- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150311322
感想・レビュー・書評
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ガンパレで有名な芝村裕吏の小説。ガンパレの解説書その他ではかなり堅い文体だったので、本書もそうかと思ってページをめくると…普通にポップな文体だった。1つのセンテンスが短くてテンポも良いし、いい意味で裏切られた。
内容はというと、自衛隊勤務の30歳処女の工学系女子である主人公がロボット戦車の研究をする話だけど、戦車の開発過程が凄い。ロボット戦車をの開発について、多角的な視点から現実的なアプローチで最適解を探っていく過程は主人公の「天才工学系女子」な感じが出ていて面白かった。
所々挟まれるラブコメ要素はストレートな感じで読んでてニヤニヤできた。
また、終盤は日中韓米の情勢が物語のカギになるが、この国際関係もフィクションとはいえ、「近い将来こうなるかもしれない」というリアリティが感じられる設定で怖かった。
ジャンルは「ロボコン+ラブコメ+ミリタリー」か…SF的な仕掛けでは、戦車その他の兵器がネットワーク上で繋がっており、センサー等の情報を共有して戦況を有利にするシステムは面白かった。また、作中の兵器のディテールがかなり詳しく、作者の自衛隊や兵器への知識が伺えた。
作中でちらっと熊本県の企業が出てくるのはやっぱり芝村裕吏(アルファシステム?)だから? -
30才独身。対人恐怖症気味。理系じゃなくて工学系女子。もう、相当に煤けてる彼女がセクハラに巻き込まれ暇職に追いやられ、どうにかして鬱憤を晴らし職場を去るか。その職場が自衛隊で彼女がロボット工学を進んでいた才女だったら。
自衛隊と戦争と言う日本人が考えておかねばならない事と日本だからできるロボット開発をいろんな嘘の上に作り上げたSF。
ガンパレードマーチの作者が送る、上手なSFと言う嘘。序盤の主人公のウジウジさえ乗り越えたら、開発物の楽しい所が待ってる。何を開発するか、なんでそうなったかも見物なので伏せておく。 -
口べたで意固地そして僻みっぽい性格のため、ちょっと残念な感じのする陸上自衛隊の女性技官によるロボット戦車・二〇式自動歩兵、通称「まめたん」の開発史。物語前半、同僚の自衛官に対する恋心ゆえの彼女の過剰反応の数々にはやや辟易し、この物語はどこに向かうのかと心配になりましたが、後半のまめたん開発過程の描写は面白く、きな臭い朝鮮半島情勢を背景に勃発した終盤の戦闘シーンはなかなか緊迫感がありました。まめたんのイメージとして頭に浮かぶのはどうしてもタチ○マの姿でしたが、それは著者の意図するところだったのかどうか?ww
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構想・試作段階にはロボコン的な要素もあり、ものづくり好きをワクワクさせる製作過程はとても面白かったです。
頭の中に巨大な霧と雲が湧いている。-研究者はこの霧の中を歩くのが楽しくないといけない。私は自分の口に手を当てた。口の形は笑っている。(P48)霧の中を歩いていたらいきなり壁にぶつかった気分。これは幸先がいい。-壁があれば、壁に触れながら迷路を歩いていけるというものだ。(P53)
全体的によかったですが、まめたんの活躍の場面はできれば話の中でも現場からの要望があった救助現場であって欲しかったなという気がします。 -
まず一言………タチコマやん!
復讐のための研究が認められて、忙しくなって、一悶着あって、オシマイ
話は面白いし、全体的には読みやすかったけど………タチコマじゃん!
正直言うと表紙見てタチコマだと思って買いました -
ロボコンもの部分や近未戦争部分は面白いのだけれど、大半はくどい一人語りが続く。そんなに30女を卑下させなくても・・・。
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一から物を作っていく過程は楽しく、読んでてワクワクしました。特に、まめたんが起きるときのシーンは臨場感があり、主人公でなくても興奮しました。モノづくりスキー、機械スキー、タチコマみたいな機械ダイスキーな人は読んでも大丈夫かと。
2人の恋愛パートについては、お察しください( ◜◡◝ ) -
綾乃と信士くんがちょっとずつ恋人らしくなっていくので、読んでてニヤニヤしていた。イラストのまめたんがかわいい。そして強い。でもそのまめたんが実践の戦いに使われるのが嬉しいのかと言われると微妙なところなんだと思う。やっぱり平和な状況でまめたんが動き回っている姿を見てみたい。