石田禮助の生涯 「粗にして野だが卑ではない」 (文春文庫 し 2-17)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167139186

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  • 石田禮助(礼助)、明治生まれ。
    三井物産社長を経て55歳で退任した後、交易営団総裁等の職を経験し、70歳で第5代国鉄総裁となる。
    彼の残した言葉やエピソード、
    ・「年間50億人という人命を預かる職は、金をもらってやるべきではない。公職は奉仕すべきもの、したがって総裁報酬は返上する。」
    ・「俺はマンキー(山猿)だよ。マンキーが勲章さげた姿見られるか。見られやせんよ、キミ。」と言って勲一等叙勲を辞退。etc.
    からみられるように、「野心も私心もない。あるのは素心だけ。」という、まっすぐな生き方をし、相手が政治家であろうと誰であろうとずばずばとものを言い、怖い人という印象を与えながらも、彼を知るすべての人から愛されていた。
    …という彼の人となりについて書かれた本だが、彼の残した功績についてはあまりよくわからない。
    「絵になる人生を歩んだ人が、いま(青函)連絡船という絵になって、海を走っていた。」と結んでいるので、最新型の青函連絡船を作った人なんでしょうね。
    もう今やその連絡船も過去のものとなってしまいましたが。

  • 三井物産社長から、国鉄総裁。石田禮助の生涯。

  • 10/26
    『粗にして野だが卑ではない』颯爽とした人生を生きた一人の財界人の物語。
    ヤングソルジャー、体力と規律正しい生活。
    パブリックサービスにかけた思い『野心も私心もない、あるのは素心だけ』

    若い頃
    直言。
    エイブルマンを好み、うまく使う。人をよくみて、決めた以上は揺るがない決断、曖昧さをきらう。

    直言をし、それが許される人間性

  • ジャンルとしては経済小説か伝記。
    かつての国鉄総裁石田禮助の物語。人柄はイメージしやすいが、短い小説のため一つ一つの出来事をじっくり楽しむ書き方ではない。

  • 三井物産から財界人として国鉄総裁となった石田禮助。城山さんの本は引き込まれるけど、私としてはもっと国鉄での業績を詳しく知りたかった。いささか情緒的すぎる感が。明治~大正~昭和にかけて、豪胆な経営者は何人かいますが、この本からは比較することはできませんでした。

  • 「粗にして野だが、卑ではない」
    三井物産で業績を残し、引退後に財界人として初めて国鉄総裁を務めた石田禮助。飾らずに、信念を持って堂々と生きる姿に感服する。重厚な人生をスラスラと読ませる筆者の描き方も見事。

  • 私のブログへ
    http://tatsuya1970.com/?p=3239

  • 藤沢武夫『経営に終わりはない』とかと、同じ匂いがする書。タイトルはかっこええけど、そんなにハマらんかった。長きに渡る海外生活から、reasonableか否か、という価値判断の軸があった事が、石田禮助氏を好男子たら占めているのだと思う。

  • 理想とする大人の男の生き様です。

  • 三井物産に務めた後、78歳で財界人として初めて国鉄総裁となった石田禮助の生涯をたどったノンフィクション作品です。

    欧米仕込みの合理主義と、あまりにも人間的魅力を感じさせる国会答弁には尽きない興味を覚えます。とはいえ、現在ではこんな答弁は許されないだろうな、と思ってしまいます。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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