・新聞は倒錯者のために広告欄を設けること。
    ・露出症者のためのクラブを設置すること。
    ・過激なポルノグラフィックな映画を上映し、観客がそれを見ながらマスターベーションをするような場所を設置すること(これすごいなw)
    ・同性愛者が仲間を求めることができる場所を公示すること。
    ・淫売屋を復活させること。
    他にも病院に巡回慰安婦団なるものを組織するとかこの博士すごいな。これらのことはどんどん禁欲主義的に向かってる現代では起こりえないだろうな・・・

  • 勉強になりました。
    第一声がこれで申し訳ないのですが。

    難しい事を書く人なんだろうな
    と言う偏見にも似た気持ちを持っていたのでこの方の作品は初めて読みました。
    しかし意外にも解り易く成程と思える文章を書く方でした。
    意外な発見が多く解った事も沢山あるので読んで良かったと思います。

  • 澁澤龍彦のエロティシズム。
    読みやすくてなかなか面白かった。たまにちらっと三島由紀夫のことが書いてあったりして。

  • 澁澤龍彦さんは大好きな一人ですね。
    物言いがはっきりしていて好きです。

  •  セクシャルな事について、自分の思想を持っている人は、男性も女性も魅力的だと思います。

     ずばり、エロティシズムについての本。澁澤氏のエロティシズム関連の著作が、この中公文庫には「エロティシズム」「エロス的人間」「少女コレクション序説」の3冊として纏まっています。この一冊は、中でも王道なテーマで語られ、澁澤龍彦に親しんでいない人でも、エロティシズムって何?という些細な関心でも面白く読めてしまいます。

     エロ可愛い!などのキーワードで、ファッションのメインストリームにも登場して来ている「フェティッシュ」の概念。
    そして本屋さんの店頭に、山積みに売られるようになったセックスのハウツー本・・・こんな時代になっても、エロティシズムというキーワードを真面目に考える人は少ないのではないでしょうか。

     こんなにも、性の表現はオープンなものになり、そして消費されるものとして、世間に溢れるようになった・・・その現象がもたらす危機についても、澁澤氏はたびたび触れているのですが、一度は考えてみて欲しいと思います。この本には、自由に考えを巡らす楽しさがつまっています。


    〜こんな人におすすめ〜
    *セックスはスポーツだなんてとんでもないわ!
    *心理学が好き
    *マニアックな探求が好き

  • 1つあたり10ページ前後という短いエッセーが20個以上にわたって書かれています。
    気軽に読める長さなので、時間がないときにちょこっと澁澤さんのエロティシズムの世界を見たい方にはいい本です。

  • 冒頭の書き出しからとても驚いてしまいました。未だに花束を見ると複雑な気持ちになってしまいます。この方の作品は、文学少女・少年なら読むべきです!

著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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