新装版 日本の黒い霧 (下) (文春文庫) (文春文庫 ま 1-98)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167106980

感想・レビュー・書評

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  • 半藤一利解説にもあるように「あまりにも意図的である」「反米的でありすぎる」との
    この作品に対する批判は確かに分からないでもないが、これも解説で言うように
    当時これだけのものを書いた作者はさすがとも思う。

    陰謀史観は好きではないが当時の?「アメリカならこれくらいは平気でやったろう」
    と言う感じはするし(笑)
    戦中~GHQ占領期は良くも悪くも現在の体制の基礎になっているのかなあ?
    司馬さんが旧陸軍に恨みがあるように(笑)清張さんも旧軍やアメリカに対する恨みがこういう作品を書かせたのではないかと・・・。
    適当な考えですが(^^ゞ

  • 2010.5.25

  • 前作みたく今まで一切知らなかった事件ばっかりの推理よりも朝鮮戦争が絡んでそこはおもしろかったかな。
    ダイヤモンド、帝銀事件、鹿地事件、松川事件、公職追放、そしてそれら事件が最終的に繋がる場所として朝鮮戦争の推理。
    あとがきや解説でああして擁護されなきゃならないほど「陰謀論」としていわれのない叩きを受けてたのかと思う。確かにどの事件も米軍絡みな上にどことなく共産チャイナ・ソ連・日本のアカ寄りな感じのする記述を見てるとその批判も受けちゃうのわかるけど。

  • ~内容(「BOOK」データベースより)~
    戦後日本で起きた怪事件の背後に何が存在したのか。米国・GHQの恐るべき謀略に肉薄した昭和史に残る名作の続編。戦後の混乱を生々しく伝え、今日の日本を考える貴重な資料である。日本中を震撼させた「帝銀事件の謎」、被告の冤罪を主張する「推理・松川事件」、横暴な権力への静かな怒りに満ちた「追放とレッド・パージ」など。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~

  •  
    ── 松本 清張《日本の黒い霧(下)19740725-19800405 文春文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4167106981
     
    07-007 征服者とダイヤモンド
    08-059 帝銀事件の謎
    09-109 鹿地亘事件
    10-161 推理・松川事件
    11-229 追放とレッド・パージ
    12-281 謀略朝鮮戦争
    13-335 なぜ『日本の黒い霧』を書いたか (初出 1960 文芸春秋)
    ────────────────────────────────
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20020804 清張紙碑
     
    …… こうした緊迫状況のなかでこの年の六月十三日、平事件と福島県
    会赤旗事件が突発した。平事件の発端は平駅前に設けた共産党の壁新聞
    掲示板の撤去問題にすぎないが、矢郷炭坑の労働者を主カとするデモ隊
    四百名が平警察に押しかけて署を占領、赤旗二本を表玄関に立て、留置
    中のデモ隊員をブタ箱から救出し、逆に警官をプタ箱に放りこんで勝ち
    どきをあげた。同じ日に福島県会に押しかけたデモ隊は傍聴席で赤旗を
    打ちふり、肝を潰した議員たちが議場から逃げだしたのが、いわゆる
    県会赤旗事件である。この二つの事件が同日におこり、また付近の湯本、
    内郷両署に平署の応援にゆかないと誓約させたこどなどから、この一連の
    事件は「日共の革命演習」というレッテルをはられ、騒擾罪で起訴され
    た。── 《松川事件特集号 19590900 中央公論》
     
     平事件と福島県会赤旗事件 19490613?(P193-194)
     平事件(たいらじけん)19490630 福島県平市(現いわき市平)。
     松川事件 19490817 福島県の日本国有鉄道(国鉄)東北本線
     
    …… 日の丸の鉢巻をしめた共産主義者が、いまも労働組合を指導して
    いる。机上経済学 ~ 市場・紙上・私情 vs 競争心理 ~
    http://q.hatena.ne.jp/1486907928#a1262113(No.2 20170217 04:23:06)
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C4%EB%B6%E4%BB%F6%B7%EF
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20020804 清張紙碑 ~ ぬばたま文学 ~
     
    ── 松本 清張《小説帝銀事件 195905‥ 文藝春秋新社 20091223 角川文庫》清張全集
    ── 松本 清張《小説帝銀事件 19800515 講談社文庫》亀倉 雄策・デザイン
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000J88IO8
     
    http://q.hatena.ne.jp/1540859696(No.2 20181108 09:34:56)
     虚々実々 vs 虚々日々 ~ うそかまことか、秘術を尽す駆引きか ~
     
    (20091114)(20170222)(20181105)
     

  • 11月5日読了。戦後GHQの占領下に置かれた日本に発生した数々の疑惑・怪事件の真実を断片的な事実から著者が推理する書、下巻。推理の切れ味は上巻の「下川総裁事件」に及ばないが、帝銀事件において警察がぶつかった壁や、レッドパージにおいて追放を受けた人々の境遇への怒りに著者のモチベーション・正義感をうかがい知ることができる。著者自身や半藤一利による後書きを読むと、「陰謀史観」「結論ありきの推理」「小説でも歴史でもない半端もの」などと当時は随分と批判もされたことがわかる・・・。まあ、その分熱狂的な支持も受けたのだと思うが。

  • 2008/11/21

  • 上巻に続き、帝銀事件やレッドパージについて書かれており、最後は朝鮮戦争に関する文章でまとめている。
    終始一貫して、これらの事件のうらにはGHQが絡んでおり、そのため事件が解明されることがなかったとまとめられている。

  • よむよむ第37回

  • 戦後の日本における実質未解決事件の真相推理、後編。1974年発行。終戦後の怪奇な事件郡を知りたい方は、一読されてみてはどうでしょう。概観は掴めると思います。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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