毒親介護 (文春新書 1240)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166612406

作品紹介・あらすじ

児童虐待やDV、パワハラなど、身体的・精神的な暴力への関心が高まっている。 親子関係においても、幼少期に親から身体的・精神的暴力を受けてきた人は少なくない。そうした「毒親」の問題が近年、テレビや新聞でも指摘されるようになっている。 子どもが成人して独立すれば、そうした「毒親」から逃れることもできるが、その親に介護が必要になったとき、子どもは再び親と向き合わなくてはならなくなる。 親への責任感の一方で、積年の憎しみや嫌悪は簡単にはぬぐいきれない。様々な葛藤を抱えながら介護をすることになっても、「毒親」はそう簡単には変わらない。老いてますます尊大、横暴になったり、経済的にも子どもに依存し、子どもの生活を破壊しかねない親もいる。 本書は、「毒親」との関係に悩む人たちの生々しい声を紹介し、その実態や心の内に迫る。 介護の経済的負担や認知症への対処、介護をする側の夫婦間、兄弟間の考え方の違いから生じるトラブルなど、「毒親介護」の様々な事例をルポする。 また、専門家によるアドバイスや具体的な対応策なども探り、「毒親介護」の中に希望を見出すための処方箋も提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 毒親の介護どうする? 親ガチャの結末は納得感が大事 :日経xwoman(有料記事)
    https://aria.nikkei.com/atcl/feature/19/112500116/122300007/

    文春新書『毒親介護』石川結貴 | 新書 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166612406

  • 「親の介護を背負わずともいいんだよ」と心を許してくれる優しい本

    「こんな事例でも介護を続けている」と比較してしまいそうで投げ捨てたくなる本

  •  一緒にいて子供に悪影響を与える毒親を介護するようになった場合、どのように対処すればいいのか。豊富な事例とともに紹介してくれる1冊だった。
     毒親とは、単純に子供に対して暴力や暴言を与えていた親だけではなく、子供のやることに過干渉だったり、自分の老いを盾にして負担を強いてきたり、肉体的・精神的・経済的に子供に悪影響を与える親全般を指している。
     嫌いな親であれば見捨てればいいと思ってしまうが、大嫌いだったからこそ最後に自分のことを認めてほしい、愛してほしい、そういった感情を抱く子供も少なくないようだ。
     具体的な介護で苦労している人の話は読んでいて、こんな親なのによく介護する気になったな、と思うものが数多く紹介されていた。
     介護をするにあたって頼れる機関やサービスがあること、認知症や老いによる変化への心構えがあるのも良かった。
     一番重要だと思ったのは「親を『捨てる』」選択肢があるということだ。第6章の最初の数ページでしか紹介されていないが、あまりにも親が酷い場合は、見切りをつけることも大事というのは新鮮な考えだった。ただ、親と縁を切る場合、ちゃんと行政に引き継いでおく必要があることも覚えておいた方が良いだろう。

  • 20201023 読了
    覚書
    第一章 親の老いがむき出しにする、過去と家族関係
    第二章 「かわいそうな親」に振り回される人たち
    第三章 お金と仕事と希望ー介護で自分の人生が消えていく
    第四章 毒親はなぜ子どもを傷つけたのか
    第五章 「毒」なのか、それとも「老い」なのか
    第六章 毒親介護に希望はあるのか

    読み手の立場で評価が違うかも?ですが、
    個人的には一読しておいて損はしなかった内容。

  • 機能不全家族で両親とも認知症で介護が必要、という経験をしました。介護が始まり、元々あった家族問題が噴出して、本当にすごかった?です。
    毒親の元で育った子供が、本心から「親の介護をしたくない」と思うのであれば、周りがサポートして介護関係者にきちんと伝え子供の本心を貫かせないと、子供側は精神面にもたないと思います(携わった人でないと理解できない話ですが、本当にそう思います。)
    外部機関へ相談する重要性にもページを割いてあれば、より良かったです。

  • 親があきらかな介護状態になる前、少し認知機能が落ちてきたとか、ひとりでは生活が維持できなくなっているとか、実はその段階がむずかしいんです。
    最終的には「公助」、つまり公的な支援でないと解決できない部分がある。行政の窓口や公的な介護サービスにつなげることで選択肢も増えます

  • 思っていた内容とは違っていた。
    くくり方が、かなり大雑把に思う。

  • こんな目を引くタイトルあるか?
    『歴史の本棚』の紹介から興味を持って読む。

    こんな読んでて辛い本ある?
    本書の2/3ほどを占める、親にいじめられた幼少期、介護する立場になってもワガママな老いた親に苦しめられ続けるエピソードは読んでいられず、胸糞悪さ全開である。
    「一度くらい感謝の言葉がほしい」という気持ちで隘路に陥る。

    最後に解決策編が少しだけあり、全体の暗澹たる内容に一筋の光を差すが、まだまだいやな後味が残る。
    認知症の話のはずが、対人関係一般にも使えそうな法則があったのでメモしておく。

    【認知症の九大法則】
    1記憶障害に関する法則
    →現在から過去にかけて忘れる
    2症状の出現強度に関する法則
    →より身近な人に強く出る
    3自己有利の法則
    →自分にとって不利なことを認めない
    4まだら症状の法則
    5感情残像の法則
    →言ったり聞いたりした記憶はすぐ忘れるが、そのとき抱いた感情だけは残存する
    6こだわりの法則
    7作用・反作用の法則
    →介護者が強く対応すると、強い反応が返ってくる
    8認知症の了解可能性に関する法則
    →老年期の知的機能低下から、すべての認知症の症状が理解、説明できる
    9衰弱の進行に関する法則
    →認知症の人の老化の進行は早く、介護する期間はそう長くない

    【激しい言動を理解するための三原則】
    1本人の記憶になければ本人にとって事実ではない
    2本人の思ったことは本人にとっては絶対的な事実である
    3認知症が進行してもプライドがある

  • 【なぜ虐待した親を介護しなければならないのか】ただでさえ大変な親の介護。それが自分を虐待した「毒親」だった場合、子はどうするべきか。当事者たちが語る壮絶な現状をレポート。

  • 毒親であるという事も一つのキーワードではあるのだが、中身は基本的に介護の話という印象。
    一番驚いたのはあとがきにかかれていた著者自身の体験だった。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、多数の話題作を発表。出版のみならず新聞連載、テレビ出演、講演会など幅広く活動する。
主な著書に『スマホ廃人』(文藝春秋社)、『ルポ 居所不明児童~消えた子どもたち』(筑
摩書房)、『ルポ 子どもの無縁社会』(中央公論新社)、『子どもとスマホ~おとなの知
らない子どもの現実』(花伝社)など。日本文藝家協会会員。
公式ホームページ https://ishikawa-yuki.com/

「2018年 『人生を豊かにするスマホとの付き合い方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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