- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163747705
感想・レビュー・書評
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市図書館。
…やっぱりね…
という感じ。
全体的に興味深くて面白かった、スイスイと読了。 -
「暴力団」
ではなく、
地域密着型の昔ながらの
「ヤクザ」
と原発。
地域の風俗が息づく感じ、というか
開沼博の「フクシマ論」なんかと読後感がカブるとこがあった。 -
標題のヤクザはあまり登場せず、どちらかというと原発潜入記。著者の想定ほどヤクザが原発事故利権に食い込めていなかったということかも。
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暴力団専門ライターの福島第一原発(F1)潜入記
題名ほどにはヤクザの話は出てこない。
別の取材で東北の町内会の祭りの会場へ暴力団組長に会いに行き、原発の話を振った所から事態は動き出す。親分の話によれば原発は特別なものではなく公共事業が来るのと同じ「街を代表して電力会社と交渉し、ゼネコンと話付けて、地元の土建屋に仕事を振る。それだけじゃとても人でが足りんから、あとはよその場所にいる兄弟分なんかに話を振ったり、普段から仲のいい組長連中の会社を使う。どでかいシノギになるから、代紋なしではとても捌ききれんし、工事だって進まない。」必要悪だというのがその主張だ。町内会の祭りでこの組長と町内会長が普通に並んで座っている中での話であり、地元の人間も怖がりながらも利用するという関係にどっぷりはまってしまってるのだろう。
原発に限らず人足の手配は暴力団の昔からの収入源で、暴対法施行以降は表向き暴力団関係者は出てこないようにしているが、東北ではまだ脇が甘く著者がいわきのハローワークで調べた求人企業26社のうち3社は暴力団関係者が役員に名を連ねていた。
鈴木は暴力団以外のつてを頼ってG社に就職を決める。日当は1.5〜2万円。東芝→IHI→IHIプラント建設→O社→G社という構造だ。下記記事の図がイメージを掴みやすい。
http://biz-journal.jp/2012/07/post_368.html
鈴木を案内したG社の佐藤(仮名)はFUKUSHIMA50の一人で3号機の水素爆発後志願してF1入りしている。佐藤のインタビューを見る限り、使命感やヒロイズム、現実感の無さなども感じる。彼の会社のボスは死んでも良い人間を用意してくれと言われ派遣をためらっていたが、佐藤の携帯に東電関係者から直接現場作業の養成があり、「うちらが行きますよ。誰も行かないのはまずいでしょ」と受けた。ここで逃げ出さずに受ければ東電は恩義を感じるはずだと言う計算もあったと言う。鈴木の現場突入後の記録は感情が入っており生々しい。
多くの現場作業員は他の現場がどうしているかも知らされておらず、放射線の被爆量も本人たちにも知らされていない。後半で作業員たちの被爆についてのコメントを色々載せてあるが現場で信じられている情報が科学的にはあまり正確ではないように思う。正しい情報を知らされないながらもその中で安全を見込んだ被爆量の管理をしていると言う感じだ。
原発協力企業に暴力団関係者が入り込んでいたのは元々からの構造で、FUKUSHIMA50の中にも暴力団関係者がいる協力企業があった。その後この企業は東電からの契約解除をされるが、除染、近隣のがれきの除去、建築工事など暴力団の儲け口はまだまだある。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_31/nihon-fukushimaken-roudousha-fuhou-yakuza-taiho/ -
福島原発の裏側。マスコミの情報からは伝わってこない現実の重さ。タイトルの通り、ヤクザと原発は密接な関係がある。ヤクザ=暴力団は大きな間違い。また、反社会勢力でもない気がする。ヤクザは必ずしも悪いものではないということと、福島第一の実態をとことん知れる名ノンフィクション。著者はぶっ飛んでる。
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いや原発が此処までヤクザ屋さんの食い物になっていたとは知らなんだ。文春で読んだ内容を膨らませた感じかな。裏側を垣間見れてなかなか興味深かった。
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原発で僅かながらでも働いた潜入ルポ。隠蔽体質=社会の縮図だなと思った。