レイチェル・ウォレスを捜せ (ハヤカワ・ミステリ文庫 110-5 スペンサー・シリーズ)
- 早川書房 (1988年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150756550
感想・レビュー・書評
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女性解放論者でレズビアンの活動家が、何者かに脅迫された。
護衛を引き受けたスペンサーだが、彼女にクビにされてしまう。
スペンサーシリーズ第6弾。
レイチェル・ウォレスに対して、あからさまに差別と偏見がぶつけられるあたりに、時代を感じる。
スペンサーの騎士道的精神、男性誇示的な言動と、真逆の立場のウォレス。
主人公の考えに周りを屈服させる展開ではなく、ウォレスに対して、スペンサーがひとりの人間として向きあったところが、よかった。
時に自身が反省したり、ウォレスも考え直したり、対等な人間としてのやり取りがいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずいぶん昔に読んでそれっきりだったけど、再読してみてびっくりした。これは傑作である。
主人公スペンサーと、タイトルにもなっているレイチェル・ウォレスの関係がいい。レイチェルは同性愛者で女性の自立を叫ぶ闘士である。スペンサーは男性としての美学を追究する現代の騎士だ。全くの正反対で水と油のようでありながら、ある部分ではそっくりの二人である。
ボディーガードとしてレイチェルに加えられる妨害と戦う導入から、誘拐事件の捜査まで、物語としてもおもしろいけど、二人の関係が一番サスペンスフルであると僕は思う。スペンサーシリーズで、本当に涙がこぼれたのは、実はこの1冊だけだと思う。
なぜこのシリーズが単なるネオ・ハードボイルドを超えるものであるのか、その答えはおおむねこの1冊の中にあると思う。いかにもスペンサーシリーズ的で、でもマンネリにはなっていない一番おいしいところが味わえる。 -
まんまタイトル通りなんだけど、スペンサーのマチズモと対極のスタンスなレイチェル・ウォレスが誘拐され、奪還に向かうスペンサーがタフだったなぁ。
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女性解放運動家のレイチェル・ウォレスの警護をすることになったスペンサー。独自のやり方を貫き誰の指図を受けないはずのスペンサーが、レイチェルや恋人のスーザンに男性的な考え方を批判されるのが面白い。素直に批判を受け入れるわけではないが、反発しながらもレイチェルを守ろうと必死になるスペンサーの心情の変化がよく分かる。誘拐されたレイチェルの事件はごく簡単に解決してしまう点は何だかなとは思う。
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面白い
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うわっ、かっこいい!
レイチェルもスペンサーも、かっこいいなぁ… -
スペンサーシリーズ。図書館で借りました。
二人の人間が主義主張がことごとく違ってもお互いを認め合えることが出来る関係は素敵だなと思いました。そして悲しいことですが暴力の方が問題解決には有効な手段な事が多いんですよね…。自分と意見は違っても「負けちゃだめだ」と言えるスペンサーは素敵だと思いました。 -
パーカーものはほとんど読んでるのできりがないけど、他の多くの方と同じく、スペンサーシリーズでは二番目にオススメのコレ。
会話も良いし、結末も良い。
と書いてる傍から再読したくなります。
パーカーのは会話が楽しいから、ストーリー覚えちゃっても何度も読みたくなる、登場人物に会いたくなるのです。