- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150122430
作品紹介・あらすじ
スタージョン、スラデック、ラファティ、バラード、ゼラズニイ、ディレイニーらによる14篇を収録の巨大"思弁小説"アンソロジー
感想・レビュー・書評
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・・・や、やっと「危険なヴィジョン」全3巻読了しました・・・疲れました・・・(^_^;
世間的には第2巻の評価が高いようですが、鴨的にはこの第3巻が一番読みやすかったです。まぁ、収録作家がスタージョン、ラファティ、バラード、ゼラズニイ、ディレイニー・・・と大御所揃いで安定感がある、ということなのだろうとは思いますが。
全3巻、読んでみての感想。
正直なところ、読み進めるのが結構キツかったです。一番の要因は、1967年の発表当時には最先端の尖った作品ばかりであったろうこのアンソロジーが、時代の変遷と共に、既に「危険なヴィジョン」を体現したものではなくなっていること。そして、解説で編者ハーラン・エリスンが幾度もしつこく言及している「スペキュレイティヴ・フィクション(思弁小説)」としても、やや役不足な小品が大半であること(むしろ、ストレートに「サイエンス・フィクション」で勝負しても全然OKではないかとヽ( ´ー`)ノ)。その結果、各作品の冒頭に納められているハーラン・エリスンの熱い解説が、「懐古主義のおじさんが暑苦しく語る蘊蓄」以上の感動をもたらさないこと。こうした要素が、今読むと「うわ、ちょっとキツい・・・」との印象に繋がってしまうのだと思います。
むしろ、1960年代当時にこうしたムーヴメントがあり、こうした作家がいた、という記録を残す資料的な価値の方が大きいのでは。歴史に残るアンソロジーであることは間違いないので、読んでおくに越したことはないです。でも、余りハードル高くしないで臨むことをおススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1,2よりも面白かった。
『男がみんな兄弟なら、そのひとりに妹を嫁がせるか?』
『代用品』
『行け行け行けと鳥は言った』
『幸福な種族』
『政府印刷局より』
『破壊試験』
『カーシノーマ・エンジェルス』
が印象に残った。 -
全3巻纏めて。
1巻だけ邦訳が出て、その後、中絶していたアンソロジーがとうとう全3巻で刊行。
流石に時間が経ち過ぎていることもあり、現代的な意味で『危険なヴィジョン』かどうか……ということについては、異論が出そうではある。実際にどうしても古びた感じがする作品もゼロではなかったのだし。だからといって、じゃあつまらないのか? と言えばそれは別で、特に不満も無く楽しめるアンソロジーだった(解説では2巻が一番出来が良いと言われていたが、私としては3巻を推したい)。 -
スタージョンの短編って、話の入から落ちまでなんか落語っぽい
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今回はシズ様とまだ子犬だった陸との出会いの話があります。もふもふでやんちゃな陸がとってもかわいいです。
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この巻が一番面白かった。全部読んでみても、あまり「危険な」感じはしないが、原著の出版から50年以上もたっているのだから、まあ仕方あるまい。編者は、解説では「スーパースター」、「日経サイエンス」2020年12月号に掲載されたS・マースキーのコラム「ANTI GRAVITY」では「一昨年に死去したSF界のレジェンド」と呼ばれている。残念ながら、第1巻に収録されている作品以外は、読んだ記憶がない。それとも、忘れているだけか。「世界の中心で…」という題名に興味を覚えた記憶はあるが、手に取らなかったのは間違いない。ハーラン・エリスン編。二〇一九年八月十五日発行。定価(本体1240円+税)。
収録作品:「男がみんな兄弟なら、そのひとりに妹を嫁がせるか?」(シオドア・スタージョン、大森望訳)、「オーギュスト・クラロに何が起こったか?」(ラリイ・アイゼンバーグ、柳下毅一郎訳)、「代用品」(ヘンリイ・スレッサー、宮脇孝雄訳)、「行け行け行けと鳥は言った」(ソーニャ・ドーマン、山田和子訳)、「幸福な種族」(ジョン・スラデック、柳下毅一郎訳)、「ある田舎者との出会い」(ジョナサン・ブランド、山田和子訳)、「政府印刷局より」(クリス・ネヴィル、山形浩生訳)、「巨馬の国」(R・A・ラファティ、朝倉久志訳)、「認識」(J・G・バラード、中村融訳)、「ユダ」(ジョン・ブラナー、山形浩生訳)、「破壊試験」(キース・ローマー、酒井昭伸訳)、「カーシノーマ・エンジェルス」(ノーマン・スピンラッド、安田均訳)、「異端車」(ロジャー・ゼラズニイ、大野万紀訳)、「然り、そしてゴモラ……」(サミュエル・R・ディレイニー、小野田和子訳)、「解説 ハーラン・エリスン・スーパースター」(柳下毅一郎)