宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション 上 (文春文庫)

著者 :
制作 : 宮部 みゆき 
  • 文藝春秋
3.71
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本棚登録 : 400
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167106942

作品紹介・あらすじ

清張ファンを自認する宮部みゆきが巨匠の傑作短篇を選びに選び、全てに解説を付けた。上巻はミステリ・デビュー作「恐喝者」の他、宮部いち押しの名作「一年半待て」「地方紙を買う女」「理外の理」や、「或る『小倉日記』伝」「削除の復元」の鴎外もの、斬新なアイデアで書かれた「捜査圏外の条件」、画壇の裏面を描く「真贋の森」等を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきが選ぶ松本清張短篇集。えらい久しぶりに無性に清張を読みたくなり手にとる。業が深く渦巻く執拗な人間描写、清張すげーわ!とうなされまくり。宮部の傑作『火車』は清張からの影響大だと確信。どれもこれも面白いけれど日本の古美術界の暗闇を暴く「真贋の森」は圧倒的な読み応え。「或る『小倉日記』伝」(芥川賞受賞作)や「削除の復元」の鴎外ものは純文学好きの心をもくすぐる。サスペンス劇場の作家だと高を括るとバチが当たるよ。はぁ~おもしろかった。

  • 「真贋の森」が秀逸。

  • 巨匠の出発点(或る「小倉日記」伝(芥川賞);恐喝者)◆マイ・フェイバリット(一年半待て;地方紙を買う女;理外の理;削除の復元)◆歌が聴こえる、絵が見える(捜査圏外の条件;真贋の森)◆「日本の黒い霧」は晴れたか(昭和史発掘;追放とレッド・パージ)

    芥川賞
    著者:松本清張(1909-1992、福岡県板櫃村(北九州市))
    責任編集:宮部みゆき(1960-、東京深川)

  • 大好きな松本清張さんの短篇作品を
    これまた大好きな宮部みゆきさんが選出した傑作を
    集めた作品集です。


    ファンにはたまらない上・中・下の三部作。
    この上巻は、主にデビュー作や宮部さん一押し作品が
    集結しています。


    「一年半待て」は宮部さん一押し作品。
    別れたいと思う夫を陥れるために女は、
    綿密な構想を練りあげ、みごとに実行にうつします。
    誰も傷つけることなく、自然ななりゆきに任せるこの作戦。
    心理作戦ともいうべき戦略は
    今の時代でも十分通用するもので、
    こんなところの着眼点はさすがだなと感心します。


    「地方紙を買う女」
    新聞の地方紙が盛んな頃。
    今では考えられないが、その地方のトップニュースは
    地方で知るのが一番早い方法だったことから、
    地方紙を購買する、というこの作品の
    ストーリーができたようです。


    事件の背景には時代の違いが感じられるのに、
    犯罪心理や事件の筋道は
    少しも色あせることなく、ドキドキハラハラさせてくれます。
    さすが! 傑作短篇集、というだけあると思います。

  • 最初の何篇かしか読んでいない。
    やはり短編は苦手…、物語に入り込んだと思ったら終わってしまうから。

    地方紙を買う女の2時間ドラマを観たのが自分の中での初松本清張だったから、原作が読めてよかった。
    短編の雰囲気は、なんとなく菊池寛的だなあと思ったり。

  • 手を出したことがなかった松本清張
    じーちゃんも好きだし、重い腰を上げて手を出してみた

    じーちゃんが好きな理由が分かる
    かたい。うーmかたい。几帳面な構成。
    くだけた話も几帳面w
    でも面白いかも。中も読んでみよう

  • 松本清張と言えば、誰もが知っているビッグネームだが、文庫で入手できるものに限ってもあまりに多い著作と、現代ではやや硬めの文体から、ちょっと手を出しにくい存在になっているように思います。
    そんな、「松本清張」って名前は知っているけれど読んだことがない、関心はあるけれど手は出しにくい、って人に、「宮部みゆき」という超流行作家の「責任編集」って冠をつけることで手を出させようという見え見えの意図で編まれた短編集で、自分もそんなあざとさに苦笑しながらも作品の内容が変わるわけではなし、と買ってきて読んでしまいました。

