- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122051089
感想・レビュー・書評
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推古天皇から始まる女帝の歴史。
男性天皇の中継ぎではなくゴッドマザーとして君臨した女帝たちの姿が描かれる。
中でも持統天皇と藤原不比等の攻防はすごく面白かった。
血で血を争う覇権取りの中、不比等だけは血を流さなかったというのも興味深い。
著者の作品はいくつか読んだことがある。
生き生きとし逞しい女性から見た歴史が面白かった。
その持ち味が存分に生かされたこの本は、カルチャーセンターの講座を元にしたものらしい。その講座受けてみたかった。
歴史の定石を反対側から見てみるというのは、多感な時期に戦中・戦後を過ごし価値観を変えられた著者ならではなのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勉強になっておもしろかった。
ただ江戸時代の女帝が薄かったかなぁ…。
蘇我氏女帝説はなかなか説得的でおもしろい。 -
推古、皇極(斉明)、持統、元明、元正、孝謙(称徳)、明正、後桜町。日本の朝廷に現れた歴代の女帝の実像を、作者独自の視点で紐解く。
朝日カルチャーセンターでの講義を元にしているので、導入編、といった性格は否めないが、作者の歴史小説を読んだことのある人ならそれぞれの作品が思い起こされてなかなか楽しく読めるはず。元正以前の女帝に関しては作者その他の小説やマンガ「天上の虹」などで馴染みがあるのだが、今回この本で「そういえば孝謙(称徳)天皇ってよく知らないなぁ」と気づいた。せいぜい日本史で仲麻呂、道鏡との絡みで習った程度。つまり作者の否定する俗説でしか知らないのだった。次は「氷輪」を読んでみよう。
それにしても学者でもないのにここまで歴史に造詣が深く、確固とした見解を示すことのできる作者には感嘆してしまう。