静子の日常 (中公文庫 い 115-1)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056503

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  • 初・井上荒野。

    75歳の静子さん。
    軽やかな振る舞いで、なんでもお見通しのカッコいいおばあちゃん。

    そんな静子さんにも、かつて「怒らなければならない理由」(=悪い猿みたいなもの)があった。
    彼女は長年その猿と折り合いをつけ、あるいは猿なんかいない、と自分に思わせて生きてきた。
    つまりは、とても見事な良妻賢母を、彼女は演じてきた。

    夫の死とともに、夫の妻であることをやめ、自由を手にした静子さん。
    スポーツクラブでスイミングを習い、
    息子夫婦の危機を未然に防ぎ、
    孫の彼氏とも友達に。
    若くはない、と自覚しながら、でも
    「新しい歌を知ることはできるんだわ」と呟く。

    「自由であるためには、心強くあらねばならない」と分かっているからこその、軽やかさ。
    いつか自分も手に入れたい。
    そして過去を懐かしく愛しく
    振り返りたい。

  • 静子さんのように日常生活を過ごしたい。

  • すごく可愛いおばあちゃん静子さん。皆から愛されていて、でも多少の毒も忘れない。何となくバラバラになった家族をそれとなく元に戻したり。わたしが一番好きだった所は、通っているジムでコーチと会員の不倫の噂のビラが貼られていたときに、そのビラをカゴに作り変えて、ビラを貼っても全部カゴにしてしまう妖怪がいるから貼るのを諦めるだろうという考えでせっせとカゴを作るのが最高でした。

  • ナイスヒットおばあちゃん

  • 好奇心旺盛な洒落たおばあちゃまの日常

  • 未亡人小説。

  • 静子さん…憧れる。
    クールな感じ、芯がとおり、いい女

  • 初読みの作家さん。
    好きな作家さんがこの作家さんの新刊をお勧めされる際に、こちらも話題に挙げられていたので、こちらから手に取ってみた。

    静子さんは、とても上品で気品のあり、機転も聞く方。家族やご近所、フィットネスクラブでのトラブルも目立たぬようにこそっと解決していく姿は読んでいて爽快であり、痛快でした。
    自分も年齢を重ねていくうちにこんな風になれたらと思う一方で、静子さんの夫婦生活ではなくなったご主人に、苦痛を虐げられており、夫亡き後の「自由を生きる」覚悟が、静子さんを凛とさせている要因の一つなんだろうなと思った。

    連作短編集で読みやすかった。

  • あっさり、さっぱりしている静子さん。
    そんな静子さんと静子さんの一人息子と
    その嫁とその娘、4人の視点で物語が進む。

    静子さんは自分でスイミングスクールに
    通うといって契約しちゃうし
    孫の部屋からお酒を取ってみたり
    愛人に会いに行ってみたり
    そんな破天荒なようで自分を持っている静子さん。

    自分や他人をすっと遠くから見ている、
    そんな冷静さがある。

    くすっと笑えたり、なるほどなあと思わされたり
    おばあちゃん凄い・・・となったり。

    ちょっとだけ毒のある感じがまたいい。

  • さらりと読み終わった。
    年齢を言い訳にせず
    品のある人生を私も送りたいものだわ。

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著者プロフィール

井上荒野
一九六一年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。八九年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞受賞。二〇〇四年『潤一』で第一一回島清恋愛文学賞、〇八年『切羽へ』で第一三九回直木賞、一一年『そこへ行くな』で第六回中央公論文芸賞、一六年『赤へ』で第二九回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『誰よりも美しい妻』『キャベツ炒めに捧ぐ』『結婚』『それを愛とまちがえるから』『悪い恋人』『ママがやった』『あちらにいる鬼』『よその島』など多数。

「2023年 『よその島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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