赤い長靴

著者 :
  • 文藝春秋
3.10
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163236100

感想・レビュー・書評

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  • ゾッとします。

  • 意味がわからない。

  • 近くにいるときより、離れて想うときがいとしく感じる。
    彼自身じゃなくて、彼の存在が好き。

  • かみ合ってないのに、収まってる。
    この居心地の悪さと、笑ってしまうおかしさ。

    こんな旦那さん、いそうだ...

    しっくりこなさ加減、でもそこで「おかしい」って笑ってしまう日和子に、なんともいえない気持ち。

    なんなんだー、この本。

  • 2011.2.10 紹介

  • 子供がいない、結婚12年になるおとなしい主婦の日々。淡々としている日常の出来事。

  • 日和子と逍三(しょうぞう)夫婦の日常を、それぞれの視点で進んでいく連作短編です。
    ずっと、とらえどころのない不安定さがあって、「いいのかー?」と思いつつ、日和子は淡々とした日々を過ごします。

    大きな事件があるわけではなく、本当に普通の日常なんですが、二人の距離感がなんともいえません。多分、私だったらどこかで爆発しているだろうな…。

    日和子の言う、「ほんとうのこと」がクリアにならないまま終わってしまいますが、どこか、「それでもいいのかな…」と思ってしまいます。
    薄い膜の様な愛がある気がします。

  • 子供がいなくて夫婦二人だけ…の関係を江國さんが書くとこんな風なんだよね、と納得するような話です。恋人でも新婚でもないからラブラブという感じではないけど、そこはかとなく漂う甘さ。この甘さをキープするために江國さんは子どもがいないのかな…と邪推したくなる程。江國さんの描く夫婦の話は他にもあるけど、例えば夫婦でダブル不倫して終わってます…なスイートリトルライズより受け入れられます。いや受け入れるとかいうレベルでなく、日和子夫婦は結構好きです。いやスイート…の瑠璃子夫妻がうすら寒くて受け入れられない。

    話を聞かないし、家ではグウタラ風な夫に溜め息をつきつつ、結局自分にはこのひとが合ってるんだよね…という実は結婚賛歌の話じゃないかな…と私は思ってます。ま、結婚はそれくらい自分を認めてあげないと、やってられないしね。

    この夫婦、特にダンナさんは私のママ友のダンナさんとイメージがかなりかぶる…。多分、世間的にはおとなしいイメージの奥さんの気持ちも違和感はない。私は日和子のようなおとなしいけど人から好かれるタイプではないけど…。しかしイマドキではないよね。思うにイマドキ奧さんはしっかりしてテキパキしてて車もバリバリ運転、ダンナさんは家事にも育児にも協力的…という私的には僻みとも劣等感とも言えるイメージを持ってます。だからこの夫婦に違和感を感じる奥さんは多分、イマドキ奥さんです。ある意味健全だと思うよぅ。私はイマドキじゃない夫婦の時々漂う甘やかさすら羨ましくなる更に困った人です。

  • 表紙に惹かれて。
    内容について前情報なしで読み始めました。

    日和子と逍三の40歳前後・子供無しの夫婦を描いた連作短編集。
    日和子のくすくす笑いの後ろには、夫婦だからこそ感じる孤独があるのです。
    だけれども、それを捨てることもできず。

    誰かと一緒にいても孤独を感じること、何度も経験があります。
    逍三が「膜」と表現しているような、同じテーブルを囲んでいるのに自分だけ違う場所にいる感じ。
    それは私にとっては、一人でいるときに感じる孤独より不安が大きいものです。

    すごく美しいお話ですが、読後にちょっと不安が残ります。
    落ち込んでるときには読めないな…と思いました。

  • 結婚して十年経つ日和子と逍三の連作短編集。

    こんなにも会話が成立しない夫婦は空恐ろしい。
    逍三は日和子の話の十分の一も聞いてないのではないだろうか。
    それでも他人といると窮屈に感じる同士だから
    ベストカップルというか他にどうしようもない。
    日和子のくすくす笑いがかなしくなる。

    「結局のところ言語は人格なのだし、人格にない言葉を無理に発音したところで、それは音にすぎない。」

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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