- Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163810300
感想・レビュー・書評
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読み応えありました。
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「飢餓海峡」「砂の器」そして・・・と帯にあり、伊集院静の初の推理小説ということで、期待して読み始めたが、イマイチ感情移入ができなかった。名前を変え、過去を捨て、成功者になった者が引き起こす犯罪に、2作品と共通項があるということか。
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複雑な人間関係。
でも、こういう刑事さんが増えたらいいのに。
最後のおじいさんのくだりが泣けます。 -
伊集院静は読まず嫌いで、1冊も読んだことがなかったのですが、職場の先輩が貸してくださって初めて読みました。
結構な厚さがあるのですが、気にならず、割とさくっと読めました。 -
作者初の推理小説。読み応えあり。登場人物たちがもつ悲しみや翳りのようなものは、これまでの伊集院作品と共通。帯に、「哀しみを抱いて生きる、全てのひとびとへ。」とある。
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2組の「祖父と孫娘」の明暗がせつなく胸に残るミステリー小説。
伊集院氏が初めて取り組んだジャンルということだが、私にとっても初めての伊集院氏の作品で、ドキドキしながら読んでみた。
物語の始まりは残暑厳しい9月の東京。(なんと、今の季節にピッタリではないか、と読む気になったのだ。)
その東京・の浅草寺では、年に一回9月に「行方不明者相談所」が設けられる。東京で行方が分からなくなった孫娘佐藤可菜子を捜して、そこを岩手県からきた祖父が訪れるところから物語は始まっている。同じ頃、島根県の山奥では、一人暮らしの老人佐田木が失踪し、孫娘の由紀子が捜索願いを出していた。
やがて東京湾にビニール袋にくるまれた二つの遺体が発見された。
この殺人事件の裏には、40年前の満天の星空の思い出を大切にしている人物の存在があった。その人物は祖父の行方を捜す由紀子の出生の秘密にまで関与していたのだ。
点と線のようにバラバラだったそれぞれの登場人物がやがて一つの線に結ばれて、事件解決へと向かっていく様が気持ちよく描かれていた。
一番不幸な目にあったのは岩手県から出てきた佐藤可菜子だろう。
田舎からでてきた少女が簡単に沈んで行く大都会のワナ。裏社会の残酷さもそつなく描かれ、人生の転落をさまざまと見せつけられた。
東京は怖いところ・・・再認識までしたほどだ。
余談だが…
主人公の一人、由紀子は目元が印象的な古典的な美人とされている。たとえていうと「半跏思惟像」の美しさだという。
私には、由紀子は伊集院氏の亡き妻夏目雅子さんをイメージしたような気がしてならない。全体から漂う自然描写の美しさと哀愁も、故夏目雅子さんを思い出させる作品だった。 -
著者は、何を伝えたかったのか…
強引な展開と、伸びたり縮んだりする場面描写が、読んでいてスッキリせず。オススメしません。 -
「初めての推理小説」っていうキャッチコピーが微妙。
推理小説か?っていう印象になってしまったので
そこが残念なような。 -
★2012年8月17日読了『星月夜』伊集院静著 評価B
頑張って書いていると思うのですが、何となく推理小説にしては、切れ味がない。もたもたしてあいるという感じがぬぐえない。結果的に、何故か物語が回りくどくなり、スピード感が失われていると思いました。
よく丹念に読んでみれば、他の名作と言われる作品と変わりない熟考された筋書きなのですけれど。。。。
そう、謎解きに誘い込まれるダイナミック感が無いんです。