ヒューマン -人類- (ハヤカワ文庫 SF (1520))

  • 早川書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (537ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150115203

作品紹介・あらすじ

量子コンピュータの実験中の事故で、ネアンデルタールの物理学者ポンターは、クロマニヨンが進化した人類のいる並行宇宙へ転送されてしまった。なんとか無事に故郷の宇宙に戻ったポンターは、女性大使プラットとともにふたたび人類の宇宙へ旅立つ。双方の交流によって、文化や科学などに大いなる貢献がもたらされるはずだった。だが、人類の宇宙では思いもよらぬ罠がポンターたちを待ち受けていた…好評シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • ソウヤーによるネアンデルタール・パララックス三部作の2作め。前作で一時的に通じた、ネアンデルタール人が文明を築いている並行世界への門が固定化される。
    本格的に始まる両世界の交流の中、メアリとポンタ―のイシュカン・コミュニケーションは深まっていく。
    また前作で未解決だったメアリの身に起きた不幸な事件もポンターを巻き込んで動き出す―。

    SF的なギミックは前作を引き継いでいて目新しいものはないが、終盤に大きな危機を招きそうな怪しげな兆候が…。これは次作に向けての布石だろうから、展開を楽しみにしたい。

  • ネアンデルタールが文化を築いた世界という衝撃の連続だった前作と比べ、恋の話やネアンデルタールと人類の政治など、普通の文化交流の話みたいになってきてしまった。でもそれだけ意思疎通ができるほど、遺伝子的にはほぼほぼ一緒の生物ってことだよね。特に懺悔室で懺悔をするメアリと、人格彫刻師(面白い考え方!)に罪を告白するポンターと、理論は違うけどやっていることは同じだと思う。今のところ彼らとの大きな違いは闘争心と宗教の有無だけだけど、それ以外にも違いはあったのでは、という気もする。
    そして日本人としては、神を信じて死後の赦しを得る、というキリスト教の生き方を、人類普遍の考えだと思うのは違和感がある。
    SFの話だけど、ポンターの「告白」で、メアリーが傷つけられた事件を追っていくミステリ感、ポンターとボルベイとの三角関係をめぐる種族と文化の制度を超えた恋愛と、(中途はんぱな感じはあるけど)楽しめる要素がたくさんある。

  • ソウヤーの〈ネアンデルタール3部作〉2作目。前作で霊長類の中でもクロマニヨンが進化したこの社会へやってきたネアンデルタールワールドの科学者ポンター。無事に元の世界に帰れたのだが、本作では非常に簡単な(笑)方法で両世界が行き来できるようになり、ポンターにつれられた、こちら世界の主人公メア(リ)がネアンデルタール社会を訪問することになる。というか行ったり来たりする。

    本作の大きなテーマが、ネアンデルタールとクロマニヨンの間に、愛だけじゃなく恋人関係は成立するのか?である。文化が全く違う人種(そう、まさにこれこそ人種)の2人は愛情だけでその壁を乗り越えることができるのか?壮大なSFの皮をかぶった恋愛小説なのである。冒頭から出てくるポンターの述懐シーンも、あっと驚くレイプ犯の正体も、恋愛小説だからこその展開。ほんで、これがまたオモロい。

    次作で3部作終了。タイトルが「ハイブリッド」とは、大いに期待が持てるじゃないか。ラスト近くに(SFとしての)大きな伏線張ってくれてるし、読まない手はないよな。楽しみ楽しみ。

  • あれれれれ。
    壮大なほら話だったはずが、妙にスケールが小さくなってしまいました。
    ほとんど人間側主人公の遺伝子学者メアリーが受けた婦女暴行事件の解明と、ネアンデルタール人・ポンターとメアリーの恋物語。
    確かに乗り越える壁として、大きな文化の差が書き込まれては居るのですが、世の中が変わるはずの大事件が、ほとんど個人的な話に落ち込んじゃっています。おしいなあ。

  • 分厚い3部作 読み易いが設定に無理がある
    表紙   5点岩郷 重力   内田 昌之訳
    展開   6点2003年著作
    文章   6点
    内容 715点
    合計 732点

  • 三作目への繋ぎ的な感じ

  • 普段我々が普通に思っていることが、見る方向を変えるだけで普通ではないことを、著者の鋭い視点でついている。

    宗教についての考察は、納得させられる。

  • 前作の続きで、その後どうなったのかを描いている。
    全3部作の真ん中に当たるので、1作目を発展させて話をふくらませている。
    登場人物も増えるし、よりそれぞれの世界・文化の差が浮き彫りになる。

    あとがきでも書かれているけど、現代の人類社会に対する著者が持っている批判や疑問を、ネアンデルタール人の視点を借りて描いているのが強く感じられる。
    非合理的で、非効率で、無意味で、独善的。
    読んでて「世界はもっと良くなることができる」という気になるね。

  •  ②
     まとめて③にレビュー。

  • 三部作の二冊目らしく、なにかが起こりそうで起こらない

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