象は忘れない (ハヤカワ文庫)

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  • 早川書房 (1979年1月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784150700447

感想・レビュー・書評

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  • 再読。完全に犯人忘れてた。
    こんな話だったのか!

    オリヴァ夫人が名づけ娘シリヤの
    結婚相手の親から難癖つけられて困って
    モヤモヤをポアロさんに相談する。
    その難癖というのが
    「シリヤの両親は無理心中だったのか」
    外部犯の可能性はないのか?
    ないのなら、どっちが主導の無理心中?
    いや…どっちにしろ残された子には
    関係ないだろうと思うのですけど
    悪い遺伝を心配するのが、この時代。

    古い事件とはいえ「象は忘れないもの」
    オリヴァ夫人の口にした英国のことわざを胸に
    彼女と手分けして
    当時の関係者たちに話を聞くポアロだったが。

    というわけで戯曲かと思うくらい
    会話文主体で展開します。
    でも記憶は人によって違うもの。
    ある人には良い思い出が、ある人には違ったり。
    よーく読めばちゃんと真実が忍ばせてあるのは
    クリスティらしいかも。

  •  クリスティ作品を沢山読破していけば、いわゆる代表作品以外にも名作や傑作が数多くある事がわかる。
     「象は忘れない」も、ポアロが十数年前の事件に挑む、オリジナリティあふれる作品であり、面白さは抜群だ。寧ろ、この時代、過去を振り返る記録の様な物がほとんど存在しない世界で、ポアロの推理と犯人の突き止め方に当時どれだけ心が昂った事だろうか。
     今作はオリヴァ夫人からの依頼になるが、相変わらずポアロとオリヴァ夫人のやり取りは面白いし、現代でも想像できてしまう。それだけ魅力的な二人だし、ヘイスティングスに負けずに劣らず、オリヴァ夫人は好きな人物である。
     タイトルについては「ことわざ」か何かだったと記憶しているが、タイトルのセンス(翻訳もあるから一概には言えないが)含め、さすがのクリスティだ。
     読んで無い人は是非。
     クリスティはけして数作品だけ突出した作家ではない。とんでもない作品を数多く発表されているんだ。

     ※以降、再読し、レビュー追加だ。
     クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はオリヴァ夫人。
     冒頭のオリヴァ夫人の葛藤はクリスティのそれを反映したものだろう。スピーチへの嫌悪感や分別の無いファンへの煩わしさというのはとても共感を持てる。売れっ子作家としての人生は本人達でなければ気づく事は出来ないが、様々な苦労があるのだろうと勘繰ってしまった。

     今作は作中でも触れられているが「五匹の子豚」と対をなしているイメージだ。過去に戻りながら事件の真相に辿り着くという一連は、どちらにも共通しているテーマだ。
     今回珍しく幾つかの作品に触れられており、上記作品と「マギンティ夫人は死んだ」、「ハロウィン・パーティ」についても簡単だが言及がされている。ネタバレ等はないが少しヒントが出ている為未読の人は注意が必要だ(五匹の子豚はだいぶ言及されている)
     結婚を控えた若い二人の男女。男の継母がオリヴァに近づき(オリヴァが女性の方の名付け親だった為)息子の相手の両親が拳銃で死んだ事件について根掘り葉掘り引き出そうとする。オリヴァは娘の母親と面識はあるが、当時、オリヴァが海外にいた為、事件の真相はわからず、更には警察などでも詳しい内容の究明がされないまま、自殺という事で決着した。オリヴァはなんとか継母から逃げ仰せたが該当事件の真相が気になりポアロに相談する。
     クリスティ作品でありがちな全く事件に関係無さそうな手掛かり(夫人の四つのかつら。かつらを四つ持っているのは違和感。飼っていた犬が夫人に噛み付いた事。愛犬は警察よりも賢いというポアロの皮肉が印象的)を皮切りに、警察に保管されている当時の資料や当時事件に関わった人達への聞き込み等(オリヴァ夫人も活躍!!)を繋ぎ合わせ、ポアロが悲しい事件の真相に辿り着く。
     クリスティ作品は古典にあたり、現代と表現や感覚、考え方が難しい部分がある。今回、事件の真相には一卵性双子の入れ替えが関わるが、彼女達の遺伝的な考え方や過去の殺人についての姉への処遇等について、理解が難しい部分が多い。
     一方で、若き娘シリヤの両親や家庭教師ゼリーが家族愛に溢れ、全てが報われないドロシアへの愛故の行動である事は、シリヤへの救いであり、シリヤの相手であるデズモンドの継母の怪しげな行動についてもデズモンドの実母から多額の遺産が入り、それが原因であるという事も作中では真実として知る事ができ、読者としては物語通して納得のいく物語だった。
     クリスティ作品は意外にコッテリした味付けが多く、最後真相究明後、家庭教師とポアロがその場に留まって会話をしていたため、残りページは全くないながらももう一つ変化があるのかと期待してしまった。悪い癖だ(笑)出来栄えは「五匹の子豚」に軍配が上がると思うが二作連作で読むとそれぞれ何倍にも面白さが膨らむ様に思う。
     「象は忘れない」の諺は教訓になるだろうが、知らない人から見れば「サファリに象狩りに・・・」となるのだろう(笑)

  • がっつりネタバレレビューですよ!!!!


