- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163908410
作品紹介・あらすじ
2021年北川景子さん主演、映画化で話題!
第159回直木賞受賞作!
夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。
感想・レビュー・書評
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直木賞受賞作で映画化もされたみたいですね。
臨床心理は興味があるけど、なかなか人が人の心の状態を理解するって難しいよなぁ。そんな感想になる内容でした。
いのちを大切に、何でも気軽に相談 かぁ、、
「闇」の一言では片付かないよね、皆いろいろ抱えてんだから。
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11日の本日に映画公開された作品の原作を読了。
容疑者となった彼女の心理。そこまでの人格となった様々な環境。
そして臨床心理士の由紀と弁護士の迦葉の関係。
人間の心の複雑さが垣間見えた作品でした。
難しい状況の中でも夫の我聞が優しく包んでくれてる様が心暖かくもなりました。
容疑者環菜の勾留から裁判、判決までの物語。
映画もまた見てみようと思います。 -
理解されにくい、こんな形の性的虐待もあることを知りショックを受けた。
「家族」の在り方って、本当に難しいと最近つくづく思う。
特に母親から受ける影響ほど大きな物はなく、時にそれは成長していく上で、人格を変えてしまうほどに。
環菜の母親も、きっと自分の内面の闇を娘からつきつけれているようで、苦しかったと思う。
ラストに、環菜も由紀も、葉迦も抱えていたことが少し楽になったようで良かった。
我聞さんみたいな人に愛されたら、女性はすごく幸せだろうな。
映画の方もぜひ、観てみたい。
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第159回直木賞候補作品。女子大生の聖山環菜が父親を殺したという。理由は、わからないので見つけてほしい、とのこと。臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、弁護士の迦葉(由紀とは大学時代からの仲であり、主人の血の繋がりのない弟)とともに、理由を探る。環菜の過去が、明らかにしてゆくとともに、迦葉と由紀の中もどういったものだか非常に気になって。引き込まれました。もう少し早く会っていれば…、子供の声をきく機会なく救えなかった。環菜の過去も辛すぎる。この物語でもだれか耳を傾けている人がいれば、だ。臨床心理士の由紀も家族との問題があり(どの家庭にも程度の差こそあれ問題はあると思うが)、その輪郭も含め全体的にドロドロしさがなく、でも心をしっかり書きつつ流れるように書いていたのが素晴らしかったな(事件の不快感は別として)。ファーストラブというのは、初恋ではなく、親からの愛か? 最後の方は環菜の強さが見えよかったです。
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自分が辛いと感じたことを、「世間では、常識では、こうなのだから」という理由で『辛くない』と変換してませんか?
それは、本当に我慢しなければいけないことですか?
辛いと訴えたり、逃げたり、救われようとすることは間違ったことですか?
と問いかけられているようだった。
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幼少期の性的虐待は、本人も何をされているのかわからない部分も多い。だから、大人になってからもそれがどんな影響を及ぼしているのかはっきりしないのかもしれない。
弁護士と臨床心理士という立場で、深層心理に迫っていくところが面白くて、一気読みした。
タイトルは、なぜ「ファーストラヴ」?