新装版 日本の黒い霧 (下) (文春文庫) (文春文庫 ま 1-98)
- 文藝春秋 (2004年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167106980
感想・レビュー・書評
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半藤一利解説にもあるように「あまりにも意図的である」「反米的でありすぎる」との
この作品に対する批判は確かに分からないでもないが、これも解説で言うように
当時これだけのものを書いた作者はさすがとも思う。
陰謀史観は好きではないが当時の?「アメリカならこれくらいは平気でやったろう」
と言う感じはするし(笑)
戦中~GHQ占領期は良くも悪くも現在の体制の基礎になっているのかなあ?
司馬さんが旧陸軍に恨みがあるように(笑)清張さんも旧軍やアメリカに対する恨みがこういう作品を書かせたのではないかと・・・。
適当な考えですが(^^ゞ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010.5.25
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前作みたく今まで一切知らなかった事件ばっかりの推理よりも朝鮮戦争が絡んでそこはおもしろかったかな。
ダイヤモンド、帝銀事件、鹿地事件、松川事件、公職追放、そしてそれら事件が最終的に繋がる場所として朝鮮戦争の推理。
あとがきや解説でああして擁護されなきゃならないほど「陰謀論」としていわれのない叩きを受けてたのかと思う。確かにどの事件も米軍絡みな上にどことなく共産チャイナ・ソ連・日本のアカ寄りな感じのする記述を見てるとその批判も受けちゃうのわかるけど。 -
~内容(「BOOK」データベースより)~
戦後日本で起きた怪事件の背後に何が存在したのか。米国・GHQの恐るべき謀略に肉薄した昭和史に残る名作の続編。戦後の混乱を生々しく伝え、今日の日本を考える貴重な資料である。日本中を震撼させた「帝銀事件の謎」、被告の冤罪を主張する「推理・松川事件」、横暴な権力への静かな怒りに満ちた「追放とレッド・パージ」など。
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11月5日読了。戦後GHQの占領下に置かれた日本に発生した数々の疑惑・怪事件の真実を断片的な事実から著者が推理する書、下巻。推理の切れ味は上巻の「下川総裁事件」に及ばないが、帝銀事件において警察がぶつかった壁や、レッドパージにおいて追放を受けた人々の境遇への怒りに著者のモチベーション・正義感をうかがい知ることができる。著者自身や半藤一利による後書きを読むと、「陰謀史観」「結論ありきの推理」「小説でも歴史でもない半端もの」などと当時は随分と批判もされたことがわかる・・・。まあ、その分熱狂的な支持も受けたのだと思うが。
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2008/11/21
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上巻に続き、帝銀事件やレッドパージについて書かれており、最後は朝鮮戦争に関する文章でまとめている。
終始一貫して、これらの事件のうらにはGHQが絡んでおり、そのため事件が解明されることがなかったとまとめられている。 -
よむよむ第37回
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戦後の日本における実質未解決事件の真相推理、後編。1974年発行。終戦後の怪奇な事件郡を知りたい方は、一読されてみてはどうでしょう。概観は掴めると思います。