Xの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-41)

  • 早川書房
3.43
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150701413

感想・レビュー・書評

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  • エラリー・クイーン初読!
    どうやら『Yの悲劇』の方が有名らしいですね。何も知らずに『Xの悲劇』を手に取りました……
    面白いッ!
    すごい描写が細かい。
    本当にあった話じゃないかと疑うほど。土地勘もないし、分かりにくい所もあるけれど、それに勝るレーン氏の推理、観察力‼︎
    ちょうど並行して、SHARLOCKを観ていたので、「ホームズだ!ホームズだ!」とワクワクしながら読みました。
    最後まで、レーン氏は種明かしをしないので読者も一緒に推理できるんですが、もう最初からダメでした。全く追いつけない……
    種明かし読んで、「そこかよー」となる。
    サム警部になった気分です。

  •  再読。

     ドルリイ・レーンものはなかなか読み応えがあっていい。
    ドルリイ・レーンの人となりは、好き嫌いが分かれるところであろうが、四部作の評価については(ひとまとまりで見たときについてでは)一致するだろう。

     ただ、個々で見て何が一番かと問えば、「Xの悲劇」か「Yの悲劇」かで分かれる。
     私はどちらかと言えば、心情的にどちらも一番だと、言いたくなってしまう(笑)。
     というのも、秀でている箇所がそれぞれ違う為、比較し様がないと思うからである。思うにそれぞれの良さがあるから、このような意見割れが起こるのであろう。
     「Xの悲劇」の秀でている点は、その「簡潔明瞭な論理展開」だろう。成程、と思わせるそのスッキリ加減は、やはり傑作といわれるゆえんだろう。
     「パズル」の真髄を見た。

     しかし、ダイイングメッセージのインパクトは、やはり「Yの悲劇」が随一。
    Xも悪くは無いのだが、意味を明かされてもピンとこないようなものだからか、それが評価を多少落としている要因ではないかと思わざるを得ない。

  •  改めて言うまでもなく有名な本作。随分古くさい町並みの描写で、少し前の時代を舞台にしているのかと思いきや、書かれた当時から見ればまさに現在を舞台にしているというのだから驚きである。ニューヨークを路面電車が走っている様はなかなか想像しがたいものである。フェリーで通勤しているようすなんかも知ることが出来て面白い。
     キャラクターは総じてあまり魅力的とは言えないが、ドルリイ・レーンの老人なのに見た目は(白髪をのぞけば)壮年の好男子で、口を開けばシェイクスピアの引用をせずにはいられないという、誰が得するのかわからないキャラ付けは興味をそそった。60歳の紳士が腰布一枚で日に肌を焼いている場面を期待している人が、いったいどれだけいるのだろうか。ロリババァと同じような狂気を感じる。
     しかし、内容ははっきり言って面白くなかった。フェアな推理小説に拘るあまり、状況説明が淡白で事務的な上にくどいので、読んでいて報告書を読まされているような気分になり、うんざりしてくる。その一方で、人間ドラマがなおざりにされている印象が否めず、ああ、やっぱりこれはパズルなんだな、それにしても読むの面倒くさいな、とずっと思って読まなければならなかった。とにかく冗長。
     一番の問題は、やはり動機がかなり早い段階でわかってしまうこと。そのために、犯人と探偵とのスリリングな駆け引きの中で徐々に動機が明らかになってくるというドラマがないので、探偵は真相を明らかにする役割を負わず、種明かししかしない。その種明かしも、作中人物にとっては、一応、あっと驚くトリックではあるのだが、読者からすればなんでそんな七面倒くさいことをする必要があったのか首をひねるものがある。結局パズルなんだろうけど。
     なんだかトリックを見破れなかった腹いせに書いているみたいだけれど、ミステリーの面白さというのはつくづく難しいものだということは強く感じた。個人的にはトリックの意外性をほとんど感じなかったし、それゆえ推理の鮮やかさも味わうことが出来なかった。むしろここまで勿体ぶっておいてその程度だったのかという落胆の方が大きかった。まあ、小説としてはドルリイ・レーンという特異なキャラクターに萌えられればすごく楽しいのではないのだろうか。

  • はじめてクイーンを読みました。
    2人の作者の合同著者名であることを始めて知りました。

    アメリカの探偵ものとして楽しめました。
    次はYの悲劇を読もうと思いました。

    ps.
    Yの悲劇を読みました。次はZの悲劇を読もうと思いました。

  • バーナビー・ロスによる、ドルリイ・レーン四部作の一作目。って言うまでも無く有名な作品。エラリイ・クイーンとバーナビー・ロスはどちらも覆面作家として売り出していたので、両者による覆面会談なんて事をやったらしい。ご存知の通り中の人は同一(フレデリック・ダネイとマンフレッド・リー)なので、要するに自演乙。このレビュー、全然内容に触れてないや。まあいいよね。

  • 外国物は人物名を覚えられなくて敬遠してたけど、さすが巨匠の作品だけあって面白かった。ドルリイ・レーンがサム警視に変装して調査をするところはちょっと現実離れしていたけど、論理的な推理はまさに奇跡。

  • 本格というのはこういうものかという感じで、ほほうと納得しながらも、翻訳のせいなのかわからないが、読みにくさもある。

  • 少し長く感じたが、読了後は全ての伏線を回収しており、鮮やかだと思った。

    まさに本格、パズラー、と古典ミステリーを読んだ気分を味わえる。

  • 私の最近読んだ作品は、館などのクローズドサークルものが多かったので、街中で起こる殺人というだけで、新鮮さを感じてしまいました。(私の読書量が足りないだけだと思いますし、電車もクローズドサークルの一種ではありますが。)

    ドルリー・レーンのキャラクターと、戦前のニューヨーク周辺の街の情景が活き活きと描かれているのが魅力に感じます。

    Yから先に読みましたが、Xもやはり傑作であるということを思い知らされました。

  • 古典ではたぶん一番好きです

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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