赤い長靴

著者 :
  • 文藝春秋
3.10
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本棚登録 : 944
感想 : 172
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163236100

感想・レビュー・書評

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  • 個人的にこれはあまりお勧めできない
    それぞれの夫婦にはそれぞれ大変なところはあるとは思うけれど、読了後の後味悪さ・・・
    残念ながら、江國さんの本で面白いと思った作品に出会ったことがない(あくまでも個人的に)

  • 『笑うことと泣くことは似ている。』


    なのに私は、なぜあの人のまえで泣くことができないのだろう。
    泣いて、ギュッと抱きしめてもらって、「もう大丈夫だよ。」って言ってもらえば
    すべて終わることなのに。

    私の中にある喪失感は、ひとりでいるときにしか顔を出さず
    あの人に会えばすぐ笑顔になる。
    いろんなところが、壊れているとしか思えない。

  • 結婚、夫婦というものが描かれている小説としては、異色な感じがします…この作家の書く『夫婦』はどうにももやもやとした気持ちを拭い去ることのできない雰囲気を持っています。それは現実的ではない、と言ってしまえる感じもありますが、ここに描かれているような小さなズレは、誰にでもありえるからこそ、怖いものだと
    私は思います。

    日和子はたちまち気が咎める。逍三に対して正論を吐くと、望まれている役割を逸脱してしまったようで淋しくなる。

    言いたいことを何度言っても伝わらない相手が居ます。言うだけ無駄だとわかっていても、口を着いて出てしまうときのあの気まずさや居た堪れなさ。それがましてや夫や恋人であれば、その相手をそもそも選んだ自分への虚しさもわいてくるのではと思います。

    (2005年7月13日)

  • 結婚10年目の日和子と逍三。
    何だか社会に適合できない二人。
    受動的に違和感を訴えようとする二人。
    お互いに適合できていないのかもしれない。
    ただ、お互いの存在は、なくてはならない。

    何とも言えない不思議な作品でした。

  • あんまり、こういうお話は読むもんじゃないな、と思ってしまった。
    ダンナとの噛み合ない状況に悩む日和子。まったくそれに気付かない鈍感なダンナ。
    この状況って、いったいいつまで続くんだろう?いつまで続けなきゃならないんだろう?誰が続けろ、って決めたんだろう?・・・考えていくうちにだんだんヤバい状況になっていってしまいそう。

    結婚して、幸せな生活を送っていたのに、別れていってしまった知人が何人もいる。思い起こせば、「彼氏・彼女」の時代にはみんな本当に安直にくっついたり、離れたりしていた。なのに、「結婚届け」を出しただけで、なんだかがんじがらめになっているのはどうしたことだろう。

    まぁ、自分には3人もの子どもがいるので仕方がない。けれど、この日和子夫婦には子どももいない。好きである理由も見当たらない。ただ、長く一緒にいるというだけで続けていくなんて、この先もず〜〜〜〜っと続くなんて!

    「きらきらひかる」なんかは、設定が個性的だから、まだ許せた。でも、これはあまりにも日常に近いので、ちょっときつ過ぎる。「結婚する」「一緒に生活する」ってことを考えるにあたって、心が暗くなりすぎてしまった。

  • うーん、全く共感できない話だった。基本的に江國さんの話は共感しないで読むもの、って認識はあったんだけどこれは特別共感できなかった。結婚したらこんな感じになってしまうのだろうか?こんな夫婦関係だったらイライラしていやだなぁ

  • 他人の顔とコンビ。

  • 私は、自分がこういう夫婦だったら駄目になっちゃうと思う。 だから、読んでいてお互いが相手を嫌にならずに、生活していることが凄いと思った。

  •  連作短編集。
     夫婦の話が中心。自分勝手な(?)夫と、日和子の、ちょっとギクシャクした、でも中のよさそうな夫婦。

  • 表紙がかなり好き。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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