コッローディ『ピノッキオの冒険』 2020年4月 (NHK100分de名著)

著者 :
  • NHK出版
3.55
  • (4)
  • (6)
  • (10)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 91
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142231102

作品紹介・あらすじ

社会の矛盾をあぶりだす「あやつり人形」。原作に秘められた知られざる豊穣

「嘘をつく悪い子がよい子に生まれ変わる物語」というイメージがディズニー映画から定着している『ピノッキオの冒険』。ところが、ピノッキオは愛らしいどころか筋金入りの悪童だった! 単なる児童文学ではなく、大人もうならせる隠された奥深いテーマとは? 豊かなメタファーを含む原作の魅力に迫る!
児童文学の傑作『ピノッキオの冒険』にイタリア文学者、和田忠彦氏が新しい視点から光を当てる。「不条理に直面したときにどうすればよいか」「人は心の闇とどう向き合えばいいか」など、現代に通じるメッセージを読み解く。
【構成】
第一回 「統一国家」と「あやつり人形」
第二回 「嘘」と「死」が教えるもの
第三回 「労働」と「対価」
第四回 「遊び」と「冒険」

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 解説として、すべての見方ではないと思うが、一つの意見や見解を読むのは楽しかった。イタリア国家統一を果たし、近代化に向けて走り出した時代に書かれた本。ディズニーにはない本来のストーリーを知るのも、文学としての楽しみの一つかなと思った。

  • NHK

  • ディズニーのピノキオとは、相当内容が異なるのは驚きました。逆にディズニーの優しさを認識しました。

  • 前に読んでいたが、人の読み方を読むのも面白い。人の見方はいろいろあるので、自分の見方を詰めていきたい

  • ピノキオってちゃんと読んだことなかったけど、時代背景を知らないと分からない社会風刺的なシーンが多く入っていることとか、コロッディの捻くれた人間性に共感することが多い作品だった。

  • ■書名

    書名:コッローディ『ピノッキオの冒険』 2020年4月 (NHK100分de名著)
    著者:和田 忠彦

    ■概要

    社会の矛盾をあぶりだす「あやつり人形」。原作に秘められた知られざる豊穣

    「嘘をつく悪い子がよい子に生まれ変わる物語」というイメージがディズニー
    映画から定着している『ピノッキオの冒険』。ところが、ピノッキオは愛らしい
    どころか筋金入りの悪童だった! 単なる児童文学ではなく、大人もうならせる
    隠された奥深いテーマとは? 豊かなメタファーを含む原作の魅力に迫る!
    児童文学の傑作『ピノッキオの冒険』にイタリア文学者、和田忠彦氏が新しい
    視点から光を当てる。「不条理に直面したときにどうすればよいか」「人は心の
    闇とどう向き合えばいいか」など、現代に通じるメッセージを読み解く。
    【構成】
    第一回 「統一国家」と「あやつり人形」
    第二回 「嘘」と「死」が教えるもの
    第三回 「労働」と「対価」
    第四回 「遊び」と「冒険」
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    うーん、話がそんなに面白く無い。
    その当時の社会問題を反映しているのはいいんだけど、物語が致命的に面白くない。
    時代の流れに負けている感じがします。
    今の時代に、わざわざ時間を使ってこの物語を読む必要性はどこにも感じなかった
    です。
    逆に言えば、それが判断出来ただけでもこの本を読んで良かったと思いました。

  • ピノキオのエンディングは秀逸だったんだなぁ。ファシズムとの繋がりはいまいちピンと来なかった。

  • 児童文学だから読みやすい。でも解釈は一義的でない。人それぞれにいろんなテーマが連想できるのが、読み継がれている理由と感じた。
    ・ピノッキオの人間くささ(愚かしさと善良さを併せ持っているところ)
    ・過酷な児童労働の問題(労働や勤勉を拒否することは悪いこと?)
    ・予定調和に終わらない不条理と理不尽

  • ディズニーのピノッキオは知っている。子供のころ、入院していた時に父が買ってきてくれた絵本だ。
    そういう思い出はあるが、原作は知らなかった。当然、19世紀後半イタリア建国頃に書かれたものということも。
    王道の名作というよりも、子供向けながらちょっとひねくれた(斜め目線の)話に思える。

  • 原作のストーリーや原作が執筆された当時の時代背景をわかりやすく知ることができて良かった。原作でのピノッキオがテキストを読む前に想像していたよりも酷い目にあうことやピノッキオがピンチの状況で仙女のことを初めて知った。番組で朗読されていたピノキオの「この国はぼくには向いていないんだ!ぼくは生まれつき、働くのには向いていないんだ!」という言葉がテキストに掲載されていないのが残念だった。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京外国語大学名誉教授。専門はイタリア近現代文学、文化・芸術論。主な著書に『遠まわりして聴く』(書肆山田)『タブッキをめぐる九つの断章』(共和国)など。『小説の森散策』(岩波文庫)、『永遠のファシズム』(岩波現代文庫)、『文体練習 完全版』(河出文庫)などエーコの訳書も多数ある。

「2022年 『中世の美学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

和田忠彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×