富士学校まめたん研究分室 (ハヤカワ文庫 JA シ 4-2)

著者 :
  • 早川書房
3.56
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本棚登録 : 309
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311322

感想・レビュー・書評

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  • ゴリゴリではない比較的ライトな近々未来SFなんですが…このノリは…有川浩じゃねーか!!
    …というレビューが存外に少ないのは、何故でしょうか??他のレビューを見るに、ガンパレ(なんか昔の有名なゲーム?聞いたことはあるが知らない)の作者だから読んだという人が多いからか?もしくは自分が、大別すると主人公と同じ(行き遅れ)理系女子に分類される人種だからか?はてはて??
    あと、物語の締め方は好き嫌い分かれそうだな~と思いました。

  •  ガンパレで有名な芝村裕吏の小説。ガンパレの解説書その他ではかなり堅い文体だったので、本書もそうかと思ってページをめくると…普通にポップな文体だった。1つのセンテンスが短くてテンポも良いし、いい意味で裏切られた。

     内容はというと、自衛隊勤務の30歳処女の工学系女子である主人公がロボット戦車の研究をする話だけど、戦車の開発過程が凄い。ロボット戦車をの開発について、多角的な視点から現実的なアプローチで最適解を探っていく過程は主人公の「天才工学系女子」な感じが出ていて面白かった。
     所々挟まれるラブコメ要素はストレートな感じで読んでてニヤニヤできた。
     また、終盤は日中韓米の情勢が物語のカギになるが、この国際関係もフィクションとはいえ、「近い将来こうなるかもしれない」というリアリティが感じられる設定で怖かった。

     ジャンルは「ロボコン+ラブコメ+ミリタリー」か…SF的な仕掛けでは、戦車その他の兵器がネットワーク上で繋がっており、センサー等の情報を共有して戦況を有利にするシステムは面白かった。また、作中の兵器のディテールがかなり詳しく、作者の自衛隊や兵器への知識が伺えた。

     作中でちらっと熊本県の企業が出てくるのはやっぱり芝村裕吏(アルファシステム?)だから?

  • 30才独身。対人恐怖症気味。理系じゃなくて工学系女子。もう、相当に煤けてる彼女がセクハラに巻き込まれ暇職に追いやられ、どうにかして鬱憤を晴らし職場を去るか。その職場が自衛隊で彼女がロボット工学を進んでいた才女だったら。
    自衛隊と戦争と言う日本人が考えておかねばならない事と日本だからできるロボット開発をいろんな嘘の上に作り上げたSF。
    ガンパレードマーチの作者が送る、上手なSFと言う嘘。序盤の主人公のウジウジさえ乗り越えたら、開発物の楽しい所が待ってる。何を開発するか、なんでそうなったかも見物なので伏せておく。

  • 口べたで意固地そして僻みっぽい性格のため、ちょっと残念な感じのする陸上自衛隊の女性技官によるロボット戦車・二〇式自動歩兵、通称「まめたん」の開発史。物語前半、同僚の自衛官に対する恋心ゆえの彼女の過剰反応の数々にはやや辟易し、この物語はどこに向かうのかと心配になりましたが、後半のまめたん開発過程の描写は面白く、きな臭い朝鮮半島情勢を背景に勃発した終盤の戦闘シーンはなかなか緊迫感がありました。まめたんのイメージとして頭に浮かぶのはどうしてもタチ○マの姿でしたが、それは著者の意図するところだったのかどうか?ww

  • 構想・試作段階にはロボコン的な要素もあり、ものづくり好きをワクワクさせる製作過程はとても面白かったです。
    頭の中に巨大な霧と雲が湧いている。-研究者はこの霧の中を歩くのが楽しくないといけない。私は自分の口に手を当てた。口の形は笑っている。(P48)霧の中を歩いていたらいきなり壁にぶつかった気分。これは幸先がいい。-壁があれば、壁に触れながら迷路を歩いていけるというものだ。(P53)

    全体的によかったですが、まめたんの活躍の場面はできれば話の中でも現場からの要望があった救助現場であって欲しかったなという気がします。

  • まず一言………タチコマやん!

    復讐のための研究が認められて、忙しくなって、一悶着あって、オシマイ
    話は面白いし、全体的には読みやすかったけど………タチコマじゃん!

    正直言うと表紙見てタチコマだと思って買いました

  • ロボコンもの部分や近未戦争部分は面白いのだけれど、大半はくどい一人語りが続く。そんなに30女を卑下させなくても・・・。

  • 一から物を作っていく過程は楽しく、読んでてワクワクしました。特に、まめたんが起きるときのシーンは臨場感があり、主人公でなくても興奮しました。モノづくりスキー、機械スキー、タチコマみたいな機械ダイスキーな人は読んでも大丈夫かと。

    2人の恋愛パートについては、お察しください( ◜◡◝ )

  • 綾乃と信士くんがちょっとずつ恋人らしくなっていくので、読んでてニヤニヤしていた。イラストのまめたんがかわいい。そして強い。でもそのまめたんが実践の戦いに使われるのが嬉しいのかと言われると微妙なところなんだと思う。やっぱり平和な状況でまめたんが動き回っている姿を見てみたい。

  • 30代独女自衛隊技官を主人公にしたロボット戦車開発物語。

    人付き合いの苦手な独女設定な割に早々にリア充化していたり、
    新規物の開発が比較的サクサク進んでみたりと、創作に無粋と知りながらもそんなにものごと上手くいかないよなぁと、技術系会社員のわが身を振り返りつつぼやきたくなった作品。

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著者プロフィール

ゲームデザイナー、作家、漫画原作者。
第5回日本ゲーム大賞優秀賞、第32回星雲賞メディア部門を受賞した『ガンパレード・マーチ』をはじめ、『絢爛舞踏祭』や『ガンパレード・オーケストラ』三部作などを手がける。
その特異な世界観と研ぎすまされたシステムから、「芝村ゲー」と呼ばれ、高い評価と熱狂的なファンを多数獲得している。
小説の代表作に『マージナル・オペレーション』シリーズ(星海社FICTIONS、全5巻)があり、同作は『月刊アフタヌーン』でコミカライズが連載中。また、『マージナル・オペレーション』前史にあたる新シリーズ『遙か凍土のカナン』(星海社FICTIONS)もヒット中。近年は多くの漫画原作も手がけている。
現在、世界観設定などを担当したブラウザゲーム『刀剣乱舞』が大ヒット中。Twitterアカウント @siva_yuri

「2023年 『マージナル・オペレーション [F3]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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