- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122044289
感想・レビュー・書評
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閉塞的な世界観が好きだなぁ
読後に感じた現実味に、少しの恐怖と驚き詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読後感が好き。
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戦争がビジネスとなり民間軍事会社に委託される世界を描いたSF小説、スカイ・クロラシリーズの第1巻です。
1巻目ですがシリーズの時系列では最後の物語となり、映画化もされましたがそれとは決定的に異なる結末となります。
一定の秩序は保たれつつも退廃的で不気味な雰囲気を持つ世界、戦闘機乗りの函南優一(カンナミ・ユーヒチ)を中心に物語は進みます。
新薬実験で偶然誕生した思春期後に不老となる人間“キルドレ”と呼ばれるものがあり、彼もその一人です。
事故死か病死か自死でしか死ぬことがないため、キルドレの死生観はどんどん簡潔になるか考え抜いて狂ってしまうかのどちらかであるようです。
不老不死は人類の夢の一つと言えるかもしれませんが、もし技術の進歩により実際となった暁には寧ろ悩みが増えるだけのように思えました。
矛盾を隠さず臭い物に蓋をしないカンナミの生き方は理想に近いのですが、ここまで達観するには人間性を削るほどの苦しみがあったのでしょう。
読者によって十人十色の解釈や感想となるであろう考えさせられる一冊。
2巻にも期待します。 -
飛行機の操縦の図解とか見てから読んだ方が楽しめるかも
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自分のものになった瞬間に、手が出せなくなる。
自分のものは、何も壊せなくなる。
つまらないことに執着するのが大人の特性であり、特権であり、そして役目でもある。
みんな、僕が早く死ぬことを祈っていただろう。つまり、それが、エースだ。
前半は、物語の設定を理解するのに少し躊躇う。
第3章くらいから引きこまれる。
淡々とした、詩のような文章で主人公の気持ちを表現する。 -
『スカイ・クロラ』再読3回目
JKになってお小遣いアップした記念(?)で大人買いしたシリーズ。
つぅ…とした感じで起伏があまりないストーリーが相変わらず心地よかった。
確たる自己を持っていないのに周囲に合わせない主人公に魅力を感じてしまい読むにつれこんな人になりたいと毎度思う。
2017.7.26(3回目) -
大人にならない子供「キルドレ」たちが戦闘機に乗り、ビジネスの戦争が行われるどこかの世界の物語。
常に死と隣り合わせでありながら、乾ききった、ドライな感情。死への恐怖とは別の焦燥感。死と向き合うのではなく、見つめるのでもなく、ただそこに在るものを許容するか否か。
「キルドレ」の秘密など明確に説明されていないので、ヒントを頼りに考察するしかないのだが、実際この物語で重要なのはそんなことではないのだろう。
※「ヴォイド・シェイパ」シリーズと比して、こちらは「死」を見つめて書かれているように感じる。完全に個人的な感想。
*2008.2 *2016.7