歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503581

感想・レビュー・書評

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  • この本は普段の私なら敬遠して読まないだろうという類の本なのですが、サラエボで起こったオーストリアの皇太子暗殺が世界大戦に至る描写から始まる第1章のタイトル「なぜ世界は予期せぬ大激変に見舞われるのか」に惹かれて読み進めていきました。そして今回の大地震や大津波に逢った今となっては「地震には前兆も周期もない」という次の章のタイトルも興味をそそられました。正しく表現するとこの本は、理論物理学を基礎とする概念を説明とする内容だと作者は書いていますから、聞くだけで頭が痛くなる私の理解力からいったら最後まで曲りなりにも読み終えたのは驚きです。このあたり門外漢にも分かりやすく表現する作者の筆力でしょうか。自然現象から身近な社会現象までもがこの法則で成り立っているとする理論を正しく私が理解したかというとそれは全く別物ですが、それにしても歴史のうねりや太古からの自然現象の繰り返しがおぼろげながら身に迫ってきました。更に最後に解説の方が端的にこの考え方は、身近な社会現象でいうと”ひとり勝ち”を意味しますよ、と書いていたので、よくある収入や貯金の平均値の意味するところの理解が深まりました。大勢の人は平均値以下、一握りの人が突出して稼いでいたりお金持ちなので平均値を押し上げるという事実は、何も特殊なことではないのだと当然、平均値以下に位置する私は安心したのでした。

  • 純粋に面白かった。相場と歴史と地震など一見つながりの無いようなものが複雑系科学からみるとつながっているというのが新鮮。
    ブラックスワンにもつながる話でもあるが、動きを調整する役目と思われていた行動が逆に大きな変動を生む原因になっているというのもある意味納得できた。やはり予想するというのは難しいものなのだなあ。時間をあけて再読したい。

  •  なるほど……と思いつつも読み進むロマンが沸かず、途中退場となる。うーん。自然科学好きならワクテカするところなのかな。

  • タイミング的にも個人の専攻的にも興味深い本でした
    物事の出現率を考える時正規分布で捉えがちですが、そんなことはないなぁと実感。

  • 地震予知のむなしさをもっと語ってくれるのかと思ったが、臨場感(そーだそーだ感)以上のものは無い。結局、複雑系の話で終わっている。内容は自分の理解の範囲内。新鮮味は無い。

  • 実験の経緯や内容など、そこまで重要か?という記述が多すぎる。ページ数の割に内容がないような気がする。各章の最終文だけ読んでも十分。

  • 世の中の多くの人は何かにつけ「計画」や「規則性」や「法則性」を求める。

    しかし最新の複雑系科学によれば、実は予期できないことも多い。

    地震や経済もそうだ。

    そして科学の進歩や人類の歴史も同様に、べき乗則にしたがって予期できないとしている。

    実感としては、そういうこともあるかもしれないと思う。
    (しかしそれだけではない気もする)

    いずれにしても、何でも説明できる。予想できる。計画できる。
    と思ってしまう人類の癖は治したほうがよいと僕は思う。

    なかなか面白い本だった。

    そもそもどうしてこの本に興味を持ったかというと、
    将棋の羽生さんが自著の中で紹介していたからだ。

    羽生さん、やっぱりただ者じゃないな。

  • 古い積読本だったのだけれど、地震•核反応ともに関係がある本なので、今読んでいてとても興味深く読めてる

  • 自然や社会の様々なイベントはべき乗則に乗ってくる。
    地震とか株価とか。
    べき乗則に乗るってことは予測が不可能ってこと。

    わかったけど、いかんせん読みにくい。特に最初の地震のところ、細かすぎないか?強調したかったんだろうけど、読者が検証できるわけじゃなし。
    それぞれの例示を詳細に述べた上で「べき乗則」って言われるとすごい脱力感。べき乗則になる理由も述べてはいるんだが…。
    確率と同じで、複雑な系の結果の形とか起こりやすさだけ論じるのはどうも好きになれない。
    それで満足しちゃいけない、って思う。

  • 前半は面白いのだが、後半へ行くにつれてクズになっていく…。

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