- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150307271
感想・レビュー・書評
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55年間の停滞を脱し、月面を目指し、そこに建造物を建てる企て。
しかも、国家プロジェクトではなく、私企業としての試み。
そんな道具立てで描かれる群像劇。
個性豊かな登場人物達が魅力的。
特に、企業のトップに立つおっさんたちがかっこいい!
ヒロインがやや魅力に欠けていたのが残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「第六大陸(1)(2)」小川一水
宇宙もの近未来SF。ハヤカワ(JA)文庫。メタリック。
非常に綿密な裏付けと情報量にややとっつきにくさはあるものの、斬新かつ身近な物語として読めるSF。適度に壮大で適度にリアリティがある内容が好印象。
いやあ、とにかくこの人は理系だろうなぁ。とても硬質なストーリーです。良い意味で。
人類は自らが進化するより早く、自分達の生きている環境を変化させることによって生きながらえてきた生き物、なんだそうです。どこかでみたことの受け売りなんですが。
そのフロンティア精神に支えられて過酷な月面環境に挑む日本の技術者達と、彼らの中心にいる天才少女の奔走が読ませどころ。
この作品、作者は現代の宇宙開発技術が「ちょっと背を伸ばせば届く物語」と書いています。その絶妙なバランスが読者の心をくすぐるのでしょう。
実は本作、僕が所属している研究室の先生に教えてもらった作品なんです。宇宙物理の助教授ですよ。だから多分プロの視点からみてもなかなか面白いSFなんだと思います。
宇宙開発好きにはおすすめ。ちなみにカバーは「プラネテス」の幸村さんです。(4) -
建設会社が月面開発と、それだけ聞くとかなり突飛な内容。
でも読んでみるとしっかり考えられた設定でなるほどなーという感じ。
ちょっとヒロインのキャラクターが安易すぎる設定な気はするけど、面白かった。
月面試料採集のシーンでちょっとハヤブサ思い出した・・。 -
全2巻。
月に行けます――
月に基地を「建てる」小説です。文字通り、建設予定地の下見から、資材の運搬から、コンクリートの製造やら電力の確保やらも含めて全部、 建設業者とロケット業者とテーマパーク会社がやります。極めてシビア。でもすごくわくわくする。それにやっぱり日本人が活躍するのが嬉しいじゃないか。たぶん現実はこんなに甘くない。でも目指す方向はこうでありたい。宇宙に生まれ、曲がりなりにも知性を備えた生命として。 -
1、2巻セットでの評価という事で。
愉快でありました。 -
宇宙はいいなー。
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月に結婚式場を造るというとんでもない計画をぶち上げた天才少女と、その途方もないプロジェクトに飽くなきチャレンジ精神で挑む者たちの10年に渡る物語。いまの我々とそう変わらない世界観での地に足の着いたSFで、登場人物たちが日本語名である作品って、あまり内容な気がします。
ストーリー展開やキャラクターは勿論のこと、何より擬音などの感覚表現が自分の好みにスマッシュヒットでした。 -
3月26日読了。
久しぶりに読んだSF。展開は地味だけど、月面開発への立案者、技術者達の一つ一つの動きを読んで追うのが楽しい。下巻もまったり読もう。
あとNASAがライバルの立ち位置だけど、EVAのシーンはカッコいいなぁ。 -
月面争奪戦
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極限状態での工事を得意とする企業に,とんでもない依頼が.月に施設を作ってくれと.どうやって日本の一般の企業が月に施設を作るのか.予算がたった1500億という制約もあるため,コスト削減のためのアイディアを出しながら計画が進んでいく.月への移動方法といい,施設の建設方法といいなかなかいいアイディアを出していて面白いです.
発注者の天才 美少女?といい,全私財を賭けて宇宙船を作る会社を 作った社長など味のあるキャラクターもそろっており,次が読みたくなるようなお話に仕上がってます.
2009.08.17(Mon)読了