- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150413330
感想・レビュー・書評
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知的障碍のチャーリーが知能を向上させる手術を受け、術後の経過を自ら残した記録。人間とは、人格とは、存在とは、家族とは、幸せとは、愛とは、、この一冊で多くのことを学ばされた気がする。おそらく置かれた状況や立場、タイミング等によって感じ方が異なるだろう。しかし、どのような場合においても、自分を深く見つめ直し、より良い明日へつなぐ架け橋となる本となるであろう。こんな素晴らしい本があったとは。人に勧めたいし、何度も読みたい不朽の名著である。
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個人的には悲壮感が強く、泣ける作品ではありませんでした。主人公がおかれている環境と直面する困難は耐え難く、主人公の報われなさを常に感じ、悲しくなりました。でも、この物語の悲しさが多くの人の共感を呼んで、長く読まれ続けているんだなと感じました。
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最初から最後まで、チャーリーの経過報告で終わる本作。知を得ていく過程を、文字とか文法、言葉で表すのすごい。最初の方のチャーリーは、文法も間違っているし全部ひらがな。でもあとの方になってくると、漢字も難しい言葉も出てくる。なんなら全部理解出来ないくらい難しいこと言ってた。
どんどんと賢くなるにつれて、自分の過去を振り返るシーン。友達だと思っている同僚や家族との本当の関係を知っていく場面は、何だか辛くなった。賢くなりたいと願うチャーリーだけど、賢くなると真実を知ってしまう。どちらの方が幸せだったか分からなくなりました。
特にお母さんとの過去が辛くなった。どうにかして賢くさせたいお母さんの気持ちも分かるけど、やっぱりチャーリーが可哀想すぎた。
最後にこの本を翻訳された方のあとがきを読んで、よりこの作品が面白くなりました。確かにこの本を翻訳するのとても大変だなと思いました。 -
ダニエル・キース氏の名作中の名作。
実はダニエル・キースは初読みなのです。
いや、この物語は泣けますね~。
知性とは、知恵とは何かを考えさえられます。
天才になれば幸せなのだろうか?
その答えの一つがここにか書かれているのだろう。 -
「僕の教養は愛する人々の間に楔を打ち込む」
はっとさせられました。初心に帰るとはこのことかなと。教養やら知恵やらは人生において道具にしか過ぎなくて、最も大切なのは自分の周りにいてくれる家族・友人・仲間なんだと。最近読んだ本の中では間違いなく1番です。 -
言わずと知れたSFの必読書。
知ってしまうことの残酷さはあるのだけど、自分は知らないよりも知っていたい。
だから手術を受けるというチャーリーの選択には全力で同意した。
知性の獲得が、より高度な愛の発見に寄与するのが面白かった。
そして知性が失われていく過程の描写に打ち震えた。
知能の向上がSF的な要素であるのに対して、その衰えは広く万人に当てはまるものだから、物語の終盤はもはやSFの域を出ていた。
知能が失われた後も、原初的な暖かい感覚は残っていたのが泣けて仕方なかった。そしてそれを原動力にして、人間はいつでも向上心を持てるのかもしれないと、希望を与えられたような気がした。
そして文学ならではのレトリックも良かったね。訳者の技巧の高さに舌を巻いた。 -
知性を獲得していくなかで自分の過去に向き合う姿が本当に胸を締め付ける。頭が良くなってある意味で理想的な姿になれたのに、苦痛ばかり。子供のときに想像してた夢を叶えても、現実はとても忙しく憧れていたものとのんか違うと感じるのに近い気もした。
どこまでも人間らしく苦悩する姿がとても良かった。 -
伝えようとしている最も大切事は物凄くシンプルなんだけど、それを理解する事がどれだけ大変な事なのか、、など、色々考えさせられた一冊でした。