アーダ〔新訳版〕 下

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152097118

作品紹介・あらすじ

美しい11歳の従姉妹アーダに出会ってまもなく、14歳のヴァンは彼女の虜となった。青白い肌の博学なアーダと知的なヴァン。一族の田舎屋敷で、愛欲まみれの恋を繰り広げる二人はしかし、ある事情により引き裂かれる。著者の想像力と言語遊戯が結実する傑作長篇

感想・レビュー・書評

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  • 長いこと絶版で、古書としてやたら高値がついていたナボコフの長篇。やっと新訳が出たので早速買って読んだ。
    複文節の多い非常に込み入った文体で、読みにくいが、この濃密さが次第に魅力となってくる。
    内容は早熟なエロティシズムの物語である。最初いとこ同士として設定されるが、実は兄妹のようだ。そういった謎が随所に仕掛けられているから油断できない。他の書籍からの引用に関しては、訳注を見ないと判別できない。
    各章はほぼ独立したような形で、書き手であるヴァンの追憶が多様なスタイルで綿々と連なっていく。読み進んでいくうちに、不思議な明るさ/輝きを感じる。別に風景描写に凝っているわけではないのに、何故かこの書物の各章は、トルナトーレ監督の映画の各光景のような圧倒的な輝かしさを帯びて感じられるのだ。これはきっと文体の力だろう。
    プロット自体よりも細部にわたって懲りまくった文章ということでは、やはり泉鏡花と類似性がある。
    このように輝かしい小説を読む体験は、至福であるのかもしれない。

  • 上下巻纏めて。
    ナボコフ最大の長編『アーダ』新訳版。数年前から『出る』『出る』と言われ続けていたものが、漸く刊行されて良かった……!
    決して読みやすくもなければ、解りやすくもないが、読み始めて暫く経つとじわじわと面白くなってくる。ナボコフらしい遊び心も随所に含まれている。何年かしたらもう1度読みたい……。

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著者プロフィール

1899年ペテルブルク生まれ。ベルリン亡命後、1940年アメリカに移住し、英語による執筆を始める。55年『ロリータ』が世界的ベストセラー。ほかに『賜物』(52)、『アーダ』(69)など。77年没。。

「2022年 『ディフェンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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