- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150310417
感想・レビュー・書評
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多世代恒星間航宙船に住む人間とゼリー状生命体。
彼らとの関わり方において、二つに別れる人間の社会にすむ主人公のSFビルドゥイングスロマン。
守りたい物があるから、必死で努力し、それでも満足な力がないから、守りたいという気持ちすら否定する主人公。
12歳、15歳、18歳の3つの場面で描かれる物語。
2度守れなかった彼は、最後に何ができたのか?
そして、そんな主人公を支えるために、自らの気持ちや人生を捨ててまで、自分のできる役割を演じきる友人達。
成長記というには、切なすぎます。
自分の気持ちを認めることができたときには、すでに散りゆく最後のとき、喪失の無力さのなかから這い上がり、再び掴み取ることはできるのか。
航宙船と感覚でしか意思疎通できないゼリー状生命体、失われた技術と社会システムという舞台を活かしきり、主人公の肩に重荷を乗せ、これでもかとストイックにいじめ抜く著者はきっとサドです。
重荷が重いほど、切なさが増幅されます。
そして、技巧派ですね〜、プロットがうまい。
少しずつ登場人物が成長し、変化していきます。
物語の謎も少しずつ明らかになり、登場人物間の結びつきや信頼も少しづつ変化していきます。
心を鷲掴みにされます。
しかし、気になるのは、あのお方のほうは結婚したのでしょうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"お話"としてはもしかしたらシンプルなのかなと思います。
ただ、しっかり仕掛けがしてあって、それがなんとなく読めていても、それだけで終わらせてくれないからけして飽きることがなく、最後までガーッと読めました。
それぞれのキャラクターも愛らしく、読み終えるのが本当にもったいなかった。 -
ある程度予想していた展開だったけど面白かった。人々の関係性がすごくと心地よくていい。
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たいへんよいジュブナイルSF
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すごく綺麗な話で驚いた。電撃・富士見系ですな。嫌いじゃない……嫌いじゃないぞ……!!!
すごい正統派移民系スペースファンタジーだった。どんでん返しも愛も恋もなかったけど、これくらい全体的に薄いとかえって読みやすくていいかもしれない。
次は次はってなるくらい適度な興奮持続させてくれてこれはいい。飽きが来ない・だれないってすごくないか。
ラストのエピローグも後世への期待感がよかった。