それをお金で買いますか――市場主義の限界

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092847

感想・レビュー・書評

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  • 長々しい直感が続き、いつまでもSo What?感が拭えない

  • 生命保険まで証券化してしまうアメリカの現状は驚きだが、
    全般的に読みづらい。翻訳者のせい???

  • サンデル2冊目なんだけど、これもやっぱり難しかった。こんな難しく考えなくとも人のまっとうな道というもの存在し、本来そこへ導かれるものだと思うんだけど。

  • 資本主義、特に広告業界の行き過ぎについて議論を投げかけている。具体的な事例が多く羅列されている。

  • ある種の権利をお金で買うのは善か。行列、医者の予約、二人目の子供、CO2・・・。経済として、道徳として、法として善か

  • いつものように「善」「道徳」を語っています。すべてを市場化してはならず、何を市場化し何を市場化しないのか熟議を持って解決しなければならないとしています。

    本書のテーマは市場化ですが、市場化してはならない領域まで市場化することを経済学者のせいにしています。しかし本書が示す市場化の例は、経済学者が市場化を提案したというよりも、民間企業な一般市民が率先して行っており、経済学者はそれを認めているにすぎません。市場化の批判は分かりますが経済学者が市場化を進めているわけではありません。

    サンデルの批判は別として、アメリカにおいて、どこ領域にまで市場化が進んでいるかが分かる本として役立ちます。学校にまで広告や商業主義が浸透していることは他の本でも指摘されていますが、人の健康や生命を対象としたギャンブルの例などは、まさに道徳的問題として重要だと思います。

    日本がアメリカほど市場化されていないので、本書を読んで日本の状況を考えることは出来ませんが、「道徳的に」悪い例として読めるかと思います。

  • 話題になった時期から少し遅れて読了しました。
    現在当たり前になっていることの多くのことが、だれかが付加価値をつけて商売にしたことが発端となっている。しかし、そんなことまでお金でやり取りしてしまうのか?という事例も多数記載されている。
    倫理的にどうなのか?と様々な事例から、行過ぎた市場経済への警鐘として著されたのだろう。
    ただ、こうすべきではないか?という一本の軸となる提言みたいなものがあれば、もっと読みやすかったような気もする。

  • 読んでいてなんかイヤになり途中からは流し読みになりました。
    裏でどんな金が流れているか。
    言っている事は正しいのですが素直に受け入れられませんでした。

  • 【レビュー】
    欧米で浸透しつつある、日本人の目からしてえっと思うような分野でのお金儲けが事例で数多く紹介されている。わたしはそれらをえっ?と思うから立場としてはサンデル氏と同じだが、この本の中でそのえっ?を説得的に立証してもらえると思って読んだから期待外れであった。本書は事例紹介が中心で、課題解決という点では示唆程度。まあ仕方ないかとも思うが。
    【特記事項】
    ・本来市場原理ではないところに市場原理が浸透しつつあり、それにより、公正に関する議論と腐敗に関する議論の二種が沸き起こっている。いわゆる、資本主義の追求と、それによる倫理感との衝突は、上の二種のいずれかとなる。
    ・読書を奨励するために、ダラスの成績不振校は、子どもたちが本を一冊読むたびにお金を払っている。もちろんテストをして本当に読んでいるか確認するが。
    ・同じ行為に対して支払いをしなければならない場合でも、それが料金とされるか罰金とされるかで人のインセンティブは異なってくる。
    ・インセンティブは、近年の経済学で隆盛を極めている。
    ・何かを行わせるために金銭的インセンティブを支払うなら、たっぷり支払うか、まったく払わないかのどちらかであるべき。
    ・経済学者が市場主義を礼さんするのは、利他精神、寛大さ、連帯、義務などに頼りすぎないほうがよい、なぜならそれら道徳感情は枯渇する希少資源だから、という理解がある。
    ・テロが起きるかどうかを一般に問う「テロの先物市場」というべきウェブの提案がアメリカの一機関からなされたが、反対された。
    ・野球で、ホームベースへの生還の際に「セーフです。安全と安心。ニューヨーク・ライフ」とアナウンサーは言わなければならない。こうした形での企業宣伝は、監督の選手交代時やバッターボックスに立つときのアナウンスにも反映されていることがある。

  • "お金で買えないもの" ばかりを重視する考えには違和感がある。
    対価を支払ってでも手に入れたい対象には、そこに至る願いとか努力といった価値が含まれている訳で、その価値を十分に認めた上で初めて、そうでないものの素晴らしさが成立する。両者は表裏一体であり不可分。

著者プロフィール

1953年、アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス生まれ。アメリカ合衆国の哲学者、政治学者、倫理学者。ハーバード大学教授。

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