ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163757605

感想・レビュー・書評

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  • 【由来】
    ・amazonで意志や選択の科学の関連本。

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】
    ・まずはザッと通して斜め読み。インセンティブ/コミットメント。その真剣度合いのバランス。

    【目次】

  • 自分自身ほど信用できない約束相手はいない。
    待ち合わせ時間には遅れなくとも、決めておいた就寝時間は守れず夜更かし。
    今度こそ自炊を続けようと調味料を揃え直すも、使い切れないうちに賞味期限が先に切れる。
    誰しも未来の自分は上手くやってくれるだろうと信じて任せるも、
    いざその時になると思っていたとおりには行動できないものだ。

    ではこれを改めるにはどうすれば良いのか。
    やりとげる意志が足りないというならば、外部手段でそれを補完するしかない。
    モチベーション3.0で語られた「目的、熟達、自律性」なんていう定量的に測れない手段に頼らず、無理にでもやりとげる。
    その方法とは、言ってしまえばアメとムチ。もう少し今風に言い直すとインセンティブの設定だ。

    『ヤバイ経済学』にて社会科学におけるインセンティブの強力さが示され、『偶然の科学』でインセンティブ政策の難しさが明らかにされた。
    本書はそんな強力なインセンティブを、自らに課して目標の達成に利用する。
    もちろんこのルール設定の難しさも十二分に示される。
    保育園で子供を迎えに来るのが遅れたら罰金を課したらむしろ遅刻がふえたように、
    ただ単に罰を設定するだけでは、ルールから抜け出す口実を作ることにしかならない。
    厳しい鞭によるダイエットでは、リバウンドの可能性は大きいし、
    報酬による学習の強化は中止したときの離脱率が高いとされる。

    本書がガイドするのはそんな壁を超越する絶妙なインセンティブの設定方法ではなく、その外部委託。
    インセンティブ設定を補助する明文化、通知、審判、罰則の強制執行などを提供するサービスの紹介であり、
    具体的なルールは自分で決めるしかない。

    モチベーション2.0は本質から目をそらせがちだし、モチベーション3.0を意識し続けるのはもっと難しい。
    であれば、後の自分の自律性に任せるのではなく、高い意識を保っていられる間に条件付けておくのが戦略的に正しそうなのはもっともだ。
    最適なルールを作るのは、がむしゃらに目標を達成するよりも難しいかもしれない。
    だが、未来の自分を行動させる仕組みをあれこれ試してみるのは、改めて自分を知るきっかけに出来るだろう。

  • 何かを抑えたい時は
    グループの平均値、節約している上位20%の値を出して、良くできました、普通です、不十分のニコちゃんマーク。
    みんながしているようにしようとするもの。

    見せかけの進捗をインセンティブに
    最初からスタンプが2つ押してある12個貯めるカードと、何も押してない10個貯めるガードでは、進捗の幻想を与えてくれる最初の方がいい。スピードは達成が近づくにつれて早くなる。

    何かを我慢すると、他の何かを我慢できなくなる。
    禁煙すると甘いものを我慢できなくなる。それに神経を注ぎ過ぎて本当に大切なことが出来ていなくはないか?
    しかし、やらないよりはやって行けば、少しずつ我慢の時間は伸びる。グルコースは減らなくなる

  • 二男、就職前読書シリーズ④

  • 3

  • 結局言っていることは「コミットメントが効く」の一点でしかないようなんだけど、それを多角的に、そして興味深いエピソードとともに紹介してくれるので、最後まで飽きずに読める。
    訳者の山形さんが、「自分のサイトの宣伝」とちょい悪く言ってたけど、まあ最終章もちょとしたドラマみたいで面白かったな。

    ただ、本書の方法が日本で通用するかと言えば、疑問。
    「コミットメント」というか、「契約」についての考え方が彼らとはかなり違っているので、本書で紹介されていた「無様な水着写真を公開しなかった司会者」みたいな温情主義が続出するんじゃないかな。

    とは言え、あくまで個人のやる気を管理するうえではいろんなところで使える方法がありそう。
    あとどうでもいいけど、僕がイアン・エアーズとスティーヴン・レヴィットを混同してたのが修正されてよかった。

  • 8割読み飛ばし。

    具体例多くて良かったけど、同じような話多すぎ。訳者のあとがき読めば大体内容わかる。
    とりあえず人はこんなに意思が弱いから、罰則つけたりして、頑張ろうねってことをひたすら言ってるだけ。でまあその根拠となるデータが多いってだけ。

    【印象に残ってるとこ】
    スタンプカード。10個のやつと、12個で最初から2個押されてるやつ。後者の方が有効。

    募金。経験者にはあとどれだけを示し、初心者にはこれまでどれだけを示すと有効。

  • わかりやすい例ではダイエットとか禁煙とか、日々努力を要するような何かの目標を達成するために自分に課すアメとムチ、インセンティブ、それらをどのように自分に課すのがよいか、人間の感じ方・行動の本質に基づいたコミットメントという手法についての本。コミットメントをサポートする stickK.com という著者らが立ち上げた商売の宣伝になっている部分が鼻白むところもあるが、行動科学というものがどのような学問か垣間見れたのが良かった。本書の内容は面白い。しかし、とにかく、日本語訳がひどすぎる。高校入試問題の直訳じゃないんだから、といったレベル。英文で読んだ方がいいよ、といったレベル。翻訳がこなれていて・・・という書評の真反対。こなれてなさすぎる。残念。

  • Carrots and Sticks:
    Unlock the Power of Incentives to Get Things Done ―
    http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163757605

  • タイトル買い。好きな言葉ばかり入っている。
    前半を読むと、著者が作ったネットサービスへ誘導されるのか?この分厚い本をそのために書いたのか?と疑念が沸くが、そうではないとわかる。
    単に研究するだけでなく、自らが実際のビジネスとして成り立たせ、満足させている点が他の研究者と一線を画すところではないか。

    人はちょっと未来の報酬は我慢できるが同じ報酬でも目の前にある報酬は我慢ができない。
    アメをもらうことよりも鞭を避けることにエネルギーを注ぐ。
    自制心には限界がある。

    など、既知の事柄も多いが、教育に行かせる内容が豊富。

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著者プロフィール

経済学者、弁護士。イェール大学ロースクール教授
NYタイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、FTなどに寄稿。彼の研究はプライムタイム・ライブ、オプラ、グッドモーニング・アメリカ(いずれもテレビ番組)でも取り上げられている。ベストセラー『その数学が戦略を決める』など、著作は10冊に及ぶ。イェール大学およびMITで学位を取得。

「2019年 『ライフサイクル投資術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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