明日へのペダル

著者 :
  • NHK出版
3.42
  • (9)
  • (22)
  • (20)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 171
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140057261

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 暗いコロナ禍の中、定年間近のおやじが、仕事と趣味の両立を図りながら、色々悩みながら結局ハッピーな生活を手にして行くストーリー。

    仙台の印刷会社の室長として働く本間優一は、健康診断でのメタボでイエローカードを貰い、今一歩対処出来ずにいた。ふとした事から若い女子部下の水野唯からロードバイクの紹介を受け奮発してデローザアイドルを購入して色々な楽しさを知る。時はコロナ禍初期で緊急事態宣言下で経済的なダメージを負いながら、リモート勤務が開花する。そんな中、優一は、自転車にのめり込み健康増進と会社生活を両立するも会社経営陣が変わりリストラに見舞われ、慣れ浸しんだ職場メンバーで退社し会社を起す。

  • ロードバイクにのめり込む描写は良かったが、コロナウイルスの話は余計でしかなく、物語と関係ないのでは。

  • ロードバイクで風を切ってみたくなった。それは主人公がなんの悪意もなく日々を送っているからかなと感じました。この物語は、ロードバイクと仕事の良い所が感じられ、初読の作家さんでしたが大変面白かったです。別の著書も是非読みたいです。

  • コロナ禍を背景に、50代半ばの主人公がロードバイクに挑戦する物語。

    主人公は健康診断で脂質異常をD判定と診断された本間優一。
    体質改善を考え会社の部下に勧められたロードバイクを始める事を決意する。

    自転車ショップ「ベルマシーヌ」の場面だけで、その情景が目に浮かんで来る。

    ロードバイクの師匠・水野唯との初ライドから、一人で百キロライドまで、めきめきと上達していく姿はこちらまで風を感じて爽快だ。

    会社の業績不振やリストラ、様々な問題が勃発しても誠実でポジティブな主人公に元気を貰えた。

    何歳になっても新しい扉は開けられる。

  • ロードバイク好きには分かる、ロードバイクあるあるが出てくる。

    話としてはうーんかな。

  • お仕事&ロードバイク小説。なかなか気持ち良い物語です。
    熊谷さんと言えば、先日ビッグスリー時代を思わせるSF小説の『孤立宇宙』を読んだばかり。それにしても色んな小説を書きますね。多彩というか節操がないというか(笑)。
    舞台は2020年の仙台。コロナの初期から第3波当たり。この本の前に大島真寿美さんの『たとえば、葡萄』を読んだせいで2作連続でコロナ禍の小説になってしまいました。いささかコロナにも食傷気味。
    どうもロードバイクについては自身の経験が随分入り込んでいるようで、微に入り細に入り語ります。最初は面白かったのですが最後は趣味の話を聞かされ続けるのにも飽きてしまい。お仕事は中年男性の主人公が務める小さな印刷会社のIT関連部門。紙の印刷を重視する前時代的役員vs圧倒的システム開発能力を持つ若手社員。その間で若手を助けて動く中年の主人公といった構図。
    熊谷さんもさすがにIT 領域は苦手なようですね。物語に出てくる様な個人スキルで出来たシステムなんて実際には会社では使えません。システムの裏には充分な仕様書が整備されていて、その人が居なくてもメンテナンスできることが必須です。とは言え、そんなことは読み飛ばして。。
    後半の盛り上がりは出来過ぎで、しかも古臭い人情ものの世界なのですが、前向きで明るく、心地良く読了しました。

  • ダイエットの為にロードバイクを初めて、痩せると共に新たな趣味を獲得する話でかなりべたな展開で、特別劇的な事は無いのですがこういういい話でまとめた本嫌いじゃないです。作者がきっと自転車にはまって、そのすばらしさを喧伝したくて書いたのではないかと邪推しますが、多分当たっているんじゃないかと。
    実際に自分でも自転車乗ってみたいなと思いました。かなり自転車の事細かく書かれているので、知っている人はそこも楽しいはず。ギターに置き換えるとなんとなくわかります。

  • 170これまで少なからず情緒的な部分が強調されがちなところが目立ったが、大きな組織と小さな集団との対比から始まって、家族の向き合い方や自分にない才能への気付きなど、面白くあっという間に読んだ。お仕事小説もいけますねえ。

  •  この人の本何冊目かな。どの本も面白かったし、自転車が好きで読みました。
     真骨頂は終盤に近い経営会議での専務とのやり取りかと。自転車あれこれシーンよりなによりここが一番面白かった。
     最後の元上司との再会シーンも本を読んでいるというより実際自分がそこにいるような臨場感があった。熟年男性二人の会話。穏やかな語らいの中に時代を生き抜いてきた人生の機微がにじみ出てくるような。筆力あってのことだし、この人の作風が自分に合っているんだと思う。
     少し出来過ぎのハッピーエンド。ちょっと違った形にして欲しかった気もしたり。

  • サラリーマンと自転車の話
    自分も自転車に乗るので楽しみながら読めました
    最後都合よく終わりましたが
    それでもほっとする小説でした
    仙台に行って自転車のってみたいと
    思いました

全28件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1958年仙台市生まれ。東京電機大学理工学部卒業。97年「ウエンカムイの爪」で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2000年に『漂泊の牙』で第19回新田次郎文学賞、04年に『邂逅の森』で第17回山本周五郎賞、第131回直木賞を受賞。宮城県気仙沼市がモデルの架空の町を舞台とする「仙河海サーガ」シリーズのほか、青春小説から歴史小説まで、幅広い作品に挑戦し続けている。近著に『我は景祐』『無刑人 芦東山』、エッセイ集『いつもの明日』などがある。

「2022年 『孤立宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

熊谷達也の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×