三体III 死神永生 上

  • 早川書房
4.39
  • (509)
  • (408)
  • (95)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 3976
感想 : 310
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100207

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2021年5月早川書房刊。シリーズ4作目。三体危機がひきおこした種々のことが波及した世界の進化、変遷が描かれる。脳を三体世界へ送りつけるという階梯計画や暗黒森林抑止システム等の登場に度肝を抜かれて、三体世界からこんなに離れたら三体ちゃうやんと思いながらの荒唐無稽な読書体験は楽しいです。進化したアンドロイド智子の剣にため息をつき、黒暗森林と暗黒森林がごっちゃになったええ加減さに、これも低次元変換宇宙効果のせいだわなと納得して、四次元のかけらに取り込まれて次巻へ進みます。

  • 今一番注目のSF作品といえば、こちらの「三体」。その完結編となる第三編の上巻となります。
    ストーリーは第一編で地上でじわじわ、第二編で一気に宇宙に広がった世界が、第三編では●●●(言わない方がいいだろう)にまで広がり、正直詰め込みすぎじゃない!?と思ったりもした。けど、こんなに世界観が広がっていて、下手すると一気に安っぽいSF世界に堕ちそうなのに、過去に描かれた未来の叙事詩のように、突拍子もないほど、やけにリアルに見えてくる。後半一期に目がグルグルするほどの展開だけど、ぜひしがみついて、三体世界を楽しんだ者勝ち。

  • 本作の主人公・程心が魅力的。
    彼女の波乱万丈の人生と、思いもよらない怒涛の展開に翻弄される快感。
    1や2は少々スロースタートだったが、本作は冒頭から面白い。
    上巻の最後もかなりの盛り上がりだった。
    いざ下巻へ…。

  • 読むのに時間がかかってしまいますが、面白い。
    科学的知識が追いつかず理解してないところも多いが、とても面白い。内容がよいだけでなく、描写が詩的でとても美しい。
    すぐに下巻が読みたくなる!

  • 読書備忘録659号。
    ★★★★☆。
    三体Ⅱに続きⅢに突入しました。
    Ⅲは上下巻でⅢ。なので上だけではまだ★4.5にしておきます。笑

    あらすじ。
    三体文明と地球文明は、暗黒森林(Ⅱでは黒暗森林と呼んでいたが・・・)の中で、三体星系と太陽系の座標を発信するスイッチを握る執剣者(ソードホルダー)によりバランスを保ち平和を維持していた。

    一方で今回、面壁計画の裏で、実は人間を三体文明にスパイとして送り込む階梯計画が密かに進められていたという設定が追加された。
    太陽系に向かってくる三体艦隊にむけて人間を送り込めば、三体人は人間を捕獲するだろうと。そうすればこちらとしてもスパイ活動ができるだろうと。
    ただ、送り込むための探査機を光速の1%まで加速する必要がある。
    光速の1%まで加速するために、極限まで軽くする必要があった為、最終的にフリーズドライされた脳みそだけ搭載することになった。送り込まれる悲しき青年雲天明。
    天明と大学の同級生でⅡの主人公、航空宇宙エンジニアの程心は天明が自分を好きだと知りながら、天明を脳みそだけにして探査機で発射する。ひどい!笑
    しかし発射は失敗。三体艦隊の方向からはずれた軌道で加速していく・・・。

    平和ボケした人類は女性化が進む。男も外見上女と見分けがつかない。そして民意により、執剣者が古き男子の羅輯から女性の程心に移譲される時が来た。
    移譲されたその時、太陽系に潜んでいた水滴が、重力波通信アンテナを破壊するために動き出す。平和ボケした女性の程心はスイッチを押せない。三体人が最も恐れていた羅輯からスイッチが移譲されるのをずっと待っていた訳だ。
    移譲されてから10分で、重力波通信アンテナをすべて破壊された地球人は執剣スイッチを失い、三体文明に制圧される・・・。

    一方、Ⅱの備忘録で触れるのを忘れた(笑)、地球艦隊壊滅から唯一生き延びた恒星級戦艦「藍色空間」の古き男共は、追撃してきた「万有引力」を乗っ取り、「万有引力」に搭載されていた重力波通信を起動させ、三体文明の座標を全宇宙に発信!
    そして瞬時に滅ぼされた三体文明。三体文明で残ったのは数少ない三体艦隊のみ。
    三体文明は太陽系から撤退した・・・。

    しかし「万有引力」から発信した座標は諸刃の剣であり、いずれ太陽系の座標も明らかになることから、なんとき生き残るすべを模索する地球文明。
    そして、なんと三体艦隊を介して、天明から通信が届く・・・。

