永遠の夜 (下) (ストレイン)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150412708

作品紹介・あらすじ

イーフの恋人だったレジスタンス活動家ノーラは、敵にとらえられ吸血鬼のための血液収容所に送り込まれた。イーフは彼女の救出を計画するが、"マスター"に仲間を売って古文書『ルーメン』を渡せば息子を返そうとささやかれ、動揺する。息子を取り戻すため人類の運命を代償にするのか-そしてその彼に『ルーメン』が指し示す吸血鬼を破滅させる鍵は見つけられるのか?衝撃の大ヒット・スペクタクル、堂々の完結へ。

感想・レビュー・書評

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  • メキシコ出身でアカデミー賞監督「ギレルモ・デル・トロ」とアメリカの作家「チャック・ホーガン」の共著『永遠の夜(原題:The Night Eternal)』を読みました。

    『沈黙のエクリプス』、『暗黒のメルトダウン』の続篇で、〈ストレイン〉三部作の完結篇となる作品です。

    -----story-------------
    全米ベストセラー3部作
    〈ストレイン〉完結篇、ドラマ化決定!

    アカデミー賞監督「ギレルモ・デル・トロ」による
    ノンストップ・アクション・サスペンス、
    衝撃のフィナーレへ!

    〈上〉
    ニューヨークに吸血鬼ウイルスが放たれ、街が闇に覆われてから、二年が経った。
    世界を支配する吸血鬼の王「マスター」に愛する息子を奪われた「イーフ」は、苦悩しつつレジスタンス活動に身を投じている。
    そんななか敵を壊滅させるための方策が見つかった。
    あとは古文書『ルーメン』にある「黒の地」の秘密さえ解読できればいいのだが……。
    アカデミー賞受賞監督「デル・トロ」が渾身の力を注いだ《ストレイン》シリーズ第三弾!

    〈下〉
    「イーフ」の恋人だったレジスタンス活動家「ノーラ」は、敵にとらえられ吸血鬼のための血液収容所に送り込まれた。
    「イーフ」は彼女の救出を計画するが、“マスター”に仲間を売って古文書『ルーメン』を渡せば息子を返そうとささやかれ、動揺する。
    息子を取り戻すため人類の運命を代償にするのか―そしてその彼に『ルーメン』が指し示す吸血鬼を破滅させる鍵は見つけられるのか?
    衝撃の大ヒット・スペクタクル、堂々の完結へ。
    -----------------------

    合計6冊の〈ストレイン〉シリーズも、いよいよ完結篇です、、、

    舞台は前作『暗黒のメルトダウン』の2年後… 「イーフリアム(イーフ)・グッドウェザー」、「ノーラ・マルティネス」、「ヴァシーリ・フェット」、「オーガスティン(ガス)・エリサルド」等が破滅後の世界での絶望的な状況を打開し、クライマックスを迎えるまでがスピーディーな展開で描かれており、愉しく読めました。

     ■灰の雨(Rain Of Ashes)
     ■ヤコブと天使(Jacob and The Angel)
     ■炎の眼覚め(Awakening To Fire)
     ■エピローグ(Epilogue)
     ■解説 堺三保

    原発のメルトダウンや地震、火山噴火、油田の炎上等により、地球は灰と黒煙に覆われ、太陽光がほとんど遮られてしまう… 永遠に続く夜の中、混乱に乗じて世界の実験を握ったのは地下から現れ出た吸血鬼の群だった、、、

    彼等は人間を家畜のように飼い始め、もはや人類の命運は尽きたかに見えた… そんな絶望的な状況の中、「イーフ」等の一部の人間は希望を失わず、レジスタンスとして吸血鬼たちと戦っており、「"マスター"」を倒すために懸命な闘いを続ける。

    〇「"マスター"」に洗脳された「イーフ」の息子「ザカリー(ザック)」を、「イーフ」は救うことができるのか、

    〇「"マスター"」に利用された「アルフォンソ・クリーム」の裏切りに、「イーフ」や「オーガスティン(ガス)・エリサルド」等は対抗できるのか、

    〇古文書「オッキド・ルーメン」等から解読した「"マスター"」の始祖の地とは、

    〇「ヴァシーリ・フェット」が入手した核爆弾により、「"マスター"」を始末することはできるのか、

    等々、物語は終焉に向かって進んで行きます… でも、最後の大天使は、ちょっと解釈が難しかったですね。

    物語のスケールを大きくし過ぎてしまい、うまく収集できなかったんじゃないかな… という印象が残りました、、、

    まぁ、ファンタジーとして受け入れれば、この結末もありかな… あと、親子の絆がひとつのテーマになっている部分も印象的でしたね。

    「イーフ」と、その息子「ザック」、「"マスター"」と、その真の息子「ミスター・クインラン」、吸血鬼になった「ケリー」と、その息子「ザック」、吸血鬼になった母親を殺せない「ガス」、痴呆症の母親を見捨てられない「ノーラ・マルティネス」、、、

    家族であるがゆえに、絆を断ち切れず、それが足かせとなってしまうんですよね… ちょっと考えさせられましたね。

    三部作で、それぞれ上下巻があるという6冊の作品だったので、ちょーっと中だるみしましたが、まっ、愉しく読めました… もう少し、スケール感をおさえて、短くした方が読みやすかったかもしれませんけどね。



