ポリティコン 下

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163299600

感想・レビュー・書評

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  • 408-42-02
    もっとドロドロした復讐劇かと思ったが意外とあっさり風味。
    農村(だけではないかな)ビジネスが成功するには悪役も必要なんだよね。必要悪ってやつ。
    でも本当に成功したあとには要らない。だから悪いことした人間は追い出してしまえって風潮になるのかな。
    追い出された東一は別の場所で同じ過ちを繰り返すのだろうか?
    真矢と母親が繋がることができたことだけが救い。

  • 結局社会主義国家が理想に終わるのは、そこに人間が関わるためだということを再認識しました。

    私有財産を持たず相互に助け合う理想郷としてつくられた唯腕村でしたが、崩壊の発端は、単なる私利私欲で、それは人間の本能でもあると思いますので、現実的には成り立たない様が描かれています。

    全共闘時代の生き残りであっても、結局は私利に走る現実から見れば、福祉国家の限界はすでに分かり切っています。
    東一が新たな唯腕村をつくるとすれば、それは単なる王国であり封建主義への回帰ということなのでしょうが、それが現代において成り立つならば一種の宗教でしかありえないなどと考えながら読了しました。

    本書は脱北ビジネスや農業、人心掌握、世代間格差などいくつかのテーマを含んだ小説です。

    後半、東一とマヤの視点が絶妙のタイミングで移り、面白く一気読みできました。

  • 誰ひとりとして、幸せな人がいないという不思議な話。
    みんなのために生きるという理想の村のはずなのに、理事長の東一を始め、みんなが自分の主張をぶつけあう。
    そこには、理想などなく、人間のエゴや生臭さだけ。
    ある意味社会主義的な理想社会を描いた話って、他にもあるけど、間違いなくハッピーエンドはない。
    きっと、人間という生き物は、それぞれ性格も能力も違うので、そういう生活ができない生き物なのでしょうね。
    そう考えると、共産主義国家というのは、人類にとって必要不可欠な実験だったんだなあ、と思う。

  • 東一は自己中心的で甘い感じがした。
    でもこの小さな偏ったコミュニティで育ってしまったらこうなるんだろうとも思った。

  • うーん、よくわからない

  • 真矢視点が始まってからはよかった。上のままだったら読み続けられなかった。

  • 感想は上巻で。

  • 下巻あまりの面白さに一気読み。
    グイグイ引き込まれてしまった。

  • 3月-2。3.5点。
    理事長になった息子。コミュニティを変えていくが、危ない筋と絡み。。。
    あっという間に読めるが、ラストがあっけないかな。
    最近の桐野は、実話に基づいたものばかりだ。

  • 途中までは東一の妄想に辟易する。
    でも、恋愛ってこういう一面も確かにあるし、美少女マヤの人物造形も良い。
    オチは意外。結局、二人とも何かに飢えていたってことか。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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