新装版 日本の黒い霧 (下) (文春文庫) (文春文庫 ま 1-98)

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167106980

感想・レビュー・書評

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  • 下巻で取り上げているのは、日本軍が接収したダイヤモンドの話、
    帝銀事件、松川事件、レッドパージ、そして朝鮮戦争など。

    これは、あくまでもGHQ占領史を小説家松本清張が描いた
    ルポタージュ。表面的な理解では、清張が自ら言うように、
    「占領中の不思議な事件は、何もかもアメリカ占領軍の謀略であるという
    一律の構成で片付けているような印象」を受ける。
    それゆえに批判も受けたようだけれども、清張は「それぞれの
    事件を追及してみて、帰納的にそういう結果になったにすぎないのである。」
    と答えている。

    歴史を学ぶ理由は、「歴史は流転する」からである。
    この本で昭和史の一端を知ることが出来るのであるが、
    これを現在に当てはめて考えてみるとどうだろうか。

    結局、究極的には自国の利益しか考えていないアメリカ。
    そのアメリカ一辺倒の外交姿勢の日本。
    近隣のアジア諸国、中国や韓国との緊張感の高まり。
    日本と中韓の緊張感が高まれば高まるほど極東の軍事力の
    必要性が増し、米軍の存在理由がそこに生まれ、
    日本が再び軍事大国としての道を歩みだす・・・。

    深読みしすぎ?

    どうなんだろう。

    ちょっと読むのに疲れたけど、考えさせられる1冊でした。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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