から揚げの秘密-ひぐまのキッチン (中公文庫 い 129-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122067431

作品紹介・あらすじ

人見知りの性格が災いしてか、就活をことごとく失敗していた「ひぐま」こと樋口まりあが、米、粉、砂糖などを扱う小さな食品商社「コメヘン」に入社して8か月――。

大学で学んだ応用化学とはまったく結びつかない社長秘書の仕事に四苦八苦。加えて、ろくにキッチンに立ったことなどなかったのに、社長を訪ねてくる友人や取引先を相手に、料理をふるまわなければならないこともあり……。

「はいよ」が口癖の社長・米田をはじめ、自称「倉庫番」の管理部長・安藤、嫁ぎ先からときどき電話をかけてくる元先輩秘書の吉沢など、心温かな人々に囲まれ順調な日々を送りつつ、「自分にはなにか足りない」とも感じていたまりあの頭のなかで、あるアイディアがふくらんでいく。

ほっこり美味しいお仕事小説。



【目次】

1 筍はいち早く

2 111個のフォーチュンクッキー

3 恋と野心とギムレット

4 葛そうめんに葛まんじゅう

5 そばの花咲くころ

6 から揚げの秘密

感想・レビュー・書評

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  • 「ひぐまのキッチン」シリーズ第二弾。
    “ひぐま”とは、樋口まりあの愛称。

    いきなり、お馴染みのゆかりへのSOSで始まるが、だんだん、まりあが自分で考えて仕事を進めるエピソードも増えてくる。
    社内の人間関係でも、お昼のランチ仲間の恋バナに付き合うゆとりも生まれ、しかしまだまだ男女の機微にはうといまりあである。
    そんな中、粉物を扱う会社なら避けては通れない事件が・・・!

    今の教育現場が抱える、あだ名、食物アレルギーなどの事情も描かれる。
    主人公の樋口まりあが“ひぐま”と呼ばれることへの、何らかの説明も含むのかもしれない。

    まりあが勤務する「コメヘン」の社長・米田の人柄の良さを始めとするスペックの高さが半端ない。
    米田に憧れ、そのためにコメヘンに入った、自分も起業したいという山本梢(やまもとこずえ)。
    でも、夢はあっても・・・
    あの「スーパー秘書」のゆかりでさえ、もう40歳だから早く子供を産まなくてはと焦る。
    やはり人生は一筋縄ではいかない。
    でも、この作品はマイナス思考では描かれない。

    「食フェス」という、賑やかなイベントで幕を引いたのも良かった。
    1巻で昼食を出したお得意様がたびたび話題に上ったり、まりあと関わってくるコメヘン社員の個性も次第に浮き彫りにされたりと、先が楽しみな展開。
    このような、「悪い人」が出てこない作品は心の健康を保つために必要だと思う。

    『筍はいちはやく』
    『111個のフォーチュンクッキー』
    『恋と野心とギムレット』
    『冷やし葛うどんにあったか赤飯』
    『そばのおいしい時期(ころ)』
    『から揚げの秘密』

  • 入社9ヶ月目の、ひぐまこと樋口まりあ。
    前作よりも人とのつながりが見えてきて、だんだん楽しめるようになってきました。
    料理の腕も上がっているようだけれど、その過程が見えてこないのが残念。失敗したところも描いていれば、説得力があったのに。ひぐまちゃんは不思議な力を持っている、という言葉を社長さんに言わせたのはとても残念。ひぐまの努力がますます見えてこない。

    それでも前回よりもずっと楽しめたのは、私も「コメヘン」の会社に馴染んできたからかな。社員の個性が出てきて、来客のエピソードも良かったから。
    最後の「から揚げの秘密」は、これまでの総決算みたいに展開して、とても楽しめました。
    ・・・と思っていたら、シリーズ3作目「もちじゅわ中華まんの奇跡」が出ていました!

  • 1作目と合わせ技で読む。
    お料理を扱う本は、やっぱり好き。

    新米秘書のひぐまちゃん。
    それをかわいがる周囲の人々。
    良い人しか出てこんやんけー。
    こんなすてきな職場、どこにあるの?

    でも、ただ幸せな話というわけではなく、
    時々、おぉっと思ったり、ほろっとしたり。

  • 番外編かな?本編を知らずに読んでしまった。
    秘書という仕事に触れたことがないから新鮮な視点だった。ただ、なんというか、料理は女、って固定観念がチラ見して複雑…
    それを言えば秘書だってそうか。

    本編を知らないので急に話が始まった感じがするが、この本単体でも読めなくない。
    米粉の会社だったり、そこで働く秘書が主人公だったり、普段は接しない世界線を見れておもしろかった。

  • 2024.01.13
    主人公のキャラクターがいまひとつ心情移入できない。ごめんなさい。

  • コメヘン侮れない

  • お米も扱う食品会社で秘書をやっている人が、社長に会いに来るお客さんにどういった料理を振舞ったらいいだろうか、ということでストーリーが展開していくような話で、タイトルのイメージとはかなり異なる感じだった。
    でも、どの話も料理が人と人をつなぐキーアイテムになっていて、ホッとするような話も多いなぁ、と思ったりする。

  • 短編集。
    米や小麦などを扱う商社の新米秘書が主人公。
    食べ物の描写やエピソードにそれほど惹かれなかった。面白くなくはない、という感想です。

  • 『ひぐまのキッチン』の続編。相変わらず、商社コメヘンの人たちが素敵。おもてなし料理づくりがんばるひぐまちゃんも可愛くて応援したくなる。心が温かくなる話でした。小麦粉アレルギーの女の子とのやりとり可愛かった。

  • キャベツの千切りもできなかったひぐまさんが、こんなにも成長しました…

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著者プロフィール

作家、翻訳家。子どものための読み物に「すみれちゃん」シリーズ(偕成社)、創作絵本に『100年たったら』(アリス館)、翻訳絵本に『せかいでさいしょに ズボンをはいた 女の子』『おばけのキルト』(小社)など。

「2022年 『色とりどりの ぼくの つめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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