ステーキを下町で

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 247
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163761206

作品紹介・あらすじ

帯広の豚丼、三陸うに弁当、下町の特大ステーキに沖縄そば。食をめぐる痛快エッセイ、デザートに美食漫画もどうぞ。

感想・レビュー・書評

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  • 旅先で深く調査をするシリーズ。北海道から沖縄、東北まで。京都のうどんと王将めぐりで、特におなかがきゅるる…。豚丼のぶぅぶうのくだりが軽快で、平松さんの書くエッセイのリズム感の良さが感じられる。東北地方は取材当時が2012年頃とあるので、当時の状況の記録にもなっている。お店や食べ物に出会う時、その歴史や作った人のことに、もっと興味を持って向き合いたい。

  • すべての料理が美味しそうで、色々と想像が膨らむ。ただ料理の紹介だけでなく、料理の文化や歴史をインタビューも交えて、ユーモアたっぷりで紹介しているので勉強にもなる一冊。

  • 相変わらず楽しく読めた。が挿絵で入っているコミックは不要だな。中途半端だし何よりも本の流れに沿っていない。
    また挿話が不自然。
    弁当を食べてる最後の一口を「ちょっと見せてくれる?」なんていう人間いますか?
    ウニ弁当の回ですがなんとも不愉快なシチュエーションですね。
    絶対ありえない。

  • ステーキを下町で、というタイトルに惹かれて購入した一冊。
    そして、読み進めると出てくる料理は全て美味しそうだし、紡がれている言葉もいきいきとしていて読んでいて楽しいと感じられました。

    その中で文中に出てくるフレーズで「旅はせっかくでできている」ということばが心に強く残りまして、難ていうか座右の銘レベルになりつつありまして。

    旅に限らず何でもそうですが、せっかくだからと何かに手を出すきっかけになるのが「せっかく」だと思うんですよね。
    そういうものに気づかせてくれた一冊だし、ご飯を食べる楽しさを改めて感じさせてくれた、そんな一冊だと感じています。

  • -

  • 2015 11/16

  • 596.04-ヒラ 300292406

  • こんな冒頭で始まる一冊。
     十勝平野が目にしみる。機体が降下をはじめると、眼下の現れた広大な畑の緑、耕された土の茶、壮麗なグラデーションをみせる幾何学模様がうつくしい。あいだを縫って、馬のたてがみのような暴風林が整列する。最終目的地は「とかち帯広空港」。

     文章に引き込まれて始まる豚丼を訪ねる旅。前作「サンドイッチは銀座で」よりも地方の普通の料理が多い。餃子の王将を何軒も通ったり、朝からやってる大衆酒場や中央線の普通のスナックなど、常食中心かな。平松さんが日本のあちこちで食べ、呑んでる。本当にこの人は元気に美味しいものを楽しんでいる。僕自身は最近、食べることに情熱が薄くなっているかな。反省しよう。

    一番驚かされたのは、根室のサンマ祭り。獲った秋刀魚を焼いてるだけだと思ったら、こんな文章。
    (いったいこれはなに)
    思わず隣をみるとK田青年の視線が宙をさまよっている。
    「だいじょうぶ。タマシイが抜けてない?」
    「いや、びっくりしちゃって」
    美味しそうだな~。僕も何処かに美味いもの食べに行きたいなあ。

    電車の待ち時間でワンカップを開け、固い鮭トバを齧るなんて描写もある。最近はオッサンでもあまりやらない図と思うけれど、平松さんなら格好良さそうだ。

    谷口ジロー氏のイラストは編集者のk田青年が主人公。肉の描き方が凄い。スクリーントーンを使っているのか、パソコンで処理しているのか素人には判らないが、この質感は驚くばかり。

    梅田の大きな書店を何店か探してやっと見つけた。発行部数が少なかったのだろうか。ちゃんと置いたら売れる本だと思うのだけど。

  • 【胃袋のおもむくままに食探訪】食をめぐる痛快エッセイ、今回は地方へも足を伸ばし、帯広の豚丼に三陸うに弁当、京都のあんかけうどんに沖縄そばまで、一気食い!

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著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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