2011年 新聞・テレビ消滅 (文春新書 708)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607082

感想・レビュー・書評

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  • 2012年になりました。死にかけてはいるけどいまだに生き残ってるね。

    でも見切りは付けられるレベルに消滅しかけていると思う。

    新聞はYとA以外は多分潰れるよ。

  • 非常に明快な論理。

    僕自身の読み方のスタイルだが、近未来を謳った内容がテーマの本は、よほど食指が動かない限り、だいたいその答えが出そろった頃にこたえ合わせで読むことが多いし、時の流れと自分の感覚の変遷なども同時に感じながら読むのでさらに面白い。作者には悪いが古本で購入できるし。

    だから(つまり答えがNoだったから)、後出しじゃんけんで分析すると、つまり、洋の東西、海の内外を問わず、マスメディアという組織体群は消費者側(客)のニーズ・論理(=マーケットイン)だけで成り立つにはあまりに巨大で、国家権力に近すぎて、内需に偏りすぎる産業なのだ。巨大で、権力に近く、内需に偏るからこそ強固に既得権益を守る電波利権が、サービスの質の高低とは無関係に、黒字前提・権限を一切委譲しない仕組みをとっくの昔に構築してしまっている。

    それはネット社会になろうとも、5年や10年そこらでおいそれと諦められるようなヤワなものではなく、マスメディアが本来持っている健全な役割や痛まなくてもいい人命やお金や国家やいろんなものを犠牲にしない限り決して倒れない。つまり、滅亡しないのだ。

    そう考えると、未来予測として書いたとしたら、作者は(新聞記者であったにもかかわらず)あまりに分析が偏っていたといえる。しかし、佐々木氏はそんなに甘い思考の持ち主とも思えないから、つまりこの本は最初から、ネット社会になろうとも、マスメディアが滅亡するなんて端からそんな意図などなかったに違いない。そうではなくて、そういうコンテンツ~インフラ(3Cと言ってる)までもが変わる激動の時代にあっても、きっと生きた化石のごとく無駄以外の何ものでもないくせに、ただ既得権益の上に胡坐をかいて何も生まないマスメディアのその醜悪な構造を問題視・可視化したかった、ただそこに本書の目的があったのではないかとさえ思えてきてしまう。

    だがそれで十分ではないか。可視化されたことで、僕らの行動規範はさして考え込まなくても自然と導き出せる。こんなものにお付き合いする時間は1分でも短ければよい、ただそれだけのことなのだ。

  • 3C(コンテンツ、コンテナ、コンベヤ)を余程広めたかったのか何度も出てくる笑。
    全く浸透しなかったんじゃないかな!?

    まぁ、コンテナの部分、つまりプラットフォームを押さえたプレイヤーが勝者になるというのは理解できるな。

  • 2年位前の本ですが結構面白かったというか
    勉強になりました。

    タイトルは過激ですが確かに今の時代にマスメディアは
    必要とされておらず個々のニーズに合った
    ミドルメディアが求められているのかなとそんなことを感じました。

    新聞・テレビが今まで既得権益の上に胡座をかいて
    甘い汁を啜っていたが故に今の危機があるのかと思うと
    まぁ仕方ないのかなとも思えます。

    テレビ局が今後も生き残っていくために何をすべきなのか
    そして自分が何が出来るのかを深く考えるきっかけになりました。

  • 報道する仕事は消えないが、プラットフォームとしてのマスメディアの力は弱体化するだろう。本書では「消滅」という表現を使っているので、残念ながら予言は外れたようだ。プラットフォームとしての権利をグーグルやヤフーのニュースに奪われ、読者にどの記事を読ませるのかの権利がなくなり、純粋に報道記事の内容、それも読者が最も関心の持っている記事が上位に来る。
    そして、何より皮肉なのが、同じソースのニュースを元に50社から200社ほど記事を書いているのを、グーグルが親切にも1つの記事関連記事X件というようにまとめられていることだ。必要なのは記事その者であり、中間にいる「マス」メディアはいらない。
    私見では、あと5年ぐらいはマスメディアはなくならないだろう。

  • 第4週 2/1(水)~2/7(火)
    テーマ メディアとコミュニケーション

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00174119

  • メディアを、コンテンツ、コンテナ、コンベアという3層にモデル化して、論理を展開しているところが非常に面白い。

    新聞・テレビがどれも同じようでつまらないので、全く見なくなって久しい自分ですが、本書に書かれているように、既存マスメディアが消滅しようとしているのは、自分がなんとなく感じている現状と非常に合致している。

    2012年の今、まだ、新聞もTVも残ってはいるが、消滅する方向に向かっていることは間違いないのではないかと思う。
    そして、その先にはきっともっと面白い世界が待っている。

  • これまでのメディアを支えていた、
    コンテンツ→コンテナ(手段)→コンベア(チャネル)の垂直統合モデルがネットの普及によって崩壊し、コンテナ、コンベアに多くの新規参入が起こるだろうという予測。

  • 新聞絶滅と言い切っているのが気持ち良い。クリスアンダーソンの、フリーを読んだあとだったのでわかりやすかった。

  • もう2012年で、まだテレビも新聞もあるが、息絶え絶えである。違う形に変化している途中である。来るべき新しい姿の予測には至っていない。誰でもかける本。

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2022年 『楽しい!2拠点生活』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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