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- / ISBN・EAN: 9784163292403
感想・レビュー・書評
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一つあげるとするならやっぱり表題作『少女外道』。血、背徳、蓮の花……これぞ耽美、という感じ。
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鋭敏な感性は肉体を滅ぼそうとする。
静かな激情、あるいはそれゆえに死を生き始めた人間たちの物語、と私は捉えた。
甘い音をたてて軋む精神。爛熟し、首を垂れる果実のような重い気配。
美しいと感じるか不気味と感じるかは人それぞれだろう。 -
「開かせていただき光栄です」で初めて著者の本を読み、正直その時もあんまり好きなタイプじゃないかも、と思ったのだが、短編なら読めるかなと借りてみた。
残念ながら、こちらはさらに全然私の波長に合わない作品で、途中でやめました。
幻想文学というジャンルは、読めるものと読めないものがあるなあ、私。
またもし機会があったら読むかも、ということで、今回はパス。 -
古き良き日本のエロス
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時代は戦前から始まる短編集。
どの短編も、不穏な魂が茫洋に漂う感覚の、独特な怖さを持つ世界。
密やかに人の人生に傷を入れる、欲望とも煩悩とも違う特殊な心を持つ登場人物達。
こ、わ、い。けどキレイ。 -
死と禁忌の綺羅の織物。
そんな印象の本だった。
少年や少女の抱く倒錯した性への憧れや罪悪と戦争と言う異質な日常が綯い交ぜになって独特の世界が広がる。
眩暈をしながら読んだ本。 -
変わらない皆川節。
匂いたつような官能美がすばらしい。
静謐な文章なのに、秘められているものはとても熱い。
いや、あの金属の筒のように、極限まで冷やされたからこそ生じるものなのかもしれないな。 -
ちょっぴり違う目線から世界を見ていた少女達の短編集。
と私は感じました。
今と昔をさりげなく行き来して文章が書かれてましたが、そこまで混乱することもなくすんなりと入ってきました。
ただ、あまり話にのめり込む事は出来なかったなあ。 -
短編集。
「隠り沼の」…変われない人間の末路を描いている気がした。恐ろしい。
「標本箱」…秘密の秘密がわかる最後でぐっときた。標本箱っていう響きも好きです。
いずれも戦中戦後を生きた少女を描いた作品。 -
短編集。どれもくっきりと記憶に残る話ばかり。過去と今を行き来する視点のやりとりがよかった。