歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503581

感想・レビュー・書評

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  • 複雑系を経済と物理の側面から見ているもの.
    人工生命系の分野を知っている人なら,おなじみの名前がちらほらと出てきます.

    とっても,興味深い...

  • 最近の(といっても2000年までの)べき乗則(power law)にかかわる自然科学から社会科学までの研究を紹介して、今後の展望を述べたもの。本書で解説される自己組織化臨界現象の知見を歴史学のような分野にも応用していくという展望はやや楽観的すぎると感じました。べき乗則の原因は必ずしも自己組織化によるものだけではないからです。
    べき乗則の存在が意味するスケール不変性(小さな出来事も大きな出来事も同じ「法則」にしたがっているということ)については面白く読めるでしょう。

  • 筆者の主張が一貫してて分かりやすかった。

  • かなりおもしろい。「べき乗則」そのものは、あれーっその程度のことか、という感じではあるのだが科学の発展理論ということでは素人向けによく書かれている。読み終わって、さてなにか、といわれたときにはっきりと残っているというわけではないのだが、読んでいる途中は楽しい。

  • 複雑系科学の見方を様々な現実的社会現象に適用して考察。

  • 読んでいて2つの点について考えさせられた。

    1点目。地震のように、発生の物理学的メカニズムはほぼわかっているのに、天気予報程度の予測が出来ないのはべき乗則が原因だとのことだが、でもそうだとすると気になるのが、べき乗則になる理由だ。正規分布が中心極限定理で導かれるように、べき乗則についても個々の要素や要素間の関係について何らかの仮定が成立するときそれが導かれるという形で、由来が解明されるべきだと思う。地震、ネットワークの構造、富の分布というような、お互い全く関係性がありそうにない現象に共通的に見られる分布であるのなら、正規分布と同様に、「相互作用」する要素間に見られる本質的分布といった感じのかなり単純なルールでそれが導かれるのだと思われる。

    2点目。本書でよく出てくる「予測できない」という言葉が出てくるが、その言葉の意味は、カオス的な意味、つまり初期値の微小な差により結果が大きく異なるので予測できないという意味(つまりラプラスの悪魔がいれば原理的には解消される予測不可能性)か、それとも不確定性原理的な意味での絶対的な予測不可能性なのか。別にべき乗則に従おうが何の分布に従おうが、確率的な現象は確率でしか予想できない。個々の現象の予測、たとえば震度7以上の地震が何カ月後にどこそこで起こる的な予想は、どんな分布に従ったとしても確実にはできない。しかしそれは前者的な意味の予測不可能性であり、はっきりいって当たり前といえば当たり前すぎることである。もっと根本的な、例えば未来における対象の状態を知ると対象の状態が定義出来なくなったり、あるいはその逆になったりといった根源的な意味での予測不可能性はないのだろうか?

  • ブラックスワンやマンデルブロ氏の本を読んだあとでは、面白みに欠けてしまった。

  •  つい1~2か月前、カール・ポパーの「歴史主義の貧困」を読んだ。そこには、歴史は長期予測は絶対に不可能である、ということだった(短中期については、否定していない)。そこまでしっかり読んだわけではないから、具体的に覚えてはいないが、納得した覚えがある。確か、科学の発展が評価できないからだったっけな。
     しかし、彼がその論拠で述べたように、科学の発展は予想できないようだ。べき乗則。これを用いれば、ある程度の歴史予測を出来るかもしれない。
    この本は、そのべき乗則を解説した本。そもそもどのような経緯から見出されたのか、どんな法則なのか、それを用いるとどんなことが分かるのか、などという事が書かれている。数式が書かれていないのがニクい笑
     べき乗則、ちょっと勉強してみたい。

  •  べき乗(冪乗)とは、ある数字を掛け続ける操作のことをいう。累乗(るいじょう)といった方がわかりやすいだろう。様々な現象にべき乗の法則があるそうだ。

    http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20100520/p5

  • おもしろかった。つまり歴史はフラクタルだということだな。たぶんよく分かってない気がする。

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