猛スピードで母は

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163206509

感想・レビュー・書評

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  • ムッチャ眠かった。本の批評というよりは生理現象です。

  • 短編集なので移動中に楽に読めた!表題作よりも1作目の「サイドカーに犬」方が作風に好感が持てる。いびつな家庭における子供の視点からの世界観が斬新だ。

  • 2003年8月1日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    ちょうど最近読んだ作品を思い出した。
    数年前、唯川恵の直木賞受賞と同時に、
    芥川賞を受賞した作品であるが、初読。
    表題作と『サイドカーと犬』という二作品収録。

    この二作の親に共通するのは、世間一般に見るならば、
    「なんて親だ! 子どもが可哀想だ」と言われるであろう態度。
    それでも、子どもはきちんと親を冷静に受け止めている。
    結局、親を一番よく見ているのは子どもなのだ。
    決して、世間一般ではないということだ。
    だから、意外と子どもは平気なのだ。

    結局、親と子どももも他人同士であるから、
    早くお互いが別の人間であることに気づき、
    距離を取ることを覚えなくてはならない。

    そもそも、生きることはつらいのだ。
    親を選べない子どもは、普通以上に自分を磨くべきだ。

  • 「サイドカーに犬」「猛スピードで母は」の2編が収められている。
    2編とも、小学生の子供の目線から物語が描かれていく。
    読後、何とも言えない温かさのような、懐かしさのような穏やかな気持ちでいっぱいになった。
    子供だった自分、そして大人になった自分、親としての自分などいろいろな自分を思わず重ねてしまった。

  • 「猛スピードで母は」は芥川賞ということもあり、楽しみにしてたぶん期待はずれでした。母の感情が伝わってこなかったしね。もうひとつの「サイドカーに犬」のほうが好きかな。主人公の女の子の気持もよくわかるし、父親の愛人のキャラクターがいいわ

  • 表題作よりも「サイドカーに犬」の方が好きです。「猛スピードで母は」の方は何となく暗いんですよ。お母さんが慎くんのことを大切に思っていることがどうにも伝わってこないんです。どちらかと言うと邪魔に思っているのかなーと感じる言葉に出くわすことがあってがっかりします。身勝手に生きているような慎くんのお母さんを最後まで好きになれなかったのが残念です。


    「サイドカーに犬」は痛快な印象でとても楽しく読めました。洋子さんが面白くてカッコ良くて。確かに不倫はいけないことだけれど、子供のことも放ったらかしで家を出たお母さんに洋子さんを攻める資格はないんじゃないかなと思いました。

  • 細かい日常の描写が胸に沁みる。感情と行動とは、足並みを揃えてはくれない。

  • 文章が流れるようで面白い。

    同時収録の「サイドカーに犬」もなかなかよい。

    ノスタルジィをどこか感じさせる作品だった。

  • リアリティがあった。

  • この本には、中篇二作が収められているが、主人公は、それぞれ中学生の少年と、小学生の少女。
    そして、同性の親が不在の状況で物語が始まる。

    そこには、驚くべきハプニングや感動のストーリーはあんまりなくて、年の割にやたら冷静な少年少女が、現実を淡々と受け止めているような描写が続く。
    が、まあまあ平凡(で幸せ)な人生を送ってきた自分にとっては、この“違和感のない非日常”、あるいは“未体験の日常”とでも言えばいいのだろうか、どっちの表現がよいかわからないけど、とにかくそんな主人公たちの人生を追体験しているようなこの小説に、無性に引き込まれる。

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著者プロフィール

小説家、俳人。「猛スピードで母は」で芥川賞(文春文庫)、『夕子ちゃんの近道』(講談社文庫)で大江健三郎賞、『三の隣は五号室』(中央公論新社)で谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『ルーティーンズ』(講談社)。句集に『新装版・ 春のお辞儀』(書肆侃侃房)。その他の著作に『俳句は入門できる』(朝日新書)、『フキンシンちゃん』(エデンコミックス)など。
自選一句「素麺や磔のウルトラセブン」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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