- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163213408
作品紹介・あらすじ
『裸』伯母は「あんたも若いころから身体を磨いとったほうがよかよ」と助言してくださりもする-。九州芸術祭文学賞受賞作。『スッポン』イナカノババサンは、女であったが、おじさんかおばさんかわからない顔をしていた。ふるさとを出て十三年、これからも帰る予定はない-。『ゆううつな苺』「ちょっと顔見せりぃってば」母はドアをどんとたたいた。-このひとに新しい男でもできたらいいのに、と心底、思った。芥川賞候補作となった傑作三篇を収録。
感想・レビュー・書評
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大道珠貴(だいどう たまき)さん(1966年福岡市生まれ)、初読み作家さんです。2000年「裸」デビュー、2003年「しょっぽいドライブ」で芥川賞を受賞されてるんですね。図書館の開架を眺めてて目にとまった「タイトル」ですw。「裸」「スッポン」「ゆううつな苺」が収録されていて、それぞれ田舎のバーで働く19歳の女性、お茶販売店で働く33歳の女性、中学生の女の子が主人公です。九州弁の響きが懐かしいです。そして逞しい女性の生き方に拍手です!
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(2014/6/10読了)
「裸」で、九州芸術文化賞受賞、芥川賞候補になったそうです。
大道さんは、アンソロジーで読んだことはあるけど、単体では初めて。この本は、図書館の書架から選びました。
私の好きな作家さんの、津村記久子さんや西加奈子さんと同じ匂いがする。大道さんの場合は、出身が福岡なので、登場人物たちが話す言葉は、九州の言葉。
リアルな現実の流れが物語になっていて、何か事件が起きるわけでもないし、素敵なラストが待っているわけでも無いのち、飽きずに読み続けられます。
主人公達は、19歳、33歳、15歳の女性。年はバラバラだけど、三人とも、自分の意思を持ちつつ、周りの流れに逆らわず生きていると感じました。。。こんな風に書くと、素晴らしい女性のようだけど、そうではないのも良かったです。
(内容)
『裸』伯母は「あんたも若いころから身体を磨いとったほうがよかよ」と助言してくださりもする-。九州芸術祭文学賞受賞作。『スッポン』イナカノババサンは、女であったが、おじさんかおばさんかわからない顔をしていた。ふるさとを出て十三年、これからも帰る予定はない-。『ゆううつな苺』「ちょっと顔見せりぃってば」母はドアをどんとたたいた。-このひとに新しい男でもできたらいいのに、と心底、思った。芥川賞候補作となった傑作三篇を収録。
(目次)
裸/スッポン/ゆううつな苺 -
読みました。
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好きなところもあったけど、
苦手なところもあった。
博多弁、
田舎の土地柄みたいなもの
不思議だった。
哀愁ある。。
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ジャケ買い。可笑しさが時々こみ上げる。ゆううつな苺が好いとう。
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福岡出身、大道珠貴の作品。
私の福岡出身の作家のイメージに多いタイプの作風。
セクシャルな部分に関してさまざまな思いを抱く思春期。親子間で娘が母親の女性という部分に対し嫌悪感を抱いたり。
3話の共通点は、媚を売りたくないのに、異性として意識し、自分が女であるということを利用し、相手より優位な立場に立つことを選ぶということだ。 -
もう感想がうかばんよ。
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「育った環境」ということについて思わずにいられない物語たちである。
たとえそれを嫌ったとしても いくら遠く離れていたとしても そこに懐かしさを覚えてしまうのである。歯がゆいくらいに。
それはどこか 幼子が就眠儀式として手放せずにいる よれよれくたくたのタオルを連想させる。決してシャキッと清潔なわけではなく むしろちょっぴり薄汚れていてすえたにおいさえしそうなタオル。他人にとってはくずのようでも 自分にとってはかけがえのないもの。イヤだイヤだと振り払っても いつの間にかどっぷりとその中に浸っていることに気づいて茫然としながらも陶然となるような。大道作品にはそんな気配が漂っている。 -
福岡出身の人なのかな。博多弁がぽんぽん出てくる。
個性の強い人がたくさんでてくるが、「スッポン」に出てくるお茶の売り子をやっている主婦2人組については妙にハマった。
知っている人に似ているから・・かな(誰と書いたら怒られるからそれは沈黙)
3作目の「ゆううつな苺」が一番すきかなあ。(2003.8.11)