- Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163810300
感想・レビュー・書評
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読後感が良かった。
読みやすく、ストーリーや登場人物のイメージもすんなり頭に入ってきた。
また、登場人物が、どこでどのように繋がっていくのかわからず、ワクワクしながら読むことができた。
先の震災の被災者を思わせる老人が登場するが、伊集院さんだから書けたのだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初の伊集院静さん。
登場人物たちに魅力を感じる事が出来ず、
ただただ先を知りたくて頑張って読み進めた。
でも静かな情熱を感じた。
他の本も読んでみたい。 -
いわゆる社会派ミステリ、かな。意外な犯人とか驚愕のトリックとかいうものはいっさいありませんが。捜査する刑事たちや被害者の遺族などの物語はかなり読ませられます。
特に被害者遺族の物語は痛切。事件の手がかりとなった被害者の言動も悲しくって。ラストは印象的でした。 -
なぎさホテルに続いて読んでみました。伊集院氏は海がすきなんですね。これから少し氏の小説を読もうかと思います。
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浅草境内の派出所に音信不通となっている孫娘のことで岩手から相談に訪れた老人。
応対に当たる警視庁鑑識課・葛西、皆川。
一方、島根県出雲市に住む滝坂由紀子の祖父・佐田木泰治が謎の失踪をする。
出雲署の刑事と共に鍛冶職人だった祖父の仕事場を見てみると、
何かを作った形跡があった。
そうした最中、東京湾沿いの江東区若洲のゴルフコースでプレーしていた
ゴルファーが波打ち際に浮かんでいた黒いビニール袋に包まれた若い女性の遺体を発見。
続いて、高齢の男性の遺体も引き上げらる、それぞれ足首にロープが縛りつけられていた。
所轄の東京湾岸署に特別捜査本部が設けられた。警視庁から畑江主任たちの
班が出向く。地を這うような調べをする草刈、立石らの刑事。
新宿歌舞伎町の風俗店、ゲームクリエイターの男、被害者の
身体に付着していたコークス、黄金色にかがやく銅鐸など事件解決への
糸口となる情報が徐々にあぶりだされる
これと交錯するかのように、懲戒免職となった悪評高い元刑事・石丸が、
過去に起こったある事件に拘り続け、一人の男を執拗に追っていく・・・。
というミステリーもの。
被害者の金髪の若い女性と老人との関係?怨恨なのか?一体犯人は誰なのか?
最後まで予測不能だ。ど派手なトリックとかはないが、それぞれの
キャラが人間くさい、重厚であり読み応え十分。ラスト、やるせなさに涙が、、、 -
伊集院静が初めて推理小説を書いたということで話題になっている。やはり文章力、構成力はすごい。数々の登場人物の背景を語り、いろいろな場所でいろいろな人物が行動をし、「いったいどのようにこの話は展開していくのだろう」とぐいぐい引き込まれ、先を読みたくなる。モザイクのような話の数々が最後に一つのなって終焉に向かって進んでいく。とても面白い構成だ。多数の登場人物の背景、キャラクターにも気を配り、ストーリー自体にも重みがある。「推理」小説として読むと、犯人は途中からだいたい察しがつくが、謎解きに重きを置く小説ではなく、犯行を犯さざるをえなかった人間の性を描きたかったのであろう。久しぶりに面白い「推理小説」に出会えた。
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結構好きな作家の初ミステリ。
鉈で枝葉を大胆に切り落としたような印象。プロット重視ということなんでしょう。
ただミステリファンはその枝葉に面白さを見出すと思うのですが。
ラストの余韻はいい。 -
おもしろかったよ
ミステリーと思って読むとちょっと物足りないかも。
でも、二人のおじいちゃんがすごくよくて
孫を思う気持ちの優しさと寂しさが伝わったよ