- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150305413
感想・レビュー・書評
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保管本。ハヤカワの復刊フェアで初めて知った作家と本。U18の子供だけのネバーランドはカクテルボードというしゃれた名前の装置から24時間ドラッグを摂り続ける世界。ってことは,ってことなわけで,本書の世界は,主客も現実と幻の境目もはっきりしないとっても僕の好きなワールドだった。そうであるのに,本書一冊を読み終えれば,小さな作品たちが関連し合って,1個の世界を頭に残してくれるのだ。文章も好きだった。
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読みたかった。復刊ありがとうございます。18歳未満の外の世界で「死んだ」子どもたちの国、ネバーランド。そこの子どもたちはみな血管に直接カクテルされたドラッグを流し込み、主観と客観が入り混じった中で死んだように生きている。底が抜けた物語だった。輪郭を触れない怖さ、声も音も映像も見ているのが自分ではないという確かさの中で彼らは生きている。最後は安心。
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早川書房2014年復刊フェア書目。
非常に有機的な生々しさを感じるサイバーパンクSFだった。一言で言うなら肌触りが面白い。皮膚感覚に訴える文章はなかなかないのでこれは収穫。早川から他に出ている2冊も買っておいて良かったw
その皮膚感覚に訴える文章で描かれているのが、意識と無意識、主観と客観という、目に見えないものであるのが非常にユニークだ。ストーリーが進むにつれ、全てが密に絡まり合い、混濁して行く様子が圧巻だった。
復刊にあたり追加された著者のあとがきによると、澁澤龍彦や山尾悠子に憧れていたとか。『山尾悠子さんはどこに行かれたのでしょうかと訊ねられそうな~』と書かれているが、『主観が世界を変容させる』というモチーフは共通点があるような気がする。『夢の遠近法』(国書刊行会・ちくま文庫)に収録されていた『月蝕』なんかはけっこうそれっぽかったような……。
あと、細部に対する徹底した拘りは澁澤っぽいかな。 -
荒廃した世界、荒廃した感情の中繰り広げられる独特の世界。普段自分では全く読まないジャンルだけに新鮮でした。
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言葉が匂いたち、まとわりつき、沁み入ってくる。
読むドラッグ。 -
どのキャラも確率していて、見事に息づいている。だからこそ面白かったです。子供の国ネバーランドが舞台で少年ばかり出てくるところもすき。個人的にはラジオ・スタアとマウス・トラップがすきです。ティンカーベルがひたすら可愛い。食事も忘れて読み耽りました。
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判断に困る…。
牧野修らしいぶっ飛んだ面白さもあるんだけど、あたしがそーゆーテンションじゃなかったらしい。
うまく集中出来ず、面白さ半減したカンジ。
あー勿体ない。 -
高校時代に牧野さんの名前を知って、
その頃に読んだ小説のうちの1冊。
そんでもってあまりに衝撃と文体から放たれる波を受けまくって、
今でも牧野さんといえばこれだ、と個人的に思っている作品。
多分この先何十年も『MOUSE』を超える読書体験なんてない気がします。 -
うわあ。
うわあああ。
うわあああああああああああ。
ってなる。
すごい。
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学生時代に先輩に借りて読んだ。
何年かして自分で買ってまた読んだ。
残酷で穢くて瑞々しい。
痛くて優しい子供たちの世界。
またしばらくしたら読み返したい作品。