    松本清張については、「点と線」などの有名作品をちょっと読んだだけで、芥川賞受賞作家だったとか、小倉に記念館があるだとか、平成4年没だとか、そんなことは選者の宮部みゆきさんの、気楽なエッセイ風の「前口上」で知りました。書き出しが「没後十二年」ってなってますが、今年は没後二十年になるんですね。

    読後感は…どうでしょう、選者の宮部みゆきさんの中の一定のテーマに沿って作品が収録されているわけで、これを前口上とともに楽しめばいいのですが、自分はその前に、「時代」が気になってしまいました。
    作品が書かれた時代、その世相を反映した登場人物の振る舞いです。登場人物は今では考えられないほどいろいろなところでよく煙草を喫み、世間体や名誉を気にします。まさに「昭和」が濃く反映されているわけです。長編だったら、いったん物語の世界に浸ってしまえば、こんなことはそのまますんなり読めてしまいますが、短編で、しかも合間合間に現代風の軽い語り口で書かれた「前口上」を読みながらの現代と昭和との行ったり来たりでは、なかなかそのあたりが難しく、いちいち、そういう時代の作品なんだから、と自分に言い聞かせながら読む必要があり、ちょっと歯痒い思いをしました。

    でも、これをきっかけに、この巨人の作品を、少しずつでも読んでみようか、という気にさせてもらいました。

  • 清張はよい

  • 短篇集だけあって松本清張のいろいろな作品が読めるのが良い。
    中でも「或る小倉日記伝」「一年半待て」「地方紙を買う女」
    「理外の理」「削除の復元」は、内容もそうだがタイトルからしてそそられる。
    同じ人が書いたのかと思える難しい作品もあったり
    とても充実した内容でした。

    宮部みゆきさんの本はまだ手にとった事ないけど
    解説とチョイスが面白かったので次回手にとってみよう。

  • 森鴎外絡みの作品が読みたくて手にした一冊。
    松本清張が広く世間に知られるようになった、
    芥川賞受賞作「或る『小倉日記』伝」と、小倉在住時の
    鴎外を追った「削除の復元」を収録している。

    「或る『小倉日記』伝」を読むのは3度目かな…
    読むたびに、深い感銘を受ける。障害を持つ男が、
    母の介助を受けながら、全集で欠如している鴎外の『小倉日記』を
    さぐってゆく…という話…

    「不幸か幸福か分からない」とした締めくくり方が、
    余計に人生の機微を感じさせる…なにもかもはうまくいかない…
    でも、何か追い求めるものさえあれば、生きるに足るものになる…
    なんてことを諭されているようにも思った。

    もしかしたら、これは、鴎外の「安井夫人」へのオマージュ…?
    そうだとしたら、随分皮肉な作話なんだけど
    …だからこそ、リアルな物語に感じられてならない。
    本作に対象的なのが「削除の復元」だ。

    発見された鴎外の『小倉日記』には、和紙を貼って
    削除してあるところがあった…そこには何が書かれていたか…
    こちらは、まさにミステリー仕立て。下世話なゴシップになりかねない
    話なんだけど…一気に読んでしまった。

    こうした物語を読むにつけ、鴎外の履歴の華々しさを感じる一方、
    実に人間的な葛藤を抱えながら生きた人だったんだ…と知る…
    妻子と離縁し、単身者として小倉に赴いた鴎外…当時、40歳のころ
    小倉で書かれた「二人の友」「独身」「鶏」が読みたくなった。

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著者プロフィール

●1909年、福岡県に生まれる。印刷工、新聞社社員を経て42歳で作家の道へ。「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。『点と線』『眼の壁』『砂の器』『ガラスの城』『黒革の手帖』など推理小説の第一人者として多くの作品を発表する一方、『日本の黒い霧』『昭和史発掘』などノンフィクション分野でも活躍。日本ジャーナリスト会議賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。1992年死去

「2017年 『徳川家康 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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