- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150412418
作品紹介・あらすじ
刑事のカースンとマイクルは、人造人間がニューオリンズの至る所に浸透していることに気づき、デュカリオンはヴィクターの研究所を突き止めようとしていた。一方ヴィクターは、新人種の殺し屋夫婦にカースンとマイクルの抹殺を命じた。そして人造人間の第一号であるデュカリオンが生き延びていて、自分を倒そうとしていることを知る。その頃、ヴィクターの支配下にある廃棄物処理場では異変が…激動のシリーズ第2弾。
感想・レビュー・書評
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だる
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予想のつかない展開が続く。地獄絵図が展開しそうなところで終ってしまった。続きの「フランケンシュタイン対決」を手元に置いてから読み始めてください。続きが気になって何もできなくなります。
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ここにきてかなり急展開に話が面白くなってきた。
それにしても意味深な事がいっぱい起こったなぁと...
テンポのよさで読ませてくれる。
次がかなり楽しみ。 -
「フランケンシュタイン野望」の完全な続編。前作を読まないと全然面白くないというある意味思い切った作品。カースンとマイケルの掛け合いがテンポよく面白い。映画的な話の展開。後半から一気読み!続きが読みたい!
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フランケンシュタイン・シリーズ『野望』に続く第二作目。
床下に潜むランドル6、新たに生まれたエリカ5、マンホールへ逃走した小人…前作のラストでは、スリリングな伏線をいくつも残しながら終わったので、本作の焦点は主にそういった謎へと向けられています。
前作でデュカリオンの助けをかりて、大活躍を見せたカースンとマイクル。彼らを狙うのは、本作から新たに登場する新人種---ヴィクターの差し向けた暗殺者コンビ、ベニーとシンディという憎めない強敵が、物語の緊張感に一役買っています。
彼らの行動と執拗さは張り詰めたような緊張感を与え、彼らの掛け合いは緊張の糸を切らさぬようにあつらえた休息のようでもあります。
ヴィクターの前妻・エリカ4を改良し、新たに作られたエリカ5。本作の中盤における、彼女とメイドのクリスティーンの『エリカだけが持つ希望と孤独』についてのやり取りは、今後のストーリーに大きく影響を与えそうな伏線ではないでしょうか。
前作ではヴィクターに対して『あなたを許さない』と言いながらエリカ4の命は果てましたが、本作では『あなたを許します』と言いながら死んでいったデュケイン神父の存在。
どちらも、逆らうことの許されない創造主に対して、彼の生き方を否定しているという点で一致しています。
自ら作ったレプリカントに様々な問題が生じ始め、自ら作った作品に自分の意義を否定されたヴィクター。
またもや多くのスリリングな含みを残しつつ次作へと繋がる終わり方に、今後の展開に期待の膨らむ一作であることは言うまでもありません。 -
本書は『フランケンシュタイン野望 』の完全な続編である。
クーンツの他の連作ものは、例えばオッド・トーマスのシリーズなんかはそれぞれ独立しても楽しめるようになっているのだけど、このフランケンシュタインはまるで連続ドラマみたいなもの。だから続けて読まなきゃ楽しめないのだ。
第一作で起こったニューオリンズの連続殺人事件はひとまずの決着をみるが、女性刑事カースンと相棒のマイクルは、人間ではないもの、すなわちヴィクターの創りだした新人類の存在を知る。
ヴォクターは新人種の殺し屋夫婦にカースンとマイクルの殺害を命じる。
ヴィクターの世界征服計画は着々と進みニューオリンズのいたるところで、旧人種(人間)が元の人物そっくりの外見をした新人種=人造人間にとって変わられていた。
街の有力者、聖職者、警官が殺害され、今や本物とうり二つの新人類のレプリカは増え続けている。
ヴィクターが創りだした人造人間は、彼らの創造主たるヴェクターに完全服従決するようプログラムされている。
主人を殺すことは勿論、自殺することも禁じられている。
生きる目的も、何もかもがヴィクターによって決められているのだ。
そしてそのことに不満を抱くこともない、はずだった...。
だが、人造人間たちの中に、プログラムに歪みが出る者が現れ始める。
生物的には1000年以上もの寿命を持つはず彼らは、神の子たる人間=旧人種のような幸福を感じられない。
全てをプログラムされているので自由も希望もないのだ。そのことに絶望する者も出始める。
ヴィクターが築こうとしている帝国には、綻びが生じ始めていたのだった。
そんな時、ヴィクターは遥か昔に創造した最初の人造人間であるデュカリオンが生きていることを知る。
デュカリオンはヴィクターの創造した人造人間第一号だが、その命を吹き込んだのは実はヴォクターではない。
稲妻すなわち天の力だ。それゆえにデュカリオンにはヴィクターも及ばない量子重力理論を応用した力がある。
だが、同時に人造人間の宿命としてヴィクターに歯向かうことはできないのだった。
物語は終末論的な展開をみせる。
救世主は、ヴィクターの手による人造人間第1号であり、神に命を吹き込まれたデュカリオン。
また、ヴィクターの妻エリカ5は、あたかも創世記におけるイヴのようだ。
禁断の果実を手にしてしまったイヴ...。
エリカ5はヴィクターの5代目の妻。
前妻エリカ4は、読書を好んだために次第に自我にめざめてしまいヴィクターに”処分”されている。
この新妻エリカ5は、まだ世の中にでたばかりだ。
歴代のエリカもまたヴィクターの創造した新人種だが、ヴォクターの性的興奮のために、妻たるエリカにだけ他の新人種にはない羞恥心が与えられている。
新人種の感情は4つしかない。羨望と怒りと恐怖と憎しみ。
その四つの感情は自らの尾を喰らわんとする蛇のようにただぐるぐると循環し、希望を遠ざける。
この新人種の悲劇の環は、現代の極めて階層化された社会の底辺にいる人々を連想させた。
思い出したのは、『アマゾンドットコムの光と陰』
倉庫でひたすら品物をピックアップする彼らは希望を持ち得ない。
本書の冒頭にはC・S・ルイスの『人間の廃絶』の中の一文が捧げられている。
人間による自然支配の暴走と良心。
クーンツが意識しているのは、明らかに科学史上主義の暴走なのだろうが、"終わりの始まっている"かのような現代の強欲資本主義社会の歪みをも、ここに重ねることができる。
新人種の中でただ一人、羞恥心を与えられたエリカには、新人種には芽生え得ない感情を生む余地がある。
自分に対する哀れみと他人に対する哀れみ。
そして他人に対する哀れみはやがて希望をも生み出すだろう、ヴィクターのメイドはエリカ5にいう。
彼女の原罪は、終末を迎えようとしている世界に何をもたらすのだろう。
http://spenth.blog111.fc2.com/blog-entry-112.htmlより -
2011-74 読みやすくてすぐ読めるが1巻より薄かった。つなぎの巻。デュカリオンの超能力がすごすぎる、明らかにビクター・ヘリオスの能力を凌駕している。
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キャラが中々イイ