太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)

著者 :
  • 早川書房
3.91
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本棚登録 : 807
感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307875

感想・レビュー・書評

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  • 古典的な「ファーストコンタクト物」にスペースオペラをミックス。 新味はないが、説明が尽くされていて平易なところがよい。 最後にあの人物を登場させる構成もにくい。 たしかに話題になっただけのことはあるが、 盛り上がりに欠けるというか、全体的に薄味かもしれない。

  •  雑誌でハードSFというキーワードがあったのでトライしてみた。日本のSFは堀晃さんしか知らなかったのだが、だんだん増えてきた。うれしいな。

     さて、本書は太陽からエネルギーを奪い取ろうとする異星知性体を迎撃する人類の物語だ。知性体がかなり後半にならないと出てこないのだが、なかなかうまくひっぱってくれるので、一気読みできた。

     結末はというと、AIが絡んでわかりにくいし、ちょっと興ざめの部分もあるが、知性体のキャラクターがけっこうユニークでいい味がある。

     総じてヒロインほかの登場人物が平面的に見えたり、特に前述のAI関係が書き込み不足の感じがあるものの、大変楽しめた作品だ。ほかも読みたいな。

  • ★3.5くらいですかね、感覚的には。幾つかの中編を再編集して長編にした物語です。

    ざっくり分ければ前半の「最初の破壊」と、後半の「ファーストコンタクト」になるのでしょうが、前半は先が気になりぐいぐい引き込まれる感じの展開。ちょっと情景描写(SF的な)に説明が足りないかな、と感じる部分はありましたが、面白かったです。

    そして、全体で見れば主題となるであろう後半。ここも、引き込まれる感覚はあったのですが、途中途中で展開が早くなりすぎている感があって、特に心理描写において若干の浅さを感じます。

    クライマックス部分、知性というか知的生命体についての描写は、ちょっと釈然としない部分もありましたが、これは恐らくワシの知識不足が原因でしょう。

    主人公の心は、揺れ動きつつも一貫していて、詰まるところワシには、ハードSFとかであるというよりも、は主人公「亜紀」の一大叙事詩であるように思え、それがまた魅力的であるというのが、この作品の魅力かな、と。

    (2010年読了)

  • 初めて読む作者です。
    帯に特選SFとか書いてあったので思わず…

    SFと言うジャンルは中・高時代によく読んだなあ…と思うのですが今考えると王道からは微妙に外れているのかも知れない… どちらかと言うとファンタジーの方を読んだのかな?中学時代に早川から出ているその年のSF短編をまとめた『1980』と言うタイトルの短編集がすごく好きでした。アレもう出してないのかな?

    この前に読んでいた本が非常に字数が多く、かつ小さな活字だったので活字が大きい!とか変なところに感心しました。太陽の簒奪者、一部を読み終わった後はちょっと物足りないなあ…と思ったのですが最後まで読み終わり納得。他の知的生命との出会いと邂逅部分は自分的に少し納得いきませんけど。まあ自分の理解の範疇に収めようとすることが間違いなのかも知れない。それはよく分かる。作中にもありますがヒロインは本当にロボットのようですね… あまりに冷静なのでそれはそれでびっくり。彼女が多国籍だったらあまり違和感無かったかな?とか個人的には思いました。

  • もしも、未知との遭遇があったとして。

    彼らが人類に対して友好的とは限らない。
    知性がある生物はヒト型をしているとは限らない。
    ヒト型ではなく、地球上の別の生物の型かもしれない。
    全く見たこと無いような奇妙な型の生物かも。
    高度な知能を持っていても意思の疎通が図れるとは限らない。
    むしろ全く通じないかも。
    等々。

    よくよく考えれば未知との遭遇、そうなるだろ、って感じ。
    いつか人類が宇宙人と出会えたら、、
    この本みたいな感じになるんじゃないのかなぁ。

    わかりあえないどころではなく、向こうは分かろうともしていなかった、
    という、人と宇宙人の出会いの物語として斬新。

  • いったい何が太陽を奪おうとしているのか。主人公はその一点に向かって突き進んでいきます。感情移入はできないながらも、読み手としても知りたさに向かって進めて一気に読んでしまいました。

  • 置かれた状況にどうしよう。
    太陽が簒奪されるなんて考えたこともなかった。
    主人公にいまいち感情移入出来なかったことだけが残念。

  • 2011 6/19読了。有隣堂で購入。
    @yuki_oさんから薦められた小説。野尻抱介第2弾。
    先に読んだ『沈黙のフライバイ』でも思ったけど、科学・研究の描写がリアル。不確かなものを確かめていく過程とか。
    一方で不確かな中で何かを判断していくことが求められる場面も多々出てくるのでどきどきもする。
    亜紀さんの生き方とか格好良さにもどきどきする。

    ファーストコンタクトとか宇宙ネタのSFって最近になるまで手を出してなかったのだけれど、こんなに面白いものに手出してなかったとかもったいなかったなあ、と今更ながらに思う。読んでこう。

  • そのまんまなんですが、一体どんなのが迫ってきているんだろうかと純粋に楽しみにしながら読めました。地球外文明とのファーストコンタクトに対して様々な考えが行き交うのも個人的にツボで入り込めました。

  • 学生時代に友人に薦められて読んだ。
    それまでSFにはふれたことが無くて、もっとかたいものかと思ってたけれど、プロローグにしてやられた感じですんなり読み進められた。
    主人公が当時の自分とちょうど同じ年頃の設定から始まるのも親近感を生んだのかも。
    ビルダーとのファーストコンタクトの場面はすごく感動したのを今でも憶えてる。
    個人的にはSFへの入口として、人に薦めやすい作品だという印象。

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