パンデミックなき未来へ 僕たちにできること

  • 早川書房
3.10
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152101440

作品紹介・あらすじ

僕たちはどうすれば、感染症の世界的大流行=パンデミックのないコロナ後の世界を構築できるのだろうか。慈善家として20年以上にわたり世界の健康問題や疾病撲滅に取り組んできたビル・ゲイツが、最新科学とデータをもとに実現可能な希望の未来を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 地球規模のマクロ的な話でイメージは抱きづらいというのが正直な感想ではあったものの、大切なことはインフラの整備なのでは?と感じました。
    私が思うインフラとは、ワクチンを流通させるための全てのことを指しています。
    例えば、研究開発に投資をしなくてはならないし、社会実装しなくては永遠に病気は治りません。ならそれを流通させるには道路だけでなく、どういう流れで対象者に普及させていくのか、国からの指針で国民全員に浸透させていかないとSNSのフェイクニュースに踊らされて混乱を招くだけになってしまいます。
    インフラって簡単に使っていたけど、考えると色々な使い方ができてしまうことに驚きを感じるとともに、自分がどう行動するか?を考えていないといざという時には対処できないと確信しました。

  • 2010年、ビルゲイツがTEDの講演で「ワクチンで人口増加を抑制する」というスピーチをした。これは、発展途上国では乳幼児の死亡率と出生率が高いことを踏まえて、ワクチンで乳幼児の死亡率を抑えれば、出生率も低下して人口爆発が防げるという意味。合わせて、核兵器以上にウイルスによるパンデミックをリスク想定すべきだと。これが抜き取られ、コロナウイルスを恰もビルゲイツ財団が自作自演で引き起こしたかのような陰謀論が生まれた。

    半信半疑、というと情け無いが、よく分からなくなっていた。金持ちの心理が読めない。際限なく金銭を保有しても仕方ないから、金満物欲には限りがあり、人は善的行為に傾いていく筈だ、という、充足条件付き性善説的な考えを私自身は持っている。だから、ビルゲイツ自身は悪しき方向に働かない。しかし、残念ながら、人類そのものの善し悪しが不明なのである。少なくとも、そんな悪意をスピーチする訳は合理性が無いから、陰謀論は反知性だが。

    この話ズバリではないが、彼は次のようなコメントを本著で述べている。

    1960年には19%近くの子供が5歳の誕生日を迎える前に死亡。地球上の子供の5人に1人が5歳まで生きられなかった。1990年には世界の小児死亡率を半減10%わずかに下回るようになった。今は5%未満。今より多くの子供が生き延びたら世界の人口が今より早いペースで増えるのは常識のように思える。実は自分もかつてはこの問題を心配していた。しかし間違っていた。小児死亡率が低下しても人口過剰にはつながらない。5%未満でも年間5百万人を超える貧困国の子供が亡くなっている。これを救いたいと。

    また、核兵器以上なのかは分からないが、バイオテロの最も恐ろしい武器は、天然痘だと。天然痘は、既に根絶したが、アメリカとロシアの実験室にサンプルが保管されている。空気中に広がり、死亡率が極めて高く、感染者の三分の一が亡くなる。今は予防接種もしなくなり、免疫を持つ人は殆どいない。怖いのは、ウイルスによるパンデミックというのは、こうした裏付けがあってのものだろう。

    これらに関しては、筋も通るし、敢えて悪役、痴呆を演じる意味も無ければ、正直な話だと思う。ビルゲイツについては、財団のモンサントとの関係を邪推する批評もあり、ここは定かでは無い。頭の良い富豪の動きや考え方を、もっと勉強したいと思う。

  • 書いてあることは全うなのですが、ワクチンの新興国への供給云々に関しては、流石に最初に開発した企業の国優先とかになるのは仕方ないと思いますし、人の行き来とかの問題とかを考えるとどうなのか?と思う面もありました。
    ヘルスケア関連のベンチャーも含めてブレイクスルーや成長の余地を感じました。

  • パンデミックを防ぐにはまず前段階のアウトブレイク、エピデミックな段階から対応する必要がある。また対応には医者の配置だったり許認可だったりとボトルネックがあるので事前のシミュレーション、関係者が関わった予行演習が不可欠実際アメリカでは感染症の対策演習が行われて、行政の権限が明確でない課題がその際挙げられたのだが、そこから先には進まず、コロナで結局問題となった。

  • 請求記号 498.6/G 26

  • ゴミ箱へ直行 

  • 著者はお金の使い方が素晴らしい。
    私利私欲はもう十分で、寄付をするところがアメリカの大富豪らしい。

  • パンデミックの原因、過程、防止のCOVID19の事例をまじえて説明
    専門チームの開設やモニタリングの必要性を訴えている
    IT企業の実業家がバイオに関する取り組みに着手していることにおどろいた

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著者プロフィール

1955年、シアトル生まれ。13歳のときにプログラミングを始める。1973年、ハーバード大学に入学。在学中にポール・アレンと共にマイクロソフト社を創業。MS-DOS、Windows の開発により、同社は世界的ソフトウェアメーカーに。2008年以降は慈善事業に専念するため同社の仕事から徐々に離れる。『フォーブス』の2015年世界長者番付1位。

「2015年 『[生声CD&電子書籍版付き]対訳 セレブたちの卒業式スピーチ ――次世代に贈る言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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