MOUSE (ハヤカワ文庫 JA マ 5-1)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 382
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150305413

感想・レビュー・書評

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  • やばい大好き

  • 電波で混沌を極める牧野節全開な小説でありながらも、完璧なまでに秩序立った調和を持つ作品。
    描かれるのは通常とはかけ離れた世界・人物・心理状態でありながらも、一度入り込んでしまえば全く違和感を感じさせなくなる。これは物語世界独自の秩序が緻密に作り込まれており、その完成度がきわめて高いが故だろう。

  • ドラッグなSF

  • ドラッグを常用するマウスたちの楽園、ネバーランドを描いた作品。ドラッグの幻覚によって引き起こされる、非現実的な世界。五感が互いを侵犯し合うことで生まれる、世界が語りかける言葉。絵画的で夢のように妖しい世界観は、作者はドラッグをやったことがあるのでは?と疑うほど。

  • 連作短篇だったかな。のちの作品(「黒娘」など)では、扱われているモチーフと物語がうまく噛みあっていないような気もするけれど、これは良いです。
    「忌まわしいはこ」と「MOUSE」は処分しないで手許に置こうと思ってい
    ます。

  • はまりました。この作家さんの書く物語に、という作品でした。短編の物語が五つで、同じ世界の中で微妙に異なる時間軸が描かれてゆきます。全てが重なる最終話はとっても面白い!ピーターパン不在のネバーランド。それからファンタジーでSF。

  • ダークファンタジー。18歳以下の少年少女がドラッグで武装する王国ネバーランドを舞台にイマジネーションが炸裂する怒涛の連作短編集。

  • 牧野である。今は電波系ホラー作家として、かなり電波な作品を生み出されている方なのですが、私の出発点であり最高峰がこのハヤカワから出ている作品。一応SFなんですがね。未来、夢の島は打ち捨てられ立ち入り禁止区域となり、そこは、いろんな種類の幻覚系のDrugをカクテルボックスという機械でブレンドして直接体内に取り込んで日々を送る、ストリートチルドレンの楽園となっている。そんな中でおこる、子供同士の縄張り争い。その戦い方が凄い!相手を意味不明の言葉や文章で攻め立て、認識を狂わせて「落とす」のだ。相手の言葉の力に負けると、その言葉に取り込まれありはしないことを現実として体が反応してしまう。そう、「思い込み」が「現実」を歪めてしまうのだ。最近の電波系は、もう私には痛すぎてついていけないんですが、この頃の牧野作品は結構スキです。

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著者プロフィール

'58年、大阪生まれ。高校時代に筒井康隆氏主宰の同人誌「ネオ・ヌル」で活躍後、'79年に「奇想天外新人賞」を別名義で受賞。'92年に『王の眠る丘』で「ハイ! ノヴェル大賞」を受賞。他に、『MOUSE』、『スイート・リトル・ベイビー』等々著作多数。また『バイオハザード』『貞子』ほかノベライズも多数手がける。

「2022年 『貞子DX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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