    という感じの上巻でした。さてさてどうなる下巻。

    • ほくほくあーちゃんさん
      あぁー、先越されたぁー笑
      今、読んでるところです!!!!!!
      (AAが出てきたくらいですー)
      めちゃめちゃ気になるー!!
      ヤバい、ヤバい、ヤ...
      あぁー、先越されたぁー笑
      今、読んでるところです!!!!!!
      (AAが出てきたくらいですー)
      めちゃめちゃ気になるー!!
      ヤバい、ヤバい、ヤバい。
      めっちゃ、面白そうー!!
      2022/06/07
    • shintak5555さん
      スゴい!偶然ですね!
      読む速度が段違いなので、間違いなく抜かれます!笑笑
      スゴい!偶然ですね!
      読む速度が段違いなので、間違いなく抜かれます!笑笑
      2022/06/07
    • ほくほくあーちゃんさん
      本当にすごい偶然ですよね!!
      ちょうどshintak5555さんと同じ本を読んでるのが、なんだか嬉しいですー!!
      三体は理解するのが難しすぎ...
      本当にすごい偶然ですよね!!
      ちょうどshintak5555さんと同じ本を読んでるのが、なんだか嬉しいですー!!
      三体は理解するのが難しすぎて、読むスピードが遅くなるので、多分このまま先に読まれるでしょうー笑
      2022/06/08
  • 上下巻読みおえてからふりかえって、冒頭がコンスタンティノープルだったこと、完全に忘れてた(^_^;; そうか、あれは次元の話だったのか。今見たらちゃんと書いてあったのに、わかってなかった。そうやって読み飛ばしていることがたくさんありそう。

    でも、課題を乗りこえるためにひとつひとつ解決策を積みあげていって、これでもかこれでもかと新しいアイディアがでてくるのはほんとうに読みごたえがあった。
    執剣者交代の直後の大展開で、思わず「ええっ!」と声が(笑)
    そして〈万有引力〉と〈藍色空間〉の思いがけない行動――ここにコンスタンティノープルが生きてくる。

    上巻末の程心と天明の対話は、舞台設定といい、三体世界のプレッシャーといい、ものすごく緊張感があって、よかった。

  • 大、大、大満足。
    ついに完結。

    Ⅰ巻の時点で「何てスケールのでかい作品なんだ...」と思っていたのにⅢ巻でも「何てスケールのでかい作品なんだ...」と同じ感想が出てくる。しかしその意味するところは全然違う。Ⅰ巻のスケールのでかさを遥かに凌駕する内容で襲ってくる。本当に襲われるという表現に値する内容。

    Ⅲ巻でⅡ巻の主人公とバトンタッチ。Ⅱ巻で行われた面壁計画(未来に侵略してくる三体文明から地球を守るための計画)の裏では別のプロジェクトが動いていた。その名も「階梯計画」、人間を直接三体世界へ送ろうとする試みである。今作の主人公、程心(チェン・シン)もこのプロジェクトに携わり、次第に大きな影響力を持ち中心的な人物になり、長い、本当に長い冒険をすることになる...。

    想像力を刺激するSFの描写にとどまらず、一人の男性が抱く淡い恋心、程心が抱く人類への愛、母性...などロマンに溢れているのも見どころ。

    宇宙船を使って惑星間の移動、他文明、地球外生命体との交流、大きなスケールでの冒険といったら「スターウォーズ」をまず思い浮かべることができるが、「三体」はそれとは全く違う景色を見せてくれる。むしろこちらで描かれてる方がリアリティを感じさせる内容。もし宇宙に地球以外の知的生命体がいたとしたら宇宙は「暗黒森林」状態になっている...(こちらについてはⅡ巻を読んで欲しい)

    本当におもしろかった。僕も叶うならば冬眠状態になって100年ごとくらいに目覚めて人類や地球がどのように変化していくのか見てみたいなぁと思った。

    世界に浸りすぎてしばらく抜け殻になりそう。

  • 人の美しさについて「すらりとしていて美しい」とだけ書くのが一貫していて現代的でいい。
    「まつ毛が長い」とか「目が大きい」とか「鼻筋が通っている」とか一切ない。

    人類がパニックに陥ったときにびっくりするくらい愚かな行動に走るのを、はじめは懐疑的に読んでいたけど最近はまああり得るだろうな…という気持ちで読めてしまう。
    こんな確証得たくなかったな。

    地味に帯でうっすいネタバレされそうになるの嫌。

  • 劉慈欣『三体Ⅲ 死神永生』上下巻読了。
    圧倒的なスケールで描く宇宙ハードSF巨篇3部作の最終章。
    前2作で21世紀においてもハードSF、それも宇宙SFにおいて想像力・創造力で現実をぶち抜けるということを示してきたわけですが、3作目にしてさらにその規模感をマシにマシつつ、ゴリゴリにセンス・オブ・ワンダーに満ちたSF的アイデアをぶち込んだな、と。
    個人的には中盤に盛り込まれたお伽噺の読解の件が好きでした。
    3作中で完成度の高さで言うと2作目の暗黒森林なのだけれども、SF的想像力のスケールの大きさとSF的創造力の緻密さ、そしてセカイ系チックなエモさのハイブリッドという離れ業というところでは類をみない名作であるのは間違いないなと。

  • ついにここまで来た。ラストはどうなるのか下巻が楽しみ。

全310件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

劉慈欣の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
テッド・チャン
劉 慈欣
劉 慈欣
劉 慈欣
朝井 リョウ
呉 明益
伊坂 幸太郎
劉 慈欣
カズオ・イシグロ
宇佐見りん
ピエール ルメー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×