アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)

  • 早川書房
4.20
  • (1239)
  • (908)
  • (467)
  • (78)
  • (23)
本棚登録 : 17607
感想 : 981
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150413330

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんと切ない物語…
    知的障害のあるチャーリイ・ゴードンが、脳の手術を受けて変わっていくその前後を「経過観察」という形で本人が記録したものが全編にわたって続いていく。
    知識があることが幸せなことなのか何なのか、、、天才になって性格まで変わってしまったのは本人にとって良いことだったのか、、、
    読み終えてタイトルの意味を考えると胸が締め付けられる。

    話としてはとても良かったが、言葉の言い回しやチョイスが苦手な感じで、目で追うだけになってしまうところも多かった。多分それが、天才が書いた文体を想起させるということなんだろうけど。

  • 知的障碍のチャーリーが知能を向上させる手術を受け、術後の経過を自ら残した記録。人間とは、人格とは、存在とは、家族とは、幸せとは、愛とは、、この一冊で多くのことを学ばされた気がする。おそらく置かれた状況や立場、タイミング等によって感じ方が異なるだろう。しかし、どのような場合においても、自分を深く見つめ直し、より良い明日へつなぐ架け橋となる本となるであろう。こんな素晴らしい本があったとは。人に勧めたいし、何度も読みたい不朽の名著である。

  • 個人的には悲壮感が強く、泣ける作品ではありませんでした。主人公がおかれている環境と直面する困難は耐え難く、主人公の報われなさを常に感じ、悲しくなりました。でも、この物語の悲しさが多くの人の共感を呼んで、長く読まれ続けているんだなと感じました。

  • 最初から最後まで、チャーリーの経過報告で終わる本作。知を得ていく過程を、文字とか文法、言葉で表すのすごい。最初の方のチャーリーは、文法も間違っているし全部ひらがな。でもあとの方になってくると、漢字も難しい言葉も出てくる。なんなら全部理解出来ないくらい難しいこと言ってた。

    どんどんと賢くなるにつれて、自分の過去を振り返るシーン。友達だと思っている同僚や家族との本当の関係を知っていく場面は、何だか辛くなった。賢くなりたいと願うチャーリーだけど、賢くなると真実を知ってしまう。どちらの方が幸せだったか分からなくなりました。

    特にお母さんとの過去が辛くなった。どうにかして賢くさせたいお母さんの気持ちも分かるけど、やっぱりチャーリーが可哀想すぎた。

    最後にこの本を翻訳された方のあとがきを読んで、よりこの作品が面白くなりました。確かにこの本を翻訳するのとても大変だなと思いました。

  • ダニエル・キース氏の名作中の名作。

    実はダニエル・キースは初読みなのです。

    いや、この物語は泣けますね~。

    知性とは、知恵とは何かを考えさえられます。

    天才になれば幸せなのだろうか?
    その答えの一つがここにか書かれているのだろう。

  • 本当に傑作だと思う。
    チャーリィのこれまで見ていた景色と手術によって、知能が上がったことによって見える景色が変わっていく様子がなんとも切ないものだった。
    知能が上がっていく喜びや、関わる人が多くなっていく楽しさ、愛する人ができる幸せを感じながらも、「友達」は減っていく。
    知的に障害があったときのチャーリィには心の優しさ、温かさがあったが、傲慢に変わってしまったという周囲の人の意見。
    徐々に知能が落ちていってしまうのも寂しい。

    読む人によって色々な感じ方ができると思う、本当に素晴らしい一冊でした。

  • 「僕の教養は愛する人々の間に楔を打ち込む」
    はっとさせられました。初心に帰るとはこのことかなと。教養やら知恵やらは人生において道具にしか過ぎなくて、最も大切なのは自分の周りにいてくれる家族・友人・仲間なんだと。最近読んだ本の中では間違いなく1番です。

  • 言わずと知れたSFの必読書。

    知ってしまうことの残酷さはあるのだけど、自分は知らないよりも知っていたい。
    だから手術を受けるというチャーリーの選択には全力で同意した。

    知性の獲得が、より高度な愛の発見に寄与するのが面白かった。

    そして知性が失われていく過程の描写に打ち震えた。
    知能の向上がSF的な要素であるのに対して、その衰えは広く万人に当てはまるものだから、物語の終盤はもはやSFの域を出ていた。

    知能が失われた後も、原初的な暖かい感覚は残っていたのが泣けて仕方なかった。そしてそれを原動力にして、人間はいつでも向上心を持てるのかもしれないと、希望を与えられたような気がした。

    そして文学ならではのレトリックも良かったね。訳者の技巧の高さに舌を巻いた。

  • 知性を獲得していくなかで自分の過去に向き合う姿が本当に胸を締め付ける。頭が良くなってある意味で理想的な姿になれたのに、苦痛ばかり。子供のときに想像してた夢を叶えても、現実はとても忙しく憧れていたものとのんか違うと感じるのに近い気もした。
    どこまでも人間らしく苦悩する姿がとても良かった。

  • 伝えようとしている最も大切事は物凄くシンプルなんだけど、それを理解する事がどれだけ大変な事なのか、、など、色々考えさせられた一冊でした。

全981件中 11 - 20件を表示

ダニエル・キイスの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
西 加奈子
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×