    以下、主な登場人物です。

    「イーフリアム(イーフ)・グッドウェザー」
     元CDC(疾病対策センター)所属の医師で疫学者。レジスタンス活動のメンバー

    「ザカリー(ザック)」
     イーフの息子。13歳。2年前からマスターのもとで暮らす

    「ケリー」
     イーフの元妻。吸血鬼

    「ノーラ・マルティネス」
     イーフの元部下。レジスタンス活動のメンバー

    「マリエラ」
     ノーラの母親。アルツハイマーを発症している

    「エイブラハム・セトラキアン」
     ニッカーボッカー骨董質店主。元ウィーン大学教授(東欧文学および伝承を専門)。故人

    「ヴァシーリ・フェット」
     元ニューヨーク市有害生物駆除業者。レジスタンス活動のメンバー

    「オーガスティン(ガス)・エリサルド」
     元メキシコ系ギャング団のボス。レジスタンス活動のメンバー

    「ブルーノ・ラモス」
     ガスの仲間

    「ホアキン・ソト」
     ガスの仲間

    「アルフォンソ・クリーム」
     ガスの元ライバル。ニュージャージー州の闇市場をしきる

    「マスター」
     吸血鬼の長老。ロックスターのゲイブリエル・ボリバルの身体を持つ

    「ミスター・クインラン」
     母親の胎内で吸血鬼にされて生まれた"ザ・ボーン"。レジスタンスの協力する

    「エルドリッチ・パーマー」
     ストーン・ハートグループを率いる投資家。大富豪。故人

    「エヴェレット・バーンズ」
     元CDC(疾病対策センター)局長。血液収容所の責任者

  • そっちかぁ〜!なラストまで楽しめました。

  • "これは、テレビドラマ化向けの物語だ。吸血鬼一人ひとりの物語も深掘りしつつ、登場人物の一人ひとりの人生も見つめる。
    最後は、ナウシカの世界、汚染された世界で人類の旅が再び始まる。"

  • 大団円にて完結いたしました。明け方に読み終えて、心の中で独りスタンディングオベーション(笑)。個人的にはキャラや物語の成り行きにも満足。これで安心して2月3日発売のドラマシーズン2も観れます!毎度しつこいぐらいに男臭満載なキャラの死に様をドラマでも観られることを期待してます!

  • パシフィック・リムを観る前に読むべき話でした。オチが…あっさり、オチそれかい!!みたいに最後に凄まじく脱力。

    それ以外は最近流行の「綺麗かつ悲哀を感じさせるような吸血鬼」ではなく「恐怖の対象としての吸血鬼」でぞわぞわ感を愉しめました。自分の読んだタイミングとオチのハリウッド的展開がくれぐれも惜しまれます。

  • 第一部だけ読んで、続きが出ないので放置しておいたのを一気に片づける。デル・トロ監督のヴァンパイアはロマンでもなんでもない、クリーチャーなのがよくわかった(笑)展開はスピーディーで、甘さもなく、とにかくノンストップで楽しめるエンタテイメント。ヴァンパイアのルーツをしっかり聖書に絡めて来て、そのあたりの謎解きも楽しめた。

  • この3部は、話の幕引きだけに状況の説明が多い。吸血鬼一族の出自や、聖書の世界との交錯等、話がもたつくことが多い。しかも相変わらずキャラがブレがちでここまで来たらもっと一直線にしても良いだろうに。後半は予想通りメンバーの壮絶な討死が始まり、予想通りのラストを迎える。どうしてもキングの作品に似てる感じは拭えない。これのTVドラマ化は面白いかもしれないけど、「死霊伝説」+「デッドマンウォーキング」みたいになりそう。

  • 結末はあれしかないかな~と思える結末。ただ風呂敷ひろげすぎた感はいなめず。

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著者プロフィール

映画監督・脚本家・小説家。
1964年10月9日生まれ。メキシコ出身。
劇場長編監督デビュー『クロノス』(92)が各国の賞で高く評価され、97年の『ミミック』でハリウッド・デビューを果たした。『デビルズ・バックボーン』(01)、『ブレイド2』(02)を経て、念願だったマイク・ミニョーラの人気アメコミの映画化『ヘルボーイ』(04)を実現。映画はヒットを記録し、続編『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(08)はスタジオをユニバーサルに移して製作。その間にスペインで製作した『パンズ・ラビリンス』(06)は、アカデミー賞脚本賞にノミネートされたほか、カンヌ国際映画祭など各国で高い評価を受けて気鋭の監督として国際的に広く認知されるように。07年にはペドロ・アルモドバルらとメキシコで製作会社「チャチャチャ(Cha-Cha-Cha)」を設立。『ロード・オブ・ザ・リング』の前日談にあたる大作『ホビット』シリーズでは脚本を手掛けた。10年『パシフィック・リム』で、久々に監督に復帰。14年にはチャック・ホーガンとの共著で発表した初の小説「ストレイン」シリーズ(09年)のテレビドラマ化が実現。本作に続き、今後は『Pinocchio』『ヘルボーイ3』『パシフィック・リム2』などの話題作が予定されている。

「2016年 『ギレルモ・デル・トロ クリムゾン・ピーク アート・オブ・ダークネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ギレルモ・デル・トロの作品

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