- Amazon.co.jp ・本 (619ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150408435
作品紹介・あらすじ
ニューヨークのマンハッタン総合病院で、不審な病気が流行しはじめていた。糖尿病で入院した患者が、強い伝染力をもつ原因不明の感染症により死亡してしまったのだ。ニューヨーク市の監察医ジャック・ステープルトンは、院内感染による肺ペストを疑って、調査を開始する。だが、真相解明もままならないうちに、病気は患者だけでなく病院スタッフにまで広がっていく。しかも、ジャックには恐るべき魔手が迫っていた…。
感想・レビュー・書評
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マンハッタン総合病院で、相次いでペストや野兎病にかかった患者やスタッフが死亡。検視に当たった市の監察医ジャックは、都市部ではありえない感染症の発生に疑問を持ち、マンハッタン総合病院を訪れるが、スタッフは状況の公開にいい顔をせず隠そうとする。ジャックは人為的な感染であると確信するが、一体誰が何を目的に、このような感染症を引き起こしているのか…。
SFチックなプロローグから始まる、感染ミステリ作品。一匹狼で無頼漢なジャックというわかりやすい視点から、得体のしれない病院に隠されたものを暴こうとするという、ハリウッド映画的なストーリー。訳者も翻訳家兼医者という肩書のため、いい感じで突っ放した専門用語で訳してくれるため、心地よいわかりやすさとヒリヒリした臨場感のある作品だ。
全体には感染症の発生した病院、死体置き場、ギャング団、CM作成会社とあっちこっちに視点が飛ぶが、それぞれをそれなりに把握していれば内容はカバーできる冗長化のできたストーリーのため、長い本だがあまり気負わずに読める内容だろう。
一方で、プロローグで語られた話から、細菌感染につながると思えないことや、細菌感染した患者に割とラフに接触していくので、同作家の『アウトブレイク』的になるのだと思いきや、思ったほど感染が広がらないので、アレ?と思ってしまうところは有る。
最後はちょっと都合良すぎかな。でも、1990年代の後半に出始めだった抗ウイルス剤をもりこんだり、こういうちゃんとした知識と取材に裏付けられた小説って、最近見ないので重要だよね。
余談。「オートメ化」という「automation」を訳したような単語が複数回出てくるが、ハインラインの訳(矢野徹)の「オートメ工場」から2度目に目にした。1990年代にそういう言葉ってはやったっけ?他で見たこと無いんだが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
メディカル・サスペンスの著者ロビン・クックによる感染症をテーマにしたサスペンス。ニューヨークの病院で院内感染によるものと思われる感染症が見つかる。しかし、ペストから新月インフルエンザ、スペイン風と同じ種類の感染症まで次々と現われてくるという異常な自体に気づいた監察医は・・・
致死性の高いウィルスもこんなに簡単に入手できるのかと思うと恐ろしいけれども、著者が描くのはウィルスの恐ろしさよりも、欲望からくる人間の恐ろしさを描いています。やっぱり人間のほうが怖いか。繰り返される感染症の同じようなシーンはちょっとだるい。
病院で危険な状況で働いている人もいれば、病気を利益の源泉にしている人もいるわけで、社会はこのような矛盾をはらんだまま動いているという逃れようもない恐ろしさよ。 -
これは最高獵
600頁があっという間のとても楽しいクック作品。見直した。
100頁を残すところになってもまだ真相がわからない。
そこから(多少解剖医の主人公がヒーローっぽくアクロバティックになるのが残念だが)、一気にヒートアップし大どんでん返しが待っている。
いやぁ、楽しい作品だった。映画にしたらかなりいいセン行くんじゃないかと思う。特に脇役的にとてもいい味を出しているギャング連中がかなり目立つこと請け合いだ。
大都市の総合病院で院内感染による死者が続出する。主人公である解剖医が調査した結果、死因はなんとペストであることが判明。そして次から次へと考えられないウィル%