夏の裁断

著者 :
  • 文藝春秋
2.87
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本棚登録 : 947
感想 : 122
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903248

感想・レビュー・書評

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  • ん~~~~~~~~~~
    島本さんの良くないところが詰まったような本だな…
    初期の身勝手な主人公に近いような。。迷ってるのかな。なんか色々気負ってるのと投げやりなのが混ざった文章。
    私はもう島本さんは自分の書きたいものを書ききるのがいいと思うよ、どろどろしていても、身勝手でも、あの人が芯から書いているものには魂がゆれる瞬間がある。今までも、主人公にいらっとしながら、それでもぐらぐらゆれる瞬間があった。それで時々軽いのも書いてみたらいいよ。それで、よだかみたいな本をもっと書いてほしいな。
    今回はゆれる瞬間がなかったし、「夏の裁断」というタイトルにそぐわない。もっと裁断を生かしてほしかったな。そしてもっと島本さんらしい、じめっとした深い暗闇に連れて行ってほしかったな。変に人工的な暗闇に連れだされたような不自然な一冊だった。勿体ない。
    雑音は聞かないで、書くことやめないでね、本当に。

  • 理解し難い。
    特殊な状況すぎるのか?
    過去に何かがあり傷を抱えた人間が苦しんでいることはわかるけれど、どう対応していいものか。
    自分一人では立ち直れないだろうから、他人に甘えることも必要だとは思う。

  • 薄い本であっという間に読み終わった。が、内容がめちゃくちゃ重たい。島本理生の暗さが全面に出ている感じ。心理学を学んだ人間が、うまいこと洗脳されていくところが結構リアル。本来、島本理生のぼんやりとしているのに的確な書き方が好きなんだけど、それを良くない方向に使っちゃった気がする。

  • 作家の千紘。訳あって休職中。千紘が好きになった編集者の柴田が曲者なのだ。優しいかと思えば悪魔の表情をちらつかせて千紘をかき乱す。千紘は柴田の退屈しのぎにさえならない。千紘の過去の男性への心と身体の傷が二人の関係を共依存のようにしていく。いや、少なくとも柴田は千紘に依存していないので共依存とは言えないか。優しく理解しを示してくれるデザイナーの猪俣の心を裁断し、自分自身を裁断し、何もかも裁断し、千紘の中には結局何が残ったのだろう。何も残らない空っぽの千紘は何で自分の中を満たしていくのだろう。

  • 主人公の心が不安定で今にも壊れそうで、最初から最後まで息苦しかった。読み終わったあと思わず深呼吸をしてしまった。

  • 主人公に全く感情移入できなかった。
    出てくる登場人物の誰もが好きになれなかった。
    何だろうな…
    帯に書いてあるほど悪魔な男かな?
    肝心の主人公は、本当に傷ついてるの?

  • 2022.03.28
    じゅせんどう待ち 只今15時
    どゆことー

  • 子供の頃に性的な痛みをかかえる女性作家。辛い悶々とした様子が痛いほど伝わる。女性作家の事だが第三者の事のようで、考えながら読んだ。

  • 幼い時の性的虐待
    そういうのとかから闇を抱えた病みがちな女主人公
    クソみたいな男への恋とも判別できない感情
    回想と現実を織り交ぜながらのストーリー展開

    島本理生の今まであった小説の特徴を煮詰めて焦がした感じの物語
    良くも悪くも島本理生を感じられるお話だと思いました。

  • 淡々とした文章で一気読み。子供の頃の性的虐待の影響で好きな男性に素直になれない、被害妄想的な主人公の気持ちに全く共感できませんでした。
    でも島本さんの文章は優しくて好きです。

著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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