    双子というモチーフは大好きなのですが、双子ならそうするよねえーという王道の双子だったので、これまで読んだアガサ・クリスティみたいに結末にびっくりーというのはなかった。
    まあ、双子の片割れが意図的に入れ替わりたいと思ってそうするのが読んでて楽しいんやけど、これはそこまでやばくはなかった。
    あと、彼氏の母親が事件に全然関係なくて拍子抜け。

    晩年のポアロの周囲や評判がよかったな。昔の有名人なんか若い子知らんもんな。その辺がリアルでよかった。

  • 表題『象は忘れない』と表紙イラストで、お話はアフリカからはじまって舞台は動物園なのかなと勘違いをさせる。まったく違っていて象は忘れないとは、犬も歩けば棒に当たる的なことわざの引用でした。西洋では有名なのかもしれないが、日本人にはなじみが薄くて分かりずらい。様は昔のことを覚えてますよっていう意味らしい。

    内容は、自殺と判断された10数年前に起きた事件の謎解きをするお話。双子が出てきて、カツラが4つありの~なついているはずの犬が吠える、極めつけは双子の方われが精神異常者となれば犯人は…。合わせてこの事件をほじくり返す理由が遺産相続って、今となっては王道ミステリーかな。

  • 執筆順では、ポアロ最終作。1972年の作品。
    英語圏では象は記憶力がよい動物として知られており、"Elephants never forget"ということわざがあるらしい。原題の"Elephants can remember"は、そのことわざのパロディとのこと。そういえば、メモアプリEvernoteのアイコンも象さんだ。記憶するからか!

    ポアロと友人の推理作家アリアドニ・オリヴァが、ひょんなめぐりあわせから十数年前の心中事件を再調査。過去をおぼえていそうな人(=象)の証言をたどり、漠然とした話から、それらをつなぎあわせて伏線を回収していく。一気にではなく少しずつ少しずつ回収されていくのがお見事。
    晩年のポアロはあまり皮肉を言わなくて少し寂しい。

  • 最後に書かれたポワロもの。謎としてはそんなにひねったものでもないし、謎解きを楽しむものではないですな。

  • まるでアガサクリスティ本人とポアロが共演しているような設定が面白い。内容としては過去の謎を解くだけなのでスリルは特にないかな。

  • #赤背表紙のクリスティーを再読するプロジェクト 003

    10年以上前におきた夫婦心中事件が蒸し返されて、夫が先に妻を殺したのか、妻が先に殺したのかという問題にアドリア二・オリバーとポアロが巻き込まれてしまう話。

  • 2014年9月19日(金)、読了。

  • 4150700443 300p 1988・4・30 19刷

  • 1972年発表
    原題:Elephants Can Remember

  • 殺人事件は一切おきない、
    過去の「真相解明」ミステリー。
    なので、ワクワク感はありませんので
    ご注意あれ。

    しかしだんだんと明らかになっていく
    真相を見て少しばかり悲しくなりました。
    予想はついたことではあったものの…

  • ポアロ

  • k_116: 「夜の蝉」の後書きの中で出てきたのですが、そういや、家にあったなあと。買うだけ買って読んでいなかったんだと思いながら読んでいたんですが、、、再読、だと思う。ひゃー。^^;

  • クリスティー御年82歳で書かれた作品。最後のポアロ作品。
    (その後に「カーテン」という作品が
    エルキュール・ポアロ最後の事件として発行されるけれど、
    この作品が実際に書かれたのは第二次世界大戦中。)

    この作品中のポアロは、かつてのように自信満々で
    芝居がかった態度を取ったりすることもなくなって、
    「丸くなっちゃった」感のあるかなりなお年のおじいちゃん。
    それが「後少ししたらポアロも死んでしまって、
    もうこのシリーズも終わりなのね。」と一抹の寂しさを感じさせる。

    しかし、彼の頭の回転の良さ、質問の鋭さは
    衰えることを知らない。灰色の脳細胞を駆使して、
    老探偵は12年前に起きた不可解な殺人事件の真相を探っていく。

    「妻が夫を殺した後、自殺したのか。
    夫が妻を殺した後、自殺したのか。」

    古くからの友人ミセズ・オリヴァ(著者アガサ・クリスティーの
    分身だと言われている。)の依頼で、ポアロはオリヴァ婦人と共に、
    当時夫婦と何らかの形で関わりあった
    ありとあらゆる関係者に会い、情報を収集して分析していく。

    最後はちょっと切ない結末。読後感は複雑。
    ポアロと共にミステリの女王アガサ・クリステイーも
    年を取ったことを実感させられる。

    派手なストーリー展開もなく淡々と進行していく渋い作品。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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