四季彩のサロメまたは背徳の省察

著者 :
  • 早川書房
3.25
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本棚登録 : 383
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095374

感想・レビュー・書評

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  • 聞いてはいましたがここまでえr・・・官能的な話とは。家でしか読めないです。そして想像以上に内容がヘビーで、それが繋がって積み重なるものだからもうどこまでも重く、もう忍さま、頼むから動くな!とツッコミを入れたくなるほどです。最後はあれっという方が登場し、関連した本の再読を促されます多分。

  • 2015年5月5日読了。
    体の美しさの描写が素晴らしい!そしてやはり知識と考察を全面に出した作品展開が上手いのですよね、この方は。
    毎回言うけど、森先生はモテる文系男子だ、絶対に。

  • 2015/5/30(土曜日)
    2016/2/13(土曜日)

  • ほぼ全ての登場人物があきれるほど下半身でしか物を考えてないし、設定は現実離れしているし、トリックも無理がある力技に思えるけど、文学・美術の知識を散りばめて全体的に漂う耽美さとかで上手にイヤラシさを隠していて、それなりに面白かったです。こんな高校生達、末恐ろしいわ~~ww。カラスってやっぱりあのシリーズの??ですよね。この頃は青く初々しかったんだな。

  • 初めの一頁読んだだけでこれは外で読むべきものではないと少しの背徳感を覚えた。

    どう考えても高校生とはとても思えない彼の風貌や言動、ましてや学び舎で行われているとは到底考えられない行為の数々。筆者の以前の著書を読んでいる私には、今までの作品とは全くの別世界が広がっているのではないかと感じたほどだ。

    別世界と感じた本書もやはり根底には著者らしさが感じられたように思う。淫靡で官能的でありながらも、「美」があるのだ。エロスは卑猥ではなく、そこに美しさが伴う。だからこそ美は芸術品として残されるのだろう。

    彼は大人びていて、女を知り尽くしていて「歩く女百科全書」と呼ばれている。しかし、そんな彼も春夏秋冬を通して女の一面を知ってやはり高校生であったのだとある意味安心した。

    彼は女の美しさ、可愛らしさ、醜さ、嫉妬深さも思い知る一年で青年期を越して大人になる。
    女というものを知った彼は女を愛する事ができるのだろうか。


    男性諸君、女は皆可愛く美しいだけではない。
    薔薇に刺があり、綺麗なものに毒があるように
    女性は皆「サロメ」なのだ。

  • で、結局、最後はどっちだったんだろう

  • フェティシズム全開の内容なのに不思議と下品にはならず、むしろ美しく感じてしまうのは森さんの醸し出す雰囲気の為せる業だと思う。癖のある登場人物達を上手く動かしている印象だが、いかんせん最後の展開は恐すぎる。

  • 1章を雑誌掲載時に読み、今回連作短編集となり、どのようにまとまるのだろうかとドキドキしてました。
    最後まで読み、エピローグを読んで、鳥肌が立ちました。エピローグの存在が、物語を引き立てている気がします。

    1章を読んだときに感じたとおり、高校生とは思えないほどの淫靡な世界が広がっていました。忍は、高校生活を支配しているように一見見えるけれど、サロメのような女に翻弄され、悲劇を生んでいく。そのことが、彼と婚約者との関係を歪な形に変えていってしまう。

    忍の女性の身体や男女の関わりを説いている姿は、ある意味では美学なのではないかと思います。話している内容が内容ですが、この作家さんのスタイルは一貫しているように思えて、この作家さんの世界だなと思いました。そういった意味では黒猫と違うようで一緒なのかなぁ...?

    エピローグを読んで、鳥肌が立ちましたが、<歩く女百科全書>を自負している忍でも?と、ちょっと気になりました。それほどにサロメは魅力的ということなのかな。私は忍よりカラス派でしたが、それでも忍の言動には目が離せなくて惹かれていきました。

    装丁がとても妖艶でとても素敵ですが、物語の漂う雰囲気をそのまままとっていて、本自体から妖艶さが漂っている気がしました。

    追記:エピローグに隠されていた秘密がわかり、愕然としてます。本当にびっくりした....。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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