われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150114855

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  • 有名な【ロボット工学の三原則】を提示した1950年刊行の古典SF。単純な作業ロボットから人間社会を管理する超知能AIに至るまで、あらゆるロボットと人間の関わりを哲学的視点で見つめる連作短篇。ほとんどが最後の種明かしで読者をうならせる推理小説の構造になっていて、単純にエンタメとして面白い。[ロボットもの]SFの基本的なパターンがこの時点で網羅されているのではないだろうか。作中の技術は現代でも追いついているとはいえず、そこにまつわる倫理的な問題となるとまだまだ解決には遠い。<古いのに古くさくない>読後感はそのせいもあるのだろう、当分は読みつがれざるをえない名作古典。

  • ロボットと人間の共生における葛藤を描いている。
    ロボットは人間によって発明され、人間の暮らしをよくするために改良されてきた。
    しかし、それとともに新たな課題に直面することとなる。ロボット工学三原則の第一条に"ロボットは人類にいかなる危険を及ぼしてはならない"というものがある。
    最初のうちは、殺す殺さないとか直接的な危害を与えるか否かの単純な話から始まり、最終的には性能も格段に向上し、ロボットは人間の理解を超える思考の中で、人間を気づかれないように、幸福に向けて誘導していく。
    つまり、ロボットを創造していた人間が、逆にロボットに支配されていく様子を描いていく。
    人間は幸せであれば、ロボットに支配されても良いのか、それとも人間が主導権を握り、この世界を発展していくのがよいのかはわからない。
    人間とは何か、ロボットとは何か、両者にどのような境界線を引くべきか、考えさせられる本だった。

  • 初期のロボットは、しばしば〈三原則〉の矛盾により緊急事態を引き起こした/衛星軌道発電所のロボットは地球霊が本尊でニンゲンは電子ビームを司る祭司であるとの宗教を始めたが/U.S.ロボット社はポジトロンロボットを独占していたが、やがてヒューマノイド・ロボットは時代遅れとなった/ニンゲン(民主主義)の経済的利益優先の政治の危険に気づき、ついには人類の運命を握った
    (別の作品系列である未来史銀河帝国シリーズでは)他の恒星系に去った人類はロボットを置き去りにした/ダニールは精神感応能力をもち銀河帝国の立役者であったが、陽電子頭脳の寿命の限界、10万年に近づいて…

  • 欧米人のロボットの価値基準はここにある

  • 堅苦しい言葉遊びにしか思えなかった

  • ロボット三原則と、それにまつわるあれこれ。法律の解釈のような、三原則の解釈を巡って対立、発生する問題について。面白かった。特に「うそつき」「証拠」の二篇が好きだったなあ

  • ロボットをテーマとしたSF短編集。
    人間を模した人工知能がもしできたら、どのような葛藤に出会うかという思考実験としても読める。SFとしてはもちろん古典だが、問い自体は今でも新しい。
    ロボットの行動を規定するロボット三原則を設定し、その原則にチャレンジを与える環境を作ることによって、葛藤を生じさせている。葛藤に直面すると異常を起こす(狂う)というのが人間臭い。絶対に破ってはならない原則というものを設定されればそうならざるを得ない。現実のAIはもっと素直で、悪意を学習すれば悪意ある人間のように振舞うらしいが。

  • ずっと読みたいと思っていたけどようやく読めた。
    少々難解であることを想像していたが、ふつうにおもしろい。
    数話に登場するドノヴァンとパウエルを好きになってしまう。

  • アシモフと言えば、現役で活躍する最先端の科学者が子供の頃に読んで影響を与えたロボットSFの古典小説のイメージだったが、戦後間もない頃にここまで未来をリアルに描いた想像性は未だに色褪せない内容で非常に面白かった。意識や思考を備えたAIを実現できるのかはまだまだ不明だが、実現可能だったシナリオを考えるのは非常に興味深い。その時代ですでにバイオ食品の着想を考え出していたのもすごい

  • 非常に読みやすかった。
    ミステリー的に読めたのも良かった。
    短編がここまで上手に繋がるとは驚き

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著者プロフィール

Isaac Asimov (1920―1992 )。アメリカの作家、生化学者。著書に『われはロボット』『ファウンデーション』『黒後家蜘蛛の会』等のSF,ミステリーのほか、『化学の歴史』『宇宙の測り方』等の科学啓蒙書やエッセイが多数ある。

「2014年 『生物学の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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