マイノリティ・リポート: ディック作品集 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-13)
- 早川書房 (1999年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150112783
作品紹介・あらすじ
予知能力者を使う犯罪予防局が設立され、犯罪者はその犯行前に逮捕されるようになった。ところがある日、犯罪予防局長官アンダートンは思いもよらぬものを見た。こともあろうに自分が、見たことも聞いたこともない相手を、来週殺すと予知分析カードに出ていたのだ。なにかの陰謀にちがいないと考えたアンダートンは、警察に追われながら調査を開始するが…スピルバーグ監督による映画化原作の表題作ほか全7篇を収録。
感想・レビュー・書評
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マイノリティ・リポート、トータルリコール共に好きな映画で原作者が同じ人だと知って読んでみたいと思い手に取った。驚いた事にマイノリティ・リポートは1956年に生まれトータルリコールリコールは1966年に書かれている。実に67年前、57年前に書かれた原作があのような現代的な映画に生まれ変わった事に驚いた。マイノリティ・リポートの中のプレコグの描かれ方がかなり印象的だったけども、原作では案外あっさり描かれているんだなと感じた。どちらの映画も原作を元によりエンタメな作り込みをされており、その違いが知れて満足だった
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マイノリティ・リポートを映画で見ていたので、どのように原作では描かれているんだろうとドキドキしながらページを繰った。
映画とはかなり異なっていたが、それはそれで結末がわからず面白かった。
作中にディックが出てきたのはアツかった。
ジェイムズ・P・クロウと追憶売りますが好み。
ジェイムズ・P・クロウは導入の流れがわかりやすい。
オチも好み。
追憶売りますは話の転じていく流れのスピード感が良い。
頭の日常風景から宇宙の広がりのギャップが良い。
映画も見てみたい。
楽しみ。
全体を通して、話が転じ方や世界観の広がりが面白い本だった。 -
夏のディック強化月間。例年読んでいるハインラインと角川ホラーは在庫切れ間近である。
トム・クルーズ主演で映画化された表題作では、預言者の予言にしたがって防犯に努める組織で、「長官が殺人を起こす」という予言が出た。これは誰かの陰謀なのか…。
そこで陰謀論に終わらせないのがディックの短編の良いところで、二転三転というところが醍醐味であろう。『火星潜入』などは、最終的に面白いのだけど、展開が来るまでちょっとだるい。本書には、ちょっとほのぼのしたものから、殺伐としたものまでバラエティに富んでいる。
内容としてはちょっと悪ノリがすぎるところがある『水蜘蛛作戦』は、SF大会に未来人が乗り込んで、作家を誘拐する話。ヴォクト、ブラッドベリ、アシモフなどの巨匠が実名で登場するので、発表当初は一部でバカウケだったんだろうなあ。
新潮社『模造記憶』にも収録されていた『追憶売ります(トータル・リコール)』は、内容を忘れていたが途中で思い出した(そういう話でもある)。やっぱり名作。映画は見たけど、最後の目玉が飛び出すトラウマシーン以外ほぼ忘却の彼方である。
やっぱり、ディックは短編がおすすめである。長編にも名作はあるが、ハズレが多い上に、ハズレ作品はことごとく読みにくくてなあ。 -
驚くほど読みやすくて面白い。個人的には表題作、「水蜘蛛計画」、「追憶売ります」が好み。改めてディックの才能を認識した。誰にでもお勧めできる一冊。
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短編集。おもしろかった。
とくに最後の「追憶売ります」は一気に読んだ。「火星潜入」はオチが予想通りだったけれどなんだか展開がコミカルで楽しく読んだ。表題作はハリウッド映画みたい(実際に映画化されてるらしいから納得)。SFに詳しくないけれど「水蜘蛛計画」も作者の遊び心が伝わってくる。
長年SFっていわれるジャンルに敷居の高さを一方的に感じていたけれど、偏見だったかな。楽しく読んだ。 -
短編の方がよりスリリング。SFだけどサスペンス要素があって引き込まれる。
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ハードSFの作家だと思っていたが、この短編集は読みやすい。ミステリーのような感覚でも読めるし、人種問題など考えさせられる話もある。かと思えば、現実と空想の境目が曖昧になっていくふしぎな話も。
一篇一篇は長くないので、時間があまったときにでも。 -
マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)